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森に増えた愉快な家族の話

18 森の駐在所

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 ジンの妹パルは平民出身の騎士のソクトと結婚し、王都の団地の空き部屋に仮住まいを始めた。

 王都から仕事で森へ来ることが多いソクト。村育ちで病のために職に就けずにいたパルにとって、王都の賑わいや人々の暮らしぶりに馴染めず不安だけを募らせた。

 そんなとき、白猫は城をウロチョロとしている姿が数日目撃され、ある日、騎士の集まりでソクトは昇格を発表された。新たにできた役職で、森で捕まえた泥棒を一時管理する駐在所の所長だった。

     **

 森奥のグリアの家がたつ周辺の土地は代々森を守るものが所有する土地。 例えるなら『森』が領地なら、その『森』の領主がグリアだと、というわけである。

グリアはジンの書いた書簡を伝書猫になって上層部に届けていた。

『森の盗人を捕らえ二人で管理をしてきたが、未だ捕まえられない者もいる。二人だけでは限界があり、森に1人駐在所を作って、常駐を任せたい。森の遺跡泥棒の安全な確保率は確実に上がり、逃亡も無くなるはずです。引き渡しに関わっているソクト・ルシアンは森の道をよく知る騎士で、魔女が信頼する騎士であり、是非彼にこの役を任せたい。』

 書簡にはそう記されており、犯罪歴のあるジンは城を出入りできないため、暇な時にグリアが城を出入りし、顔見知りの総騎士団長や、宰相補佐役に会いにいっていた。

     **

 駐在所は森の魔女の家と森の境界線にでき、常駐するソクトの住まいはグリアの家の隣にできた小さな家。パルとソクトはそこへ住まいを移した。
 
 森の魔女の家は子供達の面倒を見てくれるパルが戻って来たことにより賑い、パルも元気を取り戻した。
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