偽の暴君,漆黒騎士の許嫁です

yu-kie

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第2章【漆黒の騎士】

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 リュシン・ザバス、彼は20歳の頃…縁談があった。現在は敵国となったジーハス国。年中暑い気候の国の民は、黒髪に褐色の肌を持ち、魔女が集まる国。当時ザバス国との薬草の取引が盛んで、ジーハス国の王女との縁談がもちあがった。

 婚約のための初めての顔合わせで…

 ジーハス国の城の一室。

リュシンとザバス国王、ジーハス国王と王女ピクシ、白い大理石のテーブルを挟んで対面して椅子に座っていた。

リュシンはジーハス国と薬草の取引が盛んなことは知っていたが、その薬草からできる薬の調合を魔女達が行っており、魔女を取り仕切るのがジーハス国のピクシだった。

 彼女の身に付ける香水は魅惑効果のある甘く…人を酔わせる香りで…男達を引き寄せた。胸元がぱっくりあいたドレスは男性の注目を浴び…初対面の挨拶で…リュシンは思わず顔を背けた。

《 少し前にザバスに仕事で来た際に、ピクシはリュシンを一目で恋をしてしまう。》

 しかしリュシンの心を捕らえることはできなかった。リュシンにとって嫌いなタイプだった。

ピクシの装い、容姿は…お色気たっぷり。主張過ぎる胸は不快で…リュシンは見合いのせきで顔を背け続け…結果、縁談は白紙に…。

 ピクシは諦めきれずに…後日、向かわせたスパイからリュシンの気持ちを耳にする。ピクシの恋は憎しみに変わって…薬の取引も駄目になった。

 そして5年後、リュシンの婚約を耳にしたピクシはお抱えの隠密おんみつを走らせ…用意した薬をリュシンの婚約に飲ませて…醜い獣にしてしまおうと画策したのだった。

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