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しおりを挟む日曜日、真由はクラスの友達と商店街にできたカフェに来ていた。
「真由ちゃん将来の夢ってある?」
カフェの席…向に座るツインテールのモデルのような綺麗な少女麗夏がパフェを口にしながら聞くと…真由は目線を天井に向け少し首をかしげて考えた。
「ん~、ケーキやさん。」
「ピアニストじゃないの?」
麗夏の隣に座るショートカットの瑠菜が身を乗り出して叫んでいた。
「瑠菜ちゃんと麗夏ちゃんは?」
最初に麗夏が発言をした。
「私は女優。」
続いて瑠菜は…
「私はプロのバレーボールの選手になるのが夢かなあー」
「二人とも凄いね。」
真由は他人事のように手を叩いて関心していた。
「なんで、真由ちゃんはピアニストじゃないの?」
「ん~ピアノは趣味だけにしたいかな。お菓子を作るのも興味があるから…響ちゃんケーキ好きだし~」
「「響ちゃん??」」
麗夏と瑠菜はめを丸くして問い詰めれば、真由はもじもじとしたあと、恥ずかしそうに小さな声で二人に話した。
「お隣の家の人。ケーキ作れたらきっと惚れてくれるんじゃないかな?って思うんだ!」
真由は妄想しながら目を輝かせていた。
「いつかはお嫁さんにって、ひゃあ~!」
真由は最後まで言ったあとに恥ずかしくなって顔を両手でおおった。
「真由ちゃんの夢は響ちゃんさんのお嫁さんなんだね!」
「恥ずかしいから言わないで!」
真由は『イヤ、イヤ、イヤ』と首を横にふりふりしているのを友人二人は苦笑いして見守っていた。
「真由…お嫁さんのことはクラスでは言わない方が良いかもね?」
麗夏はカップのそこのゼリーをスプンで掬い上げ口に運びながらそういった。
「え?なんで?」
「真由ちゃん?君は男性に人気があることをお忘れではないか?」
瑠菜はアイスの乗ったサイダーをストローでぐぐっと飲み干し、『ぷはっ』と口を離して真由を指差して言えば、真由はその指先を目を寄せて見つめれば、瑠菜は指をくるくる回した。
「ひゃ~、めがまわる~」
瑠菜は指を回しながらにやにやと笑った。
「無自覚に人をたらしているのかな?このちっこくて可愛い生き物は?」
瑠菜のその言葉に、麗夏も納得するように首をたてに『うん、うん』と頷いた。
真由の動作全ては小動物のようで、プラスその可憐な容姿を際立たせる長い黒髪をおろす少女は無自覚に人を惹き付け、三年前のストーカーも真由に惹かれた『一人』に含まれていた。
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