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第1章・同居
朝帰り
しおりを挟む数日たち…レストランの厨房の洗い場での作業もスムーズにできるようになりました。
予洗いをして、食洗機に入れ…完了したブザー音。
後片付けをすましたころに…
「葉月!ごみだしとけよー!」
「はい!お疲れ様です!」
一日出たゴミを収集場所に出すのも私の仕事になった。
店も閉まり、従業員みんなが帰るなか…私はゴミ箱を台車にのせて…裏口前のゴミ置き場に出した。
黒のレク〇スが私の前に止まれば窓があきロッティー顔をこわばらせた蒼介さんがいた。
(今日は余所行きの顔だけど…どうしたのかな?)
「魅音…悪いけど今日は帰れないから戸締まりお願い!…気を付けてかえれよ。」
車の後部座席には知らないおじさまたちがのっていた。
(女性のせてないから怖い顔してたんだな?たぶん。)
「はーい。わかった~。」
プアプアー!
車が音をならし走り去った。
この日蒼介さんは自宅に帰って来なくて…次の日が定休日だった私は、ゆっくり起きて洗濯機を動かすことにした。
*
蒼介さんは朝帰りした。
女性関係ではないのだろう、疲れた顔をしていた。
「ただいま…」
「お帰りなさい…大丈夫?」
「ああ。昨日は店の相談聞いて…問題の店行って…いろいろあったよ、昔の知り合いもいたから面倒だった…」
「蒼介さん朝食どうする?」
「シャワー浴びてくる。先に出しといて!今日はなに?」
「葉月家特製フレンチトーストです。」
私がどや顔で言えば蒼介さんはぱっと表情を明るくさせて飛び付いてきた。
「わあー!魅音のフレンチトースト!魅音~ありがと~!」
前屈みに被さるように抱きつく蒼介さんからは香水と…男性の匂いが少し強く感じた。
安心する匂いに思わず動きを止めてしまうなか…
「じゃあね~」
蒼介さんはスッと私から離れて バスルームへ向かった。
私は思わず腕を伸ばしかけていたため、てをワキワキさせて深いため息をついたのだった。
(だめだ…邪な気持ちが沸きだしそうだった…)
「さて、準備しますか。」
気を取り直し…私はキッチンに向かい朝食の準備を始めた。
(愛情たっぷりのフレンチトーストで蒼介さんを癒してあげますか。)
私は気合いを入れ、解いた卵とミルクの入った大きめのボールに食パンを投入。
上下向きを変えながら液に浸け…少し時間をおいた。
フライパンを取り出し、マーガリンをひと欠片垂らして…コンロの熱で溶け始めて、弱火で蓋をしてじっくり焼く。
焼き具合をみてひっくり返しまた蓋をして焼いた。
蒼介さんがバスルームから出てきた頃にはふわふわなフレンチトーストが完成した。
バスルームから現れた蒼介さんは半乾きの髪で…タオルを首にかけて半裸。
グレートのスエットズボン姿だった。
蒼介さんの姿をみて…胸をキュンと締め付ける。
(わあー筋肉ついてる!おなかぷよぷよじゃないよ!だめだ…私には刺激が強い…みないようにしよう…みたいけど…)
私は自問自答し…耐えるように下を向き、深呼吸した。
(相手は叔父さんだぞ?正気になれ、私ー!)
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