竜騎士は魔女猫を溺愛中。

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2章〔竜騎士ギルと魔女猫の距離。〕

空っぽの器と魔女猫。1

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執務室の女性は鮮やかな琥珀色の髪に一部分が紫色の髪が印象的でこちらを見るその瞳は紫色の宝石のよう。
ボサボサした髪を束ねて優しく微笑みこちらを向いた。

「よく来てくれました。私はリュイ施設長をしています。貴女がララさん?」

「はい。猫のままで失礼いたします。」

私はペコリと頭を下げて、リュイ様の声に耳を傾けた。

「お話に聞いた女性はどこにいますか?」

「少し待ってくれます?この資料が手強くて…」

私は毛繕いして待つこと10分、リュイ様は資料の山との格闘を終え立ち上がる。

「案内します。行きましょう。」

こうして私はリュイ様と執務室を出て、地下へ続く階段を降りて行くと地下牢が並ぶ部屋が続いていた。邪のオーラが漂うこの空間は懐かしさを感じた。

「ララさん力に惑わされないよう。」

ああ、そうだね~この空気。懐かしいけど支配されると昔の自分に戻ってしまうんだよね…たしか。いつもはギル様にいっぱい愛情注いでもらっているから満たされた気持ちでいるけど、しばらくは主に会えないのだから会えないうちに私が変わり果ててはギル様に申し訳ないでわないかっ!

「おーいララさん?仕事だよ。」

リュイ様がしゃがみこみ私の頭をくしゃりと撫でると檻を指差した。

「あの子なんだけどどう思う?」

檻の中の少女は魔力封じの手枷を付けられうわ言を絶えず口から溢れ…瞳は現実の世界を見ていないよう。

「リュイ様、彼女が魔女になった経緯と拘束した経緯を教えてください。」

リュイ様は悲しげな表情で話始めた。

彼女はとある領地の娘で、病弱。彼女の延命によいと闇の商人に買わされた黒い球体。たまを持ち帰り娘に見せるとみるみるうちに元気になり、なりすぎて魔女になり領地を暴れ、あげく討伐隊に捕らえられ、浄化を施したが気を失っただけで、目覚めたときには再び暴れ。魔力封じの手枷をつけてもいつまでも暴れた。そして今に至る。

私はそれを聞いて考えつくのは…霊がすでに体にないのではないかと疑問だった。

(続く)

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