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記憶を無くしてからの話。
しおりを挟む魔法使いは闇に消え去り、深い泉で溺れる黒い子猫は必死で助けを求めた。
闇夜に黒いドラゴンが舞い降りてその背から騎士が一人地上に降りて泉に駆け込む。
屈強な体の騎士は凛々しい顔の琥珀色の髪の男だった。
「ちび!じっとしてろ!今助ける。」
黒い猫は彼に救われ、動物好きなその騎士は黒猫を胸に抱き締め連れて帰ることにした。
幼い黒猫は生まれてすぐに親からはぐれたのだと彼は考えた。
まさか、それが魔女だと誰がわかろうか?
黒い子猫は暖かい腕に小さく埋まり眠りについた。
それが黒猫と騎士の出会いであった。
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