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第3章 タツシの夏休み

9,初体験?

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 雲一つない、晴天の広がるリゾート地に一組のカップルがいた。

「わあーーーーー! 凄いきれいですね!!」

「本当だな。初めて来たけれどこんなに美しい場所だとは知らなかった。これは来た甲斐があったな。」

「ええ! さっそく泳ぎましょう?」

「おう!」

 アメリアとその彼氏、ジートは高級リゾート地へ来た。

 二人は専用の更衣室で着替えて浜辺に出てくる

「うお!? う、美しい……」

「あの珊瑚がですか?」

「いやいやいや、アメリアがだよ!!」

「そ、そんな……私なんて全然……」

「自分で自覚してないのもすごいよな」

 少し清楚な雰囲気のあるビキニを着て出てきたあアメリア。清楚とは言ってもビキニを着ている時点で露出は多くなる。

 ただ、アメリアの肌は本当に全身ツルツルなのだ。

「きっれいな肌だなぁ……」

「いや、その……私よくマッサージ店に行っていて……そこでお肌もキレイにしてもらえるんですよ!!」

「そうなのか。」

 その後二人で海に入り、泳いだり水をかけあったりなんだりしていちゃついた。



 少し日が傾き始めたころ、二人は浜辺に座って話していた。

「はあぁ、はあぁ、アメリア、ちょっと泳ぐの早くないか……? まあ泳ぎは得意って言ってたけど、あれ、魔法だけじゃなくて普通に体力必要じゃ……」

「なんか最近、体力ついてきちゃって、あはは。でも、そういえばなんででしょうね……」

「君はいろいろと怖い子なんだって、今わかったよ。さ、ホテルに行こっか。」

「はい!」

 この日は既に午後であったため軽く海に入って遊んだ後すぐにホテルに向かう。


 普通学生の分際でリゾート地の高級ホテルに泊まれるものではないのだが、このカップルは大商会の娘と侯爵家の長男だ。

 ある程度貯金もしていた二人はそれぞれ自分の分を払えてしまう。

 しかも今回の旅行は二泊三日だ。



 夜。

「よっ……夜の浜辺も綺麗ですね……」

「あ、ああ、そうだな……」

 ホテルの部屋の、窓辺の椅子に座って外を眺める二人。だが、内心思っていることは全然景色と関係がない。

 アメリアは、
(ううぅ……大浴場には他の人もいて一人でできないし、かといってトイレじゃ狭くて満足できないし、どうしよう……からだがムズムズしちゃう……)

 一日四回はオナニーをしていたアメリア。今日はまだ朝に一回しかしていないのだ。

 スライムは今日一日全く動くことは無かったが、それでも体はムズムズして来ていしまう。スライムが愛液を吸ってくれたのが不幸中の幸いか。


 一方、ジートの方は。
(海に誘って、しかも自分から泊まりたいって言っていたってことは、やっぱり誘ってるのかな……? でも、もし違ったら最悪の事態だ。う~む、どうすればいいだろうか……)

 この男は未だ童貞で、経験は無い。もしかしたらこの晩卒業するかもしれないし、しないかもしれない。

 その極度の緊張が宿に来た時から燻っていた。

(くっ……このままずっと何もしなくても埒が明かない! もし違っていたら全力で謝ろう!)

「な、なあアメリア。」

「なんですか?」

「あ、あの……俺たちそろそろ寝るよな?」

「そうですね、結構いい時間ですもんね。」

「な、なあ………その……俺と……シてくれないか…?」

 なんとも微妙な誘い方をした侯爵家の長男。
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