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最終章 ~それぞれの道~

23, 涙

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 タツシは悟った。

 今魔法を使うように言ってもアメリアは少しも幸せになれないと。

「分かった。じゃあほら、ひとまずアメリアちゃんの手をこの辺にもってこようか。」

「はい、すみません……」

 タツシはそういうとアメリアの右手を引っ張って股間付近までもっていった。

「そうしたら、こうやって、この辺をゆっくりマッサージしてね。」

 そういってタツシはアメリアの人差し指と薬指で割れ目のすぐ横を擦るように指示する。擦るといっても実際はかなりぐっしょりと濡れているため揉むといったほうが正しいのだが。

「こう、ですか?」

「そうそう、そこをしっかり揉むと、リンパが流れてリラックスできるからね。」

「んっ……あっ……」

 敏感なところに触れていなくてもさっきから何度か絶頂していたアメリアはすぐに感じてしまう。

 そしてもちろん開いている中指は自分の穴に差し込まれようとしていた。

「あ、今は中指がどこかに触れないようにしてね。」

「えっ……あ、はい、わかりました。」


 いまこの状態では、アメリアの中にいたスライムの動きも停止している。

 したがって彼女は一番刺激が欲しいところからは刺激がもらえず、もどかしく感じ始めていた。


「んんっ……あぅ……あの……触りたいんですけど……」

「だめだめ、ほら、そんなに激しく触らないで、もっとゆっくりマッサージしなきゃ」

「でも……」


 自分で割れ目を思う存分擦り、クリトリスをこりっとひっかきたいと思うアメリアを傍目に、タツシは考えていた。

(ふふふ、アメリアちゃんはそうやって快感を得ようと必死になっているとき、他のことを考えられなくなるからね。一時でもいいからつらいことは忘れてもらわないと……)


 アメリアに対する焦らしはさらにエスカレートしていく。

「霧スラ、アメリアのアソコに快感が倍になる薬吹きかけて」

 アメリアに聞こえないように霧スライムに指示を出すタツシ。

 霧スライムはすぐさま指示に従いアメリアのクリトリスに何度も何度も霧状の媚薬を吹きかけていく。

「タツシさん! お願いですから、もう触らせてください! あああ♡ んんん!! 触りたい……!!
!!」

 ちなみに、アメリアが中指をクリの方へもっていこうとしてもアメリアの膣内に潜んでいるスライムから細い触手が伸びてきてガードされてしまう。

 こらえきれない快感を紛らわそうと何度も波打つように腰をビタンビタンと跳ねさせるアメリア。

 そんなアメリアに追い打ちをかけるようにタツシがさらにスライムに指示を出す。

「絶頂しないようにうまくGスポを刺激してあげて」


 これがアメリアにとって地獄だった。

 表面からは届かない、少し奥から甘美な刺激が来るのだが、それが絶頂できるほど強くないのだ。

 全身に快感がいきわたったかと思うと、すぐにその快感の波が消滅してしまう。

「お願いですから、イカせてください!! お願い!! あっ♡ そんなっ……今イケそうだったのにぃ………んっ……」


 悲しさからクラリスの目に浮かんでいた涙が、いつの間にか絶頂できない苦しさからくる涙に替わっていた。
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