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+ 最 終 章 +
no.21
しおりを挟む任命式を終え、私は一旦皆と別れ、アクトスさんと家に帰ってきた。
馬車が家の前に用意され、領主である叔父様と両親…家族が私の旅立ちを見送るために忙しい時間を割いてここに来てくれた。
家から荷物を運び馬車の後部座席下の物入れに荷物を乗せ終えた頃、西の自警団の皆も現れて私は家族と自警団の皆に一人ずつハグをした。
1年後輩剣士のハルト・リタン、彼はユマの良いサポート役に徹してくれている。
今回団長になったユマ・ヒアル、可愛い顔をクシャクシャにして泣いて別れを惜しんでくれた。
2年先輩槍使いの女性ビオラ・ラトゥー、普段泣かない彼女の頬から一粒の光が見えた気がしたが豊満なお胸にはぐされ、赤ちゃんになった気持ちになってしまうほど優しく私を包んでくれた。
攻撃専門の魔法使いの男性ベータ・ラトゥー、彼とハグをしようとしたら、彼の手が伸びガシッと頭を掴まれそれ以上接近できず抗議すると、彼は目を赤くして空いた方の腕で目を拭い、ハグを諦めた私の頭を乱暴に撫で、軽くハグしてすぐ離れて背中を向けた。
そして家族と1人ずつ言葉を交わし、アクトスさんと馬車に乗り込み、馬車は走り出したのでした。
家族が泣くのはわかるけど…自警団の皆があんなふうになるなんて予想していなかったぶん、嬉しくて、別れがつらくなり、涙がポロポロと頬を伝い、必死に手で、顔を拭うと、隣にいるアクトスさんが私の手を払いハンカチで私の頬を優しく拭いてくれ…彼の尻尾は私の膝にのりゆらゆら揺れていた。
「また会いにゆけばいいんだよ。」
「はい。」
馬車の揺れがふわふわとゆりかごにいるような気分になり…彼に抱きしめられながら…知らないうちに眠りに堕ちた。
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