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しおりを挟む『聖女』は強大な聖なる力を宿し汚れなき無垢な女性に与えられる称号。
神官長の目の前に、今いる…幼さが残る騎士服を身につけた少女は血と泥で汚れ、数えきれないほどの戦闘をしてきたのだと思え…その所作は戦士を思わせた。
神官長はこの時、目には見えない崇拝する者の声がしたと感じた。(それは自身の内にある者の声かもしれないが…)
「聖女に迎えたいと思っていましたが…貴方様は聖なる戦士なのでしょう…正式に儀式を執り行いますので数日王都に滞在いただく事になります。今日はこのまま神殿の賓客用のお部屋でお休みください。」
「わかりました。」
ミントは神殿に仕える少女の案内で、神官長の部屋をあとにした。ミントは不思議な気持ちだった。ハデルの手紙の通りにしたことで、神殿に閉じ込められることはなくなったが…
「聖なる戦士って…」
「ミント様?」
「すみません、聖なる戦士とは…」
「はい。蒼炎の騎士となられた第二王子様のように、剣で国をお守りする戦士でございます。」
「そうですか。」
「こちらが本日お休みになるお部屋でございます。」
ミントは開かれた扉より賓客用の部屋の奥へと入ってゆき、その扉はゆっくり閉じられたのだった。
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