黒鷲少女は騎士の溺愛に戸惑う

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12 団長の護衛 no.②

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 こうして…この後、料理長のガイトも呼ばれ、今後の事を総料理長から聞かされた。

 ルカと総料理長は犬猿之仲?のようで、ルカと総騎士団長との席に同席していた総料理長は固く唇を閉ざしたままだったが、ガイトが来てようやく口を開いて話始めた。

「詳しくは書面で伝えるが、ルカ・ナキアには火炎騎士団の団長の護衛をすることになる。獣化したさいは、どうせ誰かの肩にとまって楽しているだけだ。普段と変わらず使いなさい。」
「くっ!」

 ルカは、急にペラペラと口を動かし出した総料理長の言葉の一つ一つに嫌みを感じ苛立ちだせば、ガイトはルカの頭にコツンと拳をのせた。

(耐えろ。)

 ガイトは目でそうルカに言うように視線を向け、ルカは頬を膨らませて小さく頷き下を向いた。

 話も終わり、ルカとガイトは食堂から去って行く、総料理長と総騎士団長を見送ると、報告と挨拶のため、火炎騎士団の控え室に向かった。

  +     +     +

 火炎騎士団の控え室。

 室内には笑い声に包まれていた。

「いやあ~よかったよかった。」

ライドの笑い声に始まり、副団長のミラーも穏やかな笑顔でコクコクと頷いて、一人クトだけはミラーの体と向かい合い、その胸に、小さな拳をポコポコとぶつけていた。

「何でだよー!」
「あなたは子供みたいで可愛いですね。」

 ミラーはクトをぎゅっと抱きしめ…その様子を、ルカとガイトは何が起きているのかと凝視した。

「ルカ、よろしくね。便りにしてるよ。」
「はい。本業も怠らないようにどちらも、頑張ります!」

 控え室の椅子に座るライドの前に立つルカは、深々と頭を下げた。

 こうして挨拶を終えたルカはガイトと共に部屋を後にし、昼食の準備で厨房へと向かった。
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