竜騎士は魔女猫を溺愛中。

2章〔竜騎士ギルと魔女猫の距離。〕

ギルと魔女猫の距離。1

 竜騎士は久々の休暇を取り、屋敷を出た。数日とった休暇だ。
馬を走らせその騎士は療養施設に向かっていた。

数日大切なペットをよそに預け、いつもしていたモフモフもできず、甘える黒い猫の幻を何度も見た。寂しくて、恋しくて、ご飯も喉にとおらない。

ようやくとれた休暇に竜騎士団団長ギルは、彼女がいる療養施設に駆け込んだ。

屈強な体の男であるギル・スキナンは施設に入りララを探した。

大きな男の出現に施設内はざわめき、奥の部屋から施設長は何事かと現れた。

「何の用でしょうか？」

施設長の髪と瞳を見たギルは身構えた。

「お前が！」

「えっ？私はここの施設長のリュイです。まあ、この髪と瞳の色ですから不審に思われたかもしれませんが…貴方は噂の男性でしょうか？騎士殿。」

「あ、施設長殿か失礼した。」

「いえいえ、魔女猫の溺愛ぶりは天下一と聞いていますよギル殿。さて、あなたの目的はひとつだけですね。まだララは眠っていますが、こちらにどうぞ」

ギルはリュイに連れられ２階の病室が並ぶ廊下を案内された。

その奥の部屋にララは寝ている。
道中リュイから今に至る経緯を聞いて逸る気持ちで部屋へとはいる。

リュイは気を利かせて部屋を後にした。