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+ 第 3 章 + 潜入
no.11
しおりを挟むミヤはこの日魔法養成所に生徒として来ていた。
そこに集まった訓練生の制服を身に着けた潜入メンバーの生徒達はこの日、研修旅行に出発した。
潜入中の生徒は皆手袋をして、手に痣を持つ数名の生徒の存在をわからなくさせ…ミヤは自警団の西の団長であることを隠すため、愛用のポンチョコートは禁止された。その為…訓練生時代の時のように肩まで伸びる金髪の髪を降ろし、前髪も目元を隠す長さに切り揃えていた。
制服の右の胸ポケットにはアクトスからもらったブローチがキラリと光る。
研修旅行の場所は領地の端の街アカルトの近くの森の奥の古代遺跡。実行犯の一人である研修旅行の責任者は一度は自警団に捕まり、今は領主と自警団の指示で誘拐をするフリをさせられていた。その為、顔面蒼白に…誘拐の主犯者の待つ場所へと生徒たちをのせた2台の荷馬車と向かっていた。
「団…ミヤさん緊張します。」
「ユマ、大丈夫だよ。」
ミヤとユマは肩を寄せあい、早く任務が終われと思いながら荷馬車から外の景色を眺めていた。
*
私は今荷馬車で移動の間脳内でシュミレーションを繰り返した。
作戦に沿った行動を取り、もしもの事態への対応。最近、禁忌魔法の使用条件となる魔法を習得し、禁忌魔法を扱えるようになったユマ・ヒアル。最終兵器ともいえる私の隣にいる少女は大人びているがまだ中身は幼さを感じさせ…最終兵器として動かずに済むことを願う中…私のそばにいる事に安心してか、気がつけば…肩により掛かり眠り始めていた…。
見た目は大人びてるけど…ユマは結構甘えん坊なんです。彼女に負担をかけないようにしないと~。
「頑張らなきゃ。」
ミヤは両手に拳を小さく作り気合を入れた。
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