スカートの中を覗きたい騎士団員達

白木 白亜

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今日は王妃様のお茶会だった。


私は行きたくなかったが、国王陛下の肝いりだ。それに王妃様のお茶会をやると知って皆とても喜んでくれたのだ。

特にノエルが。


私は王宮のアドの部屋から出るとすぐに、ノエルの家に謝りに行った。

だって、私のために誘拐されてひどい目に合ったノエルの見舞いにもいかずに、アドにかかりきりになっていたのだ。さすがに友人として良くないだろう。


土下座せんばかりに謝る私をノエルはあっさりと許してくれた。

何でも、すぐに私の代わりにジェドが見舞いに来てくれたらしい。さすが弟だ。

それに両親も。

「まさか、公爵ご夫妻がいらっしゃって頂けるとは思ってもいなくて、私の両親も恐縮していたわ」
ノエルも驚いていた。

「『娘のために大変な目に合わせて、ごめんなさいね。もし、今回の件でなにか困ったことが起こったら、遠慮なく言ってね。何でもするから』ってフランのお母様におっしゃってもらえたの。『出来たら領地にも遊びにいらっしゃい。来てもらえたら歓待するから』っておっしゃって頂けたのよ。本当に行っても良いのかしら?」

「それは良いけれど、うちの領地に来ても魔の森しかないわよ」
うちの領地は魔の森しかない。魔物と戦うなら良いけれど、それ以外はあまり何もないのだけれど。

「えっ、でも、あなたの領地の館ってかの有名なルブラン城でしょう。絶対に行ってみたいわ」
世間ではうちの要塞が有名みたい。まあ、見た目は白鳥城みたいできれいかもしれないけれど、中身はあまり改修もしていないので、幽霊屋敷みたいなんだけど、そんなのでいいのかな?


まあ、ノエルに許してもらえて私はホッとした。

その時にお茶会の話をしたら

「えっ、本当に良いの。嘘ーーーー。王妃様のお茶会に呼ばれるなんてもう死んでも良い」
とかメチャクチャ喜ばれたのだ。

なんか変だ。私は死んでも行きたくないんだけど。世間では違うらしい。


と言うことで、今日は王城の入り口直ぐ側にある待合室に集合にしたのだ。



「フラン様を嵌めようとした私が行く権利なんてないです」
と嫌がるオリーブも強引にジャッキーとメラニーで攫って連れてきたのだ。


「あなた、そんな事言ったら、殿下からの花束をメチャクチャにした私も行く権利なんてないわよ」
「それに、フランはあの帝国と組んだ聖女のことですら命乞いしたのよ」
「えっ、そうなのですか。ローズの命を助けて頂けたのですか」
オリーブは驚いて私を見た。

「まあ、私がもう少しうまくやってたら、あの子もここまでひどくならなかったかもしれないし、教会が帝国の進出を許していたことも原因だと思うのよね」


「ありがとうございます」
オリーブは私に頭を下げてきた。
うーん、頭下げられたけれど、あのピンク頭は聖魔術だけは一級品なのよね。それが惜しいという面もあるし、なんか、ピンク頭はヴァンに良いように使われているだけのような気もするんだよね。それは、ピンク頭の友達には言わないほうが良いだろうと思うんだけど。

私は笑って誤魔化した。
その上で強引にオリーブを着替えさせたのだけど、「フラン様が許して頂けるのなら」と仕方なしに付いてきてくれたのだ。



で、クラスの40人全員揃った。

ここまで色々あったけれど、クラスも大分まとまったと思うのよね。全員欠けること無くここまでこれて本当に良かった。


私は王女様の侍女に合図して、全員で立ち上がった。

私は嫌だけど、皆の熱意に負けて王妃様のお茶会に向かったのだった。



みんな、王宮の広さに唖然としていた。

私が仕方なしに、次々に案内する。

「あれが政務堂で、A組のグレースのお父様が宰相をしておられるわ」
私は嫌だけど、グレースの父親の事も紹介しておいた。


私はその父親がまさか、私達を迎えに来ているとは思ってもいなかったのだ。

王妃様のお茶会は中庭で開かれたのだけど、その前には大集団が待ちかえまえていたのだ。
な、なんだ、これは。

なんとその先頭にはグレースの父親の公爵もいる。というか、うちの両親もいるんだけど。

「えっ、なんでいるの?」
「いや、王妃様に頼まれたのよ。フランのクラスを呼んでいるから歓待要員として手伝って欲しいって。それにあなたの日頃の活躍とか知りたいじゃない」
「いや、そんなの良いから」
「あっ、ノエルさん」
母は私を無視して、ノエルに声をかけていた。

「る、ルブラン公爵夫人」
いきなり呼びかけられて、ノエルは固まっていた。

「そんな堅苦しくなくていいのよ。私はアンナって呼んでもらえると嬉しいわ」
「あ、アンナ様」
「緊張しちゃって、あちらにあなたの好きなケーキがあるわ。さっ、こちらに」
あっさりとノエルは母に連れて行かれてしまった。

いつも能面のメラニーはフェリシー先生に連れて行かれて、頬が引きつっていた。それはいい気味だ。私がフェリシー先生でなくて良かった。

でも、安心したのはそれまでだった。

ソレンヌは、アリスがって、ちょっとなんであなたがここにいるのよ。私が文句を言う前にソレンヌがアリスに連れて行かれた。ちょっとあんた、私の余計なこと言うんじゃないわよ。
脅したいが皆の手前、目で合図だけするけれど、アリスは無視してくれた。
そうだ、こいつが私の言うことなんて聞くわけはない。絶対に黒歴史を一杯話すに違いない。
よく見ると中央騎士団長とかその下の騎士隊長とか、あれはアルマンの父親だし、ノエルの父親もいる。

私の余計なことを言うなと皆に釘を指しておこうと思った私はいきなりアドに手を取られたのだ。

「フランソワーズ嬢。今日は私があなたのお相手をさせて頂きます」
えっ、ちょっと、アド、私それどころじゃないんだけど。皆に釘刺しておかないと。
そう思うのに、その前に、強引にテーブルの一角に連れて行かれてしまったのだった。

*********************************************************************

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

来月か8月にこの話の続編書くことにしました。



新作絶好調更新中です。

今日中にランキングベスト10に入っくれるとは思います。

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ぜひともお読みください。
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