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+ 序 章 +
no.2
しおりを挟む翌日私達は街の魔法協会養成所に併設された講堂で東西南北の自警団員たちを集めた報告会に参加しました。
講堂の教壇を真ん前に東西南北の団長が席についている。
最前列左から…〈東の団長〉手の甲にある黒い剣の模様の痣を持つ剣使いの "ククル・アーミヤ" 黒髪の少年で私と同じ年に養成所を卒業した仲間。
次が〈西の団長〉の私。植物魔法使い特技は薔薇使い、手の甲には赤い薔薇の模様。
その隣に〈南の団長〉は炎の魔法使い、彼女も養成所を卒業した仲間で、桃色の髪が印象的な綺麗系の "ルーラ・メテオラ" 手の甲にはオレンジ色の火の模様。
〈北の団長〉は雪を操る魔法使いで養成所の先輩、 "ゼッツ・ブリザート" 女子にモテモテ、銀髪の髪が印象的な人で手の甲にある青い模様は氷の結晶。
私達4人の後ろの席には団員たちがいて…各団長の後ろに、担当する団員が席についている。
私は毎日変わるお気に入りのワンピースに、防塵加工の純白のポンチョコートで、ここでもフードは欠かせなくて…それでも、個性豊かな東、南、北の団長の中では地味な方。しかも体も小さいから、さらに目立たない。恥ずかしがりやな私には好都合なのです!
総指揮官の聡明な魔道士様の講義が終り、総指揮官補佐の号令で始まった報告会。どこも治安は良くないことはよくわかり、北の方角の孤児院の少女誘拐なんて話も耳にした。南にある孤児院でも同じことが起きているとか…
「誘拐された日には近くでは不審な荷馬車が目撃されている。各方角に大小様々な孤児院が存在する。コレ以上犠牲者が増えないように警戒するよう!」
総指揮官補佐さんの力強い声が講堂に響くと、私達は拳にした右手を掲げて士気を高めたのでした。
「「オー!」」
*****
翌日から始まった孤児院の集中巡回。西の自警団は街から離れた場所にある古びた小さな孤児院を巡回中に不審な荷馬車を目撃した。
棺桶みたいな大きな箱をいくつかのせて走る馬車。御者の座る椅子には顔のほとんどを、スカーフを使って覆せた大人3人がギュウギュウに体を詰めて座っていた。
「あの荷馬車を警戒するよ。」
私達は小屋の影に隠れ様子を見ることにした。
彼らは思いのほか行動が早くて私はよそ見している仲間をこちらに向かせ、荷馬車の行方を追った。
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
ミヤ・ルシファーが孤児院へ向かって少し経った頃、人狼騎士が仲間を連れて視察の帰り道孤児院近くを通り過ぎようとしていた
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
「ちょっと待て…あのこの匂いがする。」
人狼騎士は鼻をヒクヒクさせ馬の脚を留めた。
「リュシエ団長…以前話していたフードの子供ですか?」
「ああ…ぜひ番にしたいのだが…。」
人狼騎士はふと、孤児院に目を向けると、人攫いの男と自警団の戦いを目撃したのだった。
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