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第5章 慈愛の聖女、クラリス

32,私はエッチじゃ……

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 クラリスを取り囲むスライムの猛烈な振動により、クラリスは絶頂した。

 しかし、イっても当然スライムはその動きを止めずに彼女に刺激を与え続ける。

 今や彼女はビクンビクンと定期的に体を跳ねさせているためどこからどうみても性的に感じちゃっている女の子である。

「あれ、大丈夫? なんだか体が凄い揺れているけど、どこか痛い?」

「いやっあっあの……なんか……ええと……」

 聡明なクラリスにしては珍しく全く言葉が出てこない。

 といっても、もちろん本来であれば大きく喘ぎたいのである。それを必死に我慢しているのだから言葉が出ないのは当然だ。

「あ、もしかして敏感なところの刺激が強すぎるかな?」

「あ、そ、そうなの! ちょっとこの辺とか……」

 そう言ってクラリスは胸のところを指さした。

「ごめんごめん。ちょっとこの辺は弱めようね。あんまり大きい声で言えないんだけどさ、前にすごいエッチなお客さんがいてさ、このマッサージをしたらすごいエッチな感じになっちゃったんだよね。」

「そ、そうなの……」

「あの時は焦ったよ。そういうのはダメだからすぐに止めようとしたんだけど、その人が『気持ちいいからもっとしてください』なんて言い出して、必死に説得して止めて……まあクラリスには関係ない話だけどさ。」


 もちろんこのマッサージを施したのはクラリスが初めてであり、エッチなお客さんなどというのは架空の人物だ。

 しかし、この言葉はクラリスの繊細な心を直撃した。

(そんなっ!? 私って、そのエッチな人と同じ状況なんじゃ……ダメ、タツシは清楚な人が好きなんだもん、そういうのよくないわ!)

 必死に自分は普通の人間であると自分に言い聞かせる。

 しかしそう意識してしまうとますます敏感な部分からの刺激に意識が行ってしまう。


 しばらくしてから胸と股間と足の裏の振動が止んだ。

 タツシが命令して止めたのだ。


「よし、じゃあこのまま15分くらいかな、マッサージしたら次のステップに行こうかな。」

「はーい。」

 そういってタツシは部屋から出ていく。すぐさま控室に行くだけだが。



 敏感なところへの刺激が止んで落ち着いたクラリスは。

(ふぅーー。やっぱり私はエッチなんかじゃないわ。さっきは何考えてたのよ……)

 寸刻前の自分は敏感なところを刺激されていたせいでおかしくなっていた、と思うことにしたようだ。さっき一度絶頂してしまったことは記憶の奥底にうまくしまい込んだ。




 しかし、振動によるマッサージを受け続けること10分。

「あっ……うっ……いっ……いやあぁぁぁ……そんなっ………んん!」

 結局イキそうになっているクラリス。


(ふふふ、可愛いな~~。うーん、いや、って言っているけど、顔が喜んじゃっているんだよなぁ……)

 今にも天から罰せられそうな控室にいるタツシ。
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