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終 章【漆黒騎士の許嫁】
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しおりを挟む騒動のあと、ジーハスの刺客は兵士とマヤの姉、友人たちは部屋を後にし…使用人数名が客間の掃除をはじめていた。
美術館の入口にいたリュシンの姉である王女ピクルは、リュシンとその腕にお姫様だっこで収まるマヤに駆け寄った。
「ごめんなさい、お父様の代わりに式典に出向いていて…こんな時間になってしまったけれど…大丈夫かしら…って!何があったのです?」
ピクルはマヤの姿に目を丸くし、リュシンの顔とマヤの姿を何度も見たため、マヤが苦笑いして挨拶をした。
「今日お招きしたジーハス国のお客様が以前私が食べてしまったお菓子を食べて…暴れて私を襲ってリュシン様が助けてくださったんです。」
「え?リュシンを恨んでた…ピクシ王女よね?お菓子で暴れたのですか!まあ!なんてこと!リュシンは剣を向けたの?信じられないわ!女性が暴れただけで?なんてこと!」
マヤはピクルのパニックぶりに誤解だと説明できずに口をパクパクさせていた。
「ハクシン、姉に説明してやってくれ…中の案内も頼む。私たちは一度着替えてくる。」
「かしこまりました。王女殿下…誤解があるようですので、ご説明いたします。どうぞこちらへ。」
見送りに、入口までついてきた副館長のハクシンはピクルに深々と礼をした。
ピクルはまだ混乱しながらハクシンに促されて奥の書棚前にある椅子に座って説明が始まるなか、…リュシンはいつものことだと…背を向け、扉の外へとでていった。
「よいのですか?」
「ああ、私が話しても聞かないからな…ハクシンなら大丈夫だよ。」
後にピクルの誤解は解け、着替えを済ませたリュシンとマヤは美術館へと戻り後日、ジーハス国へ知らせが飛ぶことになる。
ジーハス国のピクシは傷の回復をみながら尋問され、ピクシは魔女の国の手により束まった配下と共に悪事を吐いた。
結果…魔女の国からの援助も止める事がジーハス国王へと知らせが飛び、魔女を派遣することで儲けていた薬の販売は中止せざる終えなくなり、様々な国への商売も途絶え、ザバス国と争う余裕も資金も無くなったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
おわび。
いよいよ最終章に入りますが、この回でお読みの通り『ピクシ』と『ピクル』が出てきています。
ここまで来たら訂正するのもおかしいかと思うので名前の変更はしませんが、紛らわしくてごめんなさい。
【ピクル→ザバス国の王女、リュシンの姉。】
【ピクシ→ジーハス国の王女、リュシンの婚約者になっていたかもしれない人。】
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