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5話 旅獣人…シスタン【ホウモンシャ】
①
しおりを挟むミナの親戚、商人の壮年コバットは行商の旅の途中に泊まった宿屋にある酒場で獣人の国から来た旅人とであった。
漆黒騎士のシャドーと歳の近い、背中に小さな翼があるその青年は身なりもよく、コバットと会話が弾み、そのうち、旅に出た理由を話しだした。昔クチナ国に移住した仲間の白鷲獣人族を探しに来たと話した。
「クチナに多くの仲間が旅立ちました。僕の祖先は唯一力を認められた王の側近として生涯を終えました。僕らの一族はそれから人間の伴侶を迎え、血は薄れて、翼がない身内も出てきました。」
「そうでしたか。そちらの国は治安はどんな様子で?」
「人間も増えてますからね、治安は良くなりました。クチナに移住した仲間たちは白鷲獣人族同士繁殖して仲間を増やしてると聞いたのでクチナに花嫁探しに来たんですよ。」
「そうですか」
「身内にいませんか?」
「ああ、親戚の子なら。よく働く子なんだよー」
コバットは酔いが回りその晩会話が弾んだのだった。
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