上 下
205 / 243
第5章 慈愛の聖女、クラリス

38,余韻

しおりを挟む
 クラリスはマッサージを終えて、そのまま神殿横の自分の部屋に転移して帰った。


 クラリスに付いてきたラネルは……

「ああ! 気持ちいい! もっと、もっとぉぉ♡」

 振動する鉄棒のような装置に自らの股を擦り付けてマッサージしていた。

 タツシは「楽しそうだからもう少し放っておこう」とだけその時は言ってそのままラネルの元を去っていった。

 結局ラネルが帰ったのはそれから1時間が過ぎた後だった。




 その日の夜、クラリスはいつも通り自分の勉強に励もうとする。

 しかし、頭の中は別のことで頭がいっぱいになってしまっていた。

(どうしよう……さっきから何回もマッサージのことを思い出しちゃう……)

 マッサージで得た快感が忘れられず、さらにそのせいでたびたび股を濡らしてしまうクラリス。

 微細な魔法によって水分を飛ばせるから事故にはなっていないものの、全く勉強に集中できる状態ではなかった。


 自分のデリケートな場所から広がる甘美な快感。

 してはいけないと分かっていても自分で触ってしまった背徳感。

 そして自分の愛する人にそれを触られた時の、恥ずかしくもあり嬉しくもあるあの感情。


 様々な思考がぐるぐるとクラリスの頭の中を回っていたが、やがてそれはある一つの行為の開始とともに終わりを告げる。


「ん……っ……」


 クラリスは普段勉強をする椅子に座ったまま長いスカートをたくし上げてオナニーを始めてしまった。


 理性ではダメだと思っていても本能がそれに逆らうことが出来なかった。

 自分で一番気持ちよくなれるように、優しく優しく擦る。

「ぁ…………」

 さりげなく探知系の魔法を行使して周囲に人がいないかもしっかり確認し、しかも防音魔法を展開する。

 これだけで絶対にバレることのない秘密の空間が完成してしまうのだ。


「んっんっ……」

 中指を軽くクリトリスに引っ掛ける。

 それに反応して腰が一瞬だけピクッと跳ねる。


「あぁ……タツシ……」

 クラリスはタツシのことを思い出しながら自慰を続けていく。




 国民のほぼ全員が愛し、敬い、崇める聖女。

 今クラリスが住んでいる建物のすぐ隣にある大神殿に所属する人物の中でも最も女神様に近いと言われる聖女。


 そんな人物が深夜に一人でオナニーをしてしまっている。

 もしこんなことが週刊誌に取り上げられたら一発で世間から干されるに違いない。

 この世界には週刊誌などないが。



 それからいくらかの間クラリスはオナニーを続けた。

 まだそこまで慣れてはいないが、日々タツシに開発されていたからか次第に絶頂に近づいていく。

「あっ……んん♡………」

 チュプりと彼女の中指を自分の膣内に浅く挿入した。

「ん♡」

 その時だった。

 彼女の脳裏に、タツシのブツが浮かんだのだ。


「ああ♡……んっ♡……」

 将来、自分の凹に収まるはずの凸。

 自分の対になるはずのそれ。


 もし、彼と結ばれて、そして彼と一緒に子作りしたらどれほど幸せになるのだろう。

「ダメッ……♡ ああぁぁ♡ あっんっんんっんっ……」

 その想像をした瞬間、クラリスは盛大にイったのだった。


(早く……結婚したいわ……)

 絶頂した余韻に浸りながら、早くタツシとしたいと望み始めるクラリスであった。
しおりを挟む
感想 80

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

【R18】人気AV嬢だった私は乙ゲーのヒロインに転生したので、攻略キャラを全員美味しくいただくことにしました♪

奏音 美都
恋愛
「レイラちゃん、おつかれさまぁ。今日もよかったよ」 「おつかれさまでーす。シャワー浴びますね」 AV女優の私は、仕事を終えてシャワーを浴びてたんだけど、石鹸に滑って転んで頭を打って失神し……なぜか、乙女ゲームの世界に転生してた。 そこで、可愛くて美味しそうなDKたちに出会うんだけど、この乙ゲーって全対象年齢なのよね。 でも、誘惑に抗えるわけないでしょっ! 全員美味しくいただいちゃいまーす。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お兄ちゃんはお医者さん!?

すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。 如月 陽菜(きさらぎ ひな) 病院が苦手。 如月 陽菜の主治医。25歳。 高橋 翔平(たかはし しょうへい) 内科医の医師。 ※このお話に出てくるものは 現実とは何の関係もございません。 ※治療法、病名など ほぼ知識なしで書かせて頂きました。 お楽しみください♪♪

処理中です...