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第5章 慈愛の聖女、クラリス

2,頻度減らします?

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 どうも最近反応が良くないクラリス。タツシが部屋に入るときはやたら笑顔なのに、その後急に静かになってしまう。



 週に一回の訪問の日となったのでタツシはクラリスにこう相談した。



「すみませんクラリスさん、なんだか最近クラリスさんがあんまり満足されていないようですが、何かご不満なところとかありますか??」



「え?? いや、そんな、何もないですよ??」



「そうですか。あの、もし何でしたら頻度減らすとか――」



「嫌! お願いですからこのままで……」



「あ、そうですか。ならよかったです。」



(うーん、別に嫌なわけではないのか……。不思議だな……。)



「あの、クラリスさん多分毎回相当凝ったお化粧とお服を準備していますけど、別にそんなにきっちりしていただかなくても……」



「あ、これは全然! 全然大したことないですから!」



「ああ、そうなんですか。ならいいですけど。では、またいつもどおりマッサージしていきますねー。」





 この日からクラリスに笑顔が戻った。



 何だったんだろうか?





 タツシはその後普通にマッサージをし、クラリスの後を去った。



 ラネルのアソコがびちょびちょになったのは言うまでもない。







 その日の四日後のことだった。





「あ~あ~、アメリアちゃん女の子の日だから来られないっていうし、暇だな~」



 流石にあんな激しいことを女の子の日にできるわけがない。



 体の状態が落ち着く薬はすでに渡してあるし、タツシとしてもできることは何もないのだ。



「暇ー暇ー暇ー」



 お経の様に唱えだすタツシ。



「なあスラ介、なんか遊んでくれよ」





 そういうとスラ助はタツシの脇をくすぐり始めた。



「おいおいおい! ひいい! ハハハハ! やっやめろって、あのなあ! いやいや、『いつも女の子がやめろって言っても止めないじゃないか』って、そういうことじゃねえんだよ!



 あれは女の子が気持ちよくなってるからいいの!」



 性犯罪者の主張そのものだ。



 その後10分間、タツシはスラ介にくすぐられ続けた。



「はぁ、はぁ、はぁ……うーん、女の子たちもこれくらい息苦しかったのか……これじゃあ喘ぎ辛いな……。



 もうちょっと空気中の酸素濃度を増やして……。いや、空気を吸えなかったら同じか。ってことはやっぱり姿勢を工夫して……」



 研究をし始めたタツシ。この世界に来てから研究したものの9割以上はエロ関連のものというなんとも悲しい人物だ。



 本人は全く悲しいと思っていないが。





 そんな時だった。



「ん? なんか呼ばれてるな」



 秘密の控室の外側の、タツシの(正式な)控室。



 そこについている鐘が鳴らされた。スタッフがタツシに用があるときにこれを鳴らすのだ。



「なんだろう、ちょうど暇だからいいけど。」



 タツシは控室から出る。



「すみません、店長。店長に用があるというお客様がいらして……しかもすごい綺麗な方で……」



「へぇ。珍しいですね。」



 最近は全く新規の客に接していないため、タツシに毎回マッサージしてもらうという客は多くはない。





 タツシが店の受付口に行くと白色のコートを着た背の高めの赤い髪の女性が立っていた。



(誰だ?あれ。えげつなく気品があるっていうか……公爵家の人とかってあんな感じだったっけ……?)



〈タツシさん! 私です! クラリスです!〉



〈ええ??〉「ゴホン、お待ちしていました。これからは店ではなくて上の私の家に直接いらしてくださいね。それではこちらにどうぞ。」



 なんとかその場しのぎでそれらしいことを言うタツシ。



〈ちょっとちょっと! いきなりなんで来たんですか! 驚いたじゃないですか! わざわざ凝った変装までして!!〉



〈どうしてもタツシさんに会いた……あの、昨日急に腰がいたくなってしまって……〉



〈ああ、なるほど、そういうことでしたか。この店は予約制ですのでこれからは予約を入れてから来てくださいね?〉



〈はい、すみません……。〉



 タツシは開いている部屋がないのを確認すると、そのまま建物の最上階に案内する。



〈ちょっと俺の私室になっちゃいますけどそこでもいいですか?〉



〈大丈夫です! すみませんわざわざ〉



〈いえいえ〉



 現在、スライムがタツシの部屋を急いで片付けている。



 ヤバイ物はタツシの秘密の控室の方に置いてあるのだが、私室も普通に汚いのだ。



「では、こちらにどうぞ~」



 スライムが手早く片付け、掃除までしたおかげで割ときれいだ。



「すごい! タツシさんのお部屋、私の掃除する前の部屋よりずっと綺麗だわ!」



「え?」



「あっ…………」



 つい一言余計なことを言いながらいつものごとく顔を赤らめるクラリスだった。
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