12 / 19
12
しおりを挟むクステム領内を見回る赤爪の片翼団の中に、今日もミントは加わっていた。
夕刻には呼び出しのあった神殿に向うのだが…ミントは片目の竜グルの背に乗り騎士服姿。赤爪の片翼団の任務の為に異常繁殖した魔獣の討伐をこなした。
相棒は片目の若い竜グル。グルは熊型の魔獣の攻撃をかわし、熊型の魔獣の振り上げる腕の隙を見つけミントは剣を振る。
一団と共に討伐を終えたミントは服に泥や返り血がついたまま、一団と別れ、馬に乗り迎えに来た護衛の騎士数名と共に、ミントはグルに乗ったまま…神殿のある王都へと向かった。
「ハデル様はいつもの私の姿で行けば、神官に私のすべてを伝えることができると…急ぎの手紙を寄越してくださったけど…」
茜色の空が広がる夕刻。ミントはハデルの手紙に疑うことなく、そのままのすがた。
「ありのままの私を見てもらいましょう。」
「主様お腹すいた。」
「ええ、もちろん。すぐ先の村で休息をとりますからね。」
「うん。」
「不思議ね、アンデッドドラゴンに遭ったあの日からグルの言葉がわかるの。」
「そうなんだ~嬉しい!」
「うん、私もよ。」
こうしてミント達は村に到着し、休息をとると、急ぐように王都へ向かった。
向かうは神殿。
途中遭遇した、襲撃を受けた商人の馬車を救出し、さらに服を汚しながらもその表情は晴れやかだった。
12
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。
【完結】私たち白い結婚だったので、離婚してください
楠結衣
恋愛
田舎の薬屋に生まれたエリサは、薬草が大好き。薬草を摘みに出掛けると、怪我をした一匹の子犬を助ける。子犬だと思っていたら、領主の息子の狼獣人ヒューゴだった。
ヒューゴとエリサは、一緒に薬草採取に出掛ける日々を送る。そんなある日、魔王復活の知らせが世界を駆け抜け、神託によりヒューゴが勇者に選ばれることに。
ヒューゴが出立の日、エリサは自身の恋心に気づいてヒューゴに告白したところ二人は即結婚することに……!
「エリサを泣かせるなんて、絶対許さない」
「エリサ、愛してる!」
ちょっぴり鈍感で薬草を愛するヒロインが、一途で愛が重たい変態風味な勇者に溺愛されるお話です。

【完結】竜王の息子のお世話係なのですが、気付いたら正妻候補になっていました
七鳳
恋愛
竜王が治める王国で、落ちこぼれのエルフである主人公は、次代の竜王となる王子の乳母として仕えることになる。わがままで甘えん坊な彼に振り回されながらも、成長を見守る日々。しかし、王族の結婚制度が明かされるにつれ、彼女の立場は次第に変化していく。
「お前は俺のものだろ?」
次第に強まる独占欲、そして彼の真意に気づいたとき、主人公の運命は大きく動き出す。異種族の壁を超えたロマンスが紡ぐ、ほのぼのファンタジー!
※恋愛系、女主人公で書くのが初めてです。変な表現などがあったらコメント、感想で教えてください。
※全60話程度で完結の予定です。
※いいね&お気に入り登録励みになります!
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
さよならの贈り物 サマーセット侯爵家の子供たち
酒原美波
恋愛
中央大陸最大の大国、ドレイク王国。ドレイク王国の貴族、サマーセット侯爵家は代々癖が強いが才能ある人間が生まれる率が多かった。中でも一世代に1人以上現れる天才は、何度も国の危機を救ってきたという。
今世の天才は、サマーセット侯爵の長女アニスだった。
サマーセット侯爵夫妻には三男三女がおり、癖の強い奇才揃い。次女ヴィヴィアンは騎士顔負けの武術をもつ外見も女性には見えない美丈夫、だがアニス姉様を盲愛するシスコン。次男エドガーは、脳筋だが剣を持たせれば敵なし、だが無類のお喋り。他の兄弟も一見そこそこマトモだが、一般よりもやはり個性的。
ドレイク王国は歴史が古く、そのぶん昔ながらの現代にそぐわない慣習が多かった。国王と王太子は国民や側近からはもちろん、妻にさえ名前を伏せ、敬称で呼ばれる。国王や王太子が世間に名前を知られるのは、資格を失ったとき。大抵は崩御だが、王太子だった場合は廃嫡ということも稀にある。
今世の王太子もまた、慣習に従って王太子や殿下の呼称でしか呼ばれず、物心ついたときから両親とは親子らしいやり取りもなかった。幼少時から優秀で王家特有の美貌の持ち主だが、人への関心が薄いのも育ちのせいだった。
そんな王太子が未来の王太子妃選出のお茶会で見初めたのは、アニス・サマーセット侯爵令嬢だった。しかしこの天才を正当な方法で婚約者にするのは不可能に近い。そこで王太子は、謀略を使ってアニスを婚約者とした。アニス自ら、王太子の張った罠に飛び込んだとも知らずに。
世間も国王夫妻も、王太子こそが次代の国王に相応しいと絶賛していた。しかしアニスは王太子には国王になる資質がないと断じ、自らを犠牲にして王太子をその座から引きずり下ろす。
そして王太子の実弟ルシアン第二王子が、新たな王太子となった。ルシアンの婚約者は、幼い頃から絶世の美女間違いなしと評判だったブランシュ・サマーセット侯爵令嬢。アニスとヴィヴィアンの実妹で、当初は元王太子妃最有力候補の1人だったが、姉達があまりに奇想天外なことをやらかしたので、元王太子の正妃候補から早いうちに外された。
様々なことが起こりすぎて、失意の元王太子の心は壊れてしまった。しかし王太子の座から降ろされて初めて、彼は一番欲しかっものを手に入れる。彼が一番欲しかったもの、それは無償の愛。初恋相手のアニスからは得られなかったが、元王太子が気付かなかっただけで、愛は元王太子の周りに幾つもあった。彼は王太子でなくなったのと引き換えに幸せを得た。
一方、アニスは役目を終えると、二度と母国に戻らない航海へ出る。旅の相棒は、敬愛なる叔父アーヴィンと、男にしか見えない妹のヴィヴィアン。
奇特な天才は、他国でも才能を遺憾無く発揮する。
お茶をしましょう、若菜さん。〜強面自衛官、スイーツと君の笑顔を守ります〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
陸上自衛隊衛生科所属の安達四季陸曹長は、見た目がどうもヤのつく人ににていて怖い。
「だって顔に大きな傷があるんだもん!」
体力徽章もレンジャー徽章も持った看護官は、鬼神のように荒野を走る。
実は怖いのは顔だけで、本当はとても優しくて怒鳴ったりイライラしたりしない自衛官。
寺の住職になった方が良いのでは?そう思うくらいに懐が大きく、上官からも部下からも慕われ頼りにされている。
スイーツ大好き、奥さん大好きな安達陸曹長の若かりし日々を振り返るお話です。
※フィクションです。
※カクヨム、小説家になろうにも公開しています。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@コミカライズ発売中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
【本編大改稿中】五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!
七海美桜
恋愛
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる