花令嬢は獰猛騎士を惑わす

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第二部 約束と目覚め

3年後を迎え

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 辺境の地シズアナ領に無事に戻った私ガーベラ・バレシアは住み慣れた我が家に戻って…3年の月日が過ぎたのでした。

 3年前聖女ノアの立ち会いで行われた婚約の儀式。私は祝福の花に包まれ…魔王に刻まれた魂の黒い薔薇の印は…純白の薔薇の印を上書きされました。あの日の儀式直後から私は魔族を引き寄せていたようです。クドさんはもともとシュアンさんをよく思っていなかったらしく、シュアンさんを妬む気持ちを魔族に利用されてしまったのだと…あとから知らされました。

 領地に戻る途中に魔族に追われ、シュアンさんに助けられ、シュアンさんの提案で領地に戻ってすぐ浄化の魔法使いの護衛がついたのでした。

 お陰でさらわれたりすることなく、3年間すくすくと成長して、私は前世に命を失くした頃の年齢である…16歳を迎えたのでした。

 婚約してから1年後、国境で小さな戦争も何度か起きて…シュアンさんは領地で騎士団長として忙しくして…私と会えても短時間。それも父に用があって来るだけで、直ぐに別の任務で屋敷を去ってしまいます。

 そんな事もあり…16歳の誕生日を迎えてから私は警備の万全なバレシア邸の中にほぼ隔離された生活を送っています。

 何故そんなに警備が厳重なのか?

 それは2ヶ月前に届いた国王の書簡と共に届けられた聖女ノアからの手紙が関係していました。


   ‡ ‡


 手紙には…

 ノアの故郷に保管されていた魔王ルセが封じられた銀水晶。その表面に深い亀裂が入り、ルセの魂が何者かの手により持ち去られたと。
 
 手紙の内容は国の一部の上層部とバレシア家のガーベラとその父…そしてシュアンにのみ知る他言無用の極秘事項だった。

 ガーベラの身が危ないと判断され…今に至る。

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