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プロローグ
しおりを挟む広大な土地を治める国がある。ザバス国。そこにはコロシアムが存在し、毎日力試しの大会が開かれており、町に多く構える防具屋が客集めで競い合い、酒場は屈強な客達が毎夜騒ぎ喧嘩なんて日常茶飯事
そのザバス国には二人の王子と一人の王女がいる。
第1王子サインと、王女ピクルから…歳の離れた第2王子リュシンは幼い頃はわがままし放題。宮中の侍女達もてを焼いていた。
リュシンは地下牢に残された…50年使われていない拷問部屋に迷いこんでしまう。暗くて鉄錆びやカビの臭いがする…そんな場所で探険した彼は、その後ケタケタ笑い城内を駆け回っていた。
宮中での噂を国王達も耳にする…『拷問部屋で亡霊を見て心を病んでしまった王子』と呼ばれ…鞭をもちだして遊んだり…
ある日、国王と王太子の執務室に入り込んだリュシンは鞭を見つけたことを自慢して振り回し、子供の力なため痛くもなかったが、リュシンに『怨まれいる』と勘違い思した二人は…リュシンがこのまま大人になったら…暴君になるのではないかと案じ、リュシン専属の教育係に教養に更に力をいれるように指示をした。立ち居振舞いに、国王や兄、姉を敬うよう熱心に教えたかいあって…彼は見た目から『暴君』に勘違いされているが忠誠心の強い、兵達に慕われる青年へと成長をした。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
そんなある日小さな国、ピッシュ国との同盟が決まり…婚約者も決まらない第2王子とピッシュの第三王女が婚約した。『奇行?』に走るリュシンをよそに、話は着々と決まってしまった。リュシンは25歳、許嫁のマヤは17歳。二人はこの日、始めて顔を合わせた。
‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡
話は少し戻りピッシュ国。マヤ・ピッシュ第3王女はこの日父に呼ばれて知らされた。結婚できる年齢になったので…かねてより親交のある大国ザバスの第2王子の婚約にどうかと…マヤの名があがった。見た目は可憐な少女だが好奇心旺盛、小動物をこよなく愛し、いつも城の外にある庭へ飛び出し飼われている猫たちとよく遊んでいた。
ピッシュ国王はザバス国でのリュシンの噂を耳にし…上の二人の王女は虫も嫌う、綺麗好き。お洒落をしてお茶会でお友だちと情報共有し親交を深めている。それだけに、ピッシュ国王はマヤを連れて行く事にした。リュシンの噂は悪魔でも噂にすぎない。ピッシュ国王は本人と話をして人柄を探ることにした。マヤと話が合うか…それを見極め正式な返事をしよう。そう決めて、マヤを連れ兵を連れて大国ザバスにむかった。
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