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+ 第 4 章 + 婚約
no.19
しおりを挟む魔道士様のお話を受けた後…講堂に西の自警団員が集められ、今回の書簡の内容が告げられると…今後の話し合いがもたれたのでした。
「ミヤ・ルシファー君が今回の自警団の活躍を聞いた陛下より王都へと派遣するよう要請が来ています。目的は各領地の自警団発足を推進し、ゆくゆくは各領地の自警団の特派責任者となってもらうと。そこで、団長の引き継ぎを誰にするか話し合ってほしい。」
そこで全員一致であがった名がユマ・ヒアルだった。
彼女もまた、手の甲に魔力の高いもの特有の痣を持ち…属性は毒で、鈴蘭の白い模様の痣を持っている。
魔法養成所卒業時はまだ実戦に使われることは禁じられ、自警団では基礎的な魔法のみ使っていた。
毒属性の魔法を扱うものは解毒の魔法も習得するのが決まり。ユマは卒業当時まだ習得できず…卒業後にあった何度目かの試験が…潜入任務の数日前にあり、その日ようやく習得したのだ。
潜入任務の後はユマが何度か仲間を救い、その魔法の威力を見ていたがために、ミヤの後継者はユマしかいないだろうと言うことになったのだった。
というわけで、ユマが次の西の団長になる方向で話はまとまり、引き継ぎ完了後私は、王都へ向かう事に決まった。
話し合いが終わり私達は残りの時間西の地域の巡回へ出発する前に、魔道士様がアクトスさんが大事な話があるからと私は講堂内に残され、魔道士様と西の自警団の仲間は少しの間、講堂の外へと気を利かせて出ていった。
「ミヤ譲…渡したいものがあるんだ。」
「どうしたんですか?」
「これを…婚約の印に身に着けてくれないかな?」
ミヤの右手を取るアクトスはその薬指に銀色のリングを差し込んだ。
「ミヤが王都に来たら…番に…妻に迎える準備を始めたい。王都に来たら私の屋敷に来てくれる?妻に迎えるのは準備がいるが、まずは番として一緒に暮らしたいんだ。もう離れたくないんだ。」
「私も早くアクトスさんの側にいられるようになりたいです。」
「ありがとうミヤ譲。」
アクトスはミヤを強く抱きしめたところで、講堂のドアは開けられた。
「アクトスくん、私のサービスタイムはここまで。さあ、ミヤ・ルシファーさん皆がまっているよ、巡回に行って。」
アクトスさんと私の間に割って入った魔道士様は私の背中をぽんっと、優しく押して部屋の外へと促して…私は魔道士様に頭を下げ、アクトスさんに手を振りその場を去った。
私の足は自然と軽くなり、スキップするように少し先で待つ西の自警団の仲間たちのもとへと走ったのでした。
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