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第0章 ~スライム・リフレ~
ラノベの主人公って、ラスボス倒した後何してるんだっけ
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タツシは魔族の領域に踏み込んでいた。
まだ大して進んでいないのに、それでもかなり強い敵が出てくる。
ちなみに、敵がいなくてただ歩くだけの時は、タツシは自分の足で進んではいない。
スラ介が巨大化し、その上に座っているのだ。スラ介がうまく変形し、頂上に足を入れる隙間と、椅子のようなところを上手く作ってくれるのだ。
これを見たときはタツシも感動した。
これのおかげで、移動ははるかに速くなった。現代での自転車並みの速度で進むことが出来る。
多少の障害物があってもスラ介はいとも簡単に乗り越えていった。
あるとき、10体ほどのオーガが道を塞いでいたことがあった。
しかしスラ介の必殺、「王水スプリンクラー」を使うことにより一瞬でオーガの棍棒が溶け切り、数分後には10体のオーガのHPがゼロになった。
「スラ介カッコイイーーー!」
スラ介はだんだん飼い主に似てきたのか、褒められると調子が上がり元気になるようになった。
道中の溶岩の滝から溶岩を拝借し、それを使って敵を攻撃していた頃、ついに魔王城が姿を現した。
中にはアンデットのような騎士もいたが、王水かけたらみんな死んだ。(死ぬのは2回目の模様)
幽霊みたいなやつもいたが聖水かけたら死んだ。
そんなこんなであっけなく魔王の部屋に着いた。
「うっす、こんにちは」
「……よくここまで来たな、今代の勇者よ。俺は今までお前が来るのを心待ちにしていた。
なにせこの領域には、俺と対等に戦えるものなど誰一人としておらん。
強いやつと戦いたいからと人族の領域を攻めてやって、ようやく戦えそうなやつが現れたわ。ハッハッハ!」
戦闘狂に興味はないなあと思いつつ、タツシは尋ねた。
「んじゃ、倒していいっすか?」
「ぐっはははは! やれるものならやってみろ! だがこっちも全力で行くぞ!」
そういうなり相手は銀色に煌めく剣で切りかかってきた。
「召喚! スラ介、あの剣だけ残してあとは全部溶かしておいて」
「ぐおっ……ごぽっごぽぼぼぼ…」
魔王は巨大化したスラ介に飲み込まれた。ペッと言う感じで、魔王の持つ剣が弾き出された後、スラ介の体の中で魔王は必死に暴れようとしていた。
「ぐおーーー、えいえいおうおうおせいせいどうどうとたたかえーーーー!!!!!」
「なんか言っているけどまあいいや、スラ介、やれそう?」
「グアアあああああああ!」
タツシはグロいの嫌いだから後ろの方にあるソファで寝ることにした。
10分ほど待ってタツシが目を開けると、ちょうど魔王のHPが尽きるところだった。最後に目を合わせずに言った。
「おつかれ~」
そうして、数年間人類を苦しめた魔王はあっけなく勇者・タツシによって倒された。
そのときスラ介はレベル250に達していた。
「え~、スラ介、時空魔法とか精神魔法とか、なんか凄そうなの覚えてんだね。でももう使い道ないわあ」
「ぷるん……」
うなだれるような仕草をしつつ、スラ介は地面に落ちていた、元々魔王が持っていた白銀の美しい剣をタツシに渡した。
「おお! そうだった、これこれ。やっぱり勇者と言えばこういう剣をこう……高く掲げて、民衆の前で披露するっていうのが定番だよなあーー」
もともと魔王が持っていた剣などとは誰にも言うつもりはない。
「んで、スラ介、その時空魔法とかいうので瞬間移動とかできちゃう感じ?」
「ぷよっ!」
こうしてタツシは、魔王を討伐した次の日の朝には王様に報告しに行っていた。
「おお! タツシよ! ついにやってくれたか! どうだ、お主、酒は飲めるかのう? この後お主の偉大な冒険章でも聞きながら、じっくり飲み交わそうぞよ! はっはっは!」
この時、タツシは気が付いた。めちゃくちゃダサい倒し方をしたと。まさか終始スライムに任せっきりでしたなどとは言えない。
「すみません、お言葉はありがたいのですが、今日はかなり疲れてしまって……、明日でもいいですか?」
「おおすまない、配慮が足りなかったようじゃな。そなたの都合がつくとき、いつでも良い。どんな公務より最優先するわい。わっはっは!!」
タツシは急いで自分の部屋に帰り、紙にペンを走らせた。
そう、冒険章を創・作・し始めたのだ。
いくらレベルが高いとは言っても剣技など全く身に着けていない。それに都合を合わせるために「魔王が倒れる寸前、相手の剣が目の前まで迫りそれがトラウマとなって二度と剣が振るえなくなった」などという設定まで作り出した。
そして、スラ介の姿を誰にも見らないようにしていたのが功を奏して、国民全員がこの偽りの冒険章を信じ、勇者・タツシを崇め讃えた。
タツシの冒険章は小説になり、劇にもなった。
銀色の剣は王室に貸し出すことにして(どうせ振るえないし)タツシは今後一切モンスターの前には立たない、と宣言した。
国民はみながっかりしたが、それでも責める者はいなかった。
そして王城と神殿の間辺りにあった豪邸を買って一人ぐーたら生活を1ヶ月ほどしていた時に思った。
「あれ、ラノベの主人公って、ラスボス倒したあと何をしていたっけ? 別に日本に帰りたい、とか無いしなー。」
そもそも完結したラノベってあんまり多くないよなと思いつつ、タツシはこれから何をしようかと頭を悩ませた。
人前に出る時も銀色のフルプレートを着ていたおかげで街をぶらついても全く声はかけられない。
何か面白いことは無いかと思っているうちに、学生の集団とすれ違う。
(なんかこの辺、美少女多くね!? あ、貴族街だからか。)
きれいな子が本当に多い。男は暇になると性欲だけが際限なく湧き出してくるがタツシも例外ではなかった。
(こっちに来てから全く発散してなかったからなあ……。娼館とか行ってみるか。)
試しに行ってみたが、想像していたほど楽しめなかった。ただ女を選んで、ヤる。接待の基本と言うものがないのか、他の理由かは分からないが多少気持ちいいかな、というくらいに留まった。
そのあと、娼館に入る前に見かけた学生を思い出す。
あのこ達に手を出したら楽しそう、そう思った。ただでさえタツシが歩いているのは貴族街。そんな中を歩いているのだから当然彼女らは貴族、または豪商の娘だろう。
当たり前だが娼館にいた娼婦なんかよりはるかに美人だ。
(普段Hに興味なさそうなああいう子をイかせたりしたら楽しいだろうなぁ……)
そんなことをおもいながら再び街をぶらついていると、タツシはあるものに目が行く。
(ん、なんだこの店、リラックスサロン……?)
今まで見かけなかった店に好奇心を持ちふらりと立ち寄った。
実際にマッサージを受けてみると、なんとも地味なものだった。現代のように科学的に効果が証明されている療法ではなく、オカルトめいたことをいくつかやらされた。
なんだよ、「聖水で髪を洗いましょう」って。絶対に意味ねえだろ
と言いつつ、タツシは閃いた!
「あ、俺もマッサージやるわ! あんな店よりはましなこと出来るだろ!」
(マッサージ店なら合法的に女子の体に触れるぞ……)
タツシはまず自宅の豪邸をマッサージ店に改造することから始めた。無駄に防・音・設備に力を入れる。なぜだろうか。
その後スラ介と一緒に、体にいいツボの押し方などを研究していった。スラ介はなぜか俺の凝っている場所などが分かるらしく、そこを的確に押してくれた。
その後、スラ介に人型になってもらってツボ押しの練習などをしていた時に思った。
「もう、マッサージもスラ介に任せればいいじゃん。魔王討伐後に捕まえたかわいいスライムですってことにして、これを売りにしよう!」
もちろん、魔物にマッサージをされるのに抵抗がある人もいるだろうから、初めは俺の手でやって、その後に提案する形でやってみることにした。
初めに客の体を触らないわけにはいかない。なにせそっちが一番の目的なのだから。(ゲス顔)
その後、ハーブティー、アロマオイル、気・分・が・高・揚・し・て・く・る・薬・(合法…?)、体の一部が気持ちよくなっちゃう薬(合法……???)などをスラ介と開発してからマッサージ店を開店させた。
ちなみに、もちろん男性客も来る。こっちは普通のマッサージの練習台な。特に理由は無いけれど、スラ介がマッサージを代行する時間は男性客の方が長い。
何度も言うが特に理由は無い。
まだ大して進んでいないのに、それでもかなり強い敵が出てくる。
ちなみに、敵がいなくてただ歩くだけの時は、タツシは自分の足で進んではいない。
スラ介が巨大化し、その上に座っているのだ。スラ介がうまく変形し、頂上に足を入れる隙間と、椅子のようなところを上手く作ってくれるのだ。
これを見たときはタツシも感動した。
これのおかげで、移動ははるかに速くなった。現代での自転車並みの速度で進むことが出来る。
多少の障害物があってもスラ介はいとも簡単に乗り越えていった。
あるとき、10体ほどのオーガが道を塞いでいたことがあった。
しかしスラ介の必殺、「王水スプリンクラー」を使うことにより一瞬でオーガの棍棒が溶け切り、数分後には10体のオーガのHPがゼロになった。
「スラ介カッコイイーーー!」
スラ介はだんだん飼い主に似てきたのか、褒められると調子が上がり元気になるようになった。
道中の溶岩の滝から溶岩を拝借し、それを使って敵を攻撃していた頃、ついに魔王城が姿を現した。
中にはアンデットのような騎士もいたが、王水かけたらみんな死んだ。(死ぬのは2回目の模様)
幽霊みたいなやつもいたが聖水かけたら死んだ。
そんなこんなであっけなく魔王の部屋に着いた。
「うっす、こんにちは」
「……よくここまで来たな、今代の勇者よ。俺は今までお前が来るのを心待ちにしていた。
なにせこの領域には、俺と対等に戦えるものなど誰一人としておらん。
強いやつと戦いたいからと人族の領域を攻めてやって、ようやく戦えそうなやつが現れたわ。ハッハッハ!」
戦闘狂に興味はないなあと思いつつ、タツシは尋ねた。
「んじゃ、倒していいっすか?」
「ぐっはははは! やれるものならやってみろ! だがこっちも全力で行くぞ!」
そういうなり相手は銀色に煌めく剣で切りかかってきた。
「召喚! スラ介、あの剣だけ残してあとは全部溶かしておいて」
「ぐおっ……ごぽっごぽぼぼぼ…」
魔王は巨大化したスラ介に飲み込まれた。ペッと言う感じで、魔王の持つ剣が弾き出された後、スラ介の体の中で魔王は必死に暴れようとしていた。
「ぐおーーー、えいえいおうおうおせいせいどうどうとたたかえーーーー!!!!!」
「なんか言っているけどまあいいや、スラ介、やれそう?」
「グアアあああああああ!」
タツシはグロいの嫌いだから後ろの方にあるソファで寝ることにした。
10分ほど待ってタツシが目を開けると、ちょうど魔王のHPが尽きるところだった。最後に目を合わせずに言った。
「おつかれ~」
そうして、数年間人類を苦しめた魔王はあっけなく勇者・タツシによって倒された。
そのときスラ介はレベル250に達していた。
「え~、スラ介、時空魔法とか精神魔法とか、なんか凄そうなの覚えてんだね。でももう使い道ないわあ」
「ぷるん……」
うなだれるような仕草をしつつ、スラ介は地面に落ちていた、元々魔王が持っていた白銀の美しい剣をタツシに渡した。
「おお! そうだった、これこれ。やっぱり勇者と言えばこういう剣をこう……高く掲げて、民衆の前で披露するっていうのが定番だよなあーー」
もともと魔王が持っていた剣などとは誰にも言うつもりはない。
「んで、スラ介、その時空魔法とかいうので瞬間移動とかできちゃう感じ?」
「ぷよっ!」
こうしてタツシは、魔王を討伐した次の日の朝には王様に報告しに行っていた。
「おお! タツシよ! ついにやってくれたか! どうだ、お主、酒は飲めるかのう? この後お主の偉大な冒険章でも聞きながら、じっくり飲み交わそうぞよ! はっはっは!」
この時、タツシは気が付いた。めちゃくちゃダサい倒し方をしたと。まさか終始スライムに任せっきりでしたなどとは言えない。
「すみません、お言葉はありがたいのですが、今日はかなり疲れてしまって……、明日でもいいですか?」
「おおすまない、配慮が足りなかったようじゃな。そなたの都合がつくとき、いつでも良い。どんな公務より最優先するわい。わっはっは!!」
タツシは急いで自分の部屋に帰り、紙にペンを走らせた。
そう、冒険章を創・作・し始めたのだ。
いくらレベルが高いとは言っても剣技など全く身に着けていない。それに都合を合わせるために「魔王が倒れる寸前、相手の剣が目の前まで迫りそれがトラウマとなって二度と剣が振るえなくなった」などという設定まで作り出した。
そして、スラ介の姿を誰にも見らないようにしていたのが功を奏して、国民全員がこの偽りの冒険章を信じ、勇者・タツシを崇め讃えた。
タツシの冒険章は小説になり、劇にもなった。
銀色の剣は王室に貸し出すことにして(どうせ振るえないし)タツシは今後一切モンスターの前には立たない、と宣言した。
国民はみながっかりしたが、それでも責める者はいなかった。
そして王城と神殿の間辺りにあった豪邸を買って一人ぐーたら生活を1ヶ月ほどしていた時に思った。
「あれ、ラノベの主人公って、ラスボス倒したあと何をしていたっけ? 別に日本に帰りたい、とか無いしなー。」
そもそも完結したラノベってあんまり多くないよなと思いつつ、タツシはこれから何をしようかと頭を悩ませた。
人前に出る時も銀色のフルプレートを着ていたおかげで街をぶらついても全く声はかけられない。
何か面白いことは無いかと思っているうちに、学生の集団とすれ違う。
(なんかこの辺、美少女多くね!? あ、貴族街だからか。)
きれいな子が本当に多い。男は暇になると性欲だけが際限なく湧き出してくるがタツシも例外ではなかった。
(こっちに来てから全く発散してなかったからなあ……。娼館とか行ってみるか。)
試しに行ってみたが、想像していたほど楽しめなかった。ただ女を選んで、ヤる。接待の基本と言うものがないのか、他の理由かは分からないが多少気持ちいいかな、というくらいに留まった。
そのあと、娼館に入る前に見かけた学生を思い出す。
あのこ達に手を出したら楽しそう、そう思った。ただでさえタツシが歩いているのは貴族街。そんな中を歩いているのだから当然彼女らは貴族、または豪商の娘だろう。
当たり前だが娼館にいた娼婦なんかよりはるかに美人だ。
(普段Hに興味なさそうなああいう子をイかせたりしたら楽しいだろうなぁ……)
そんなことをおもいながら再び街をぶらついていると、タツシはあるものに目が行く。
(ん、なんだこの店、リラックスサロン……?)
今まで見かけなかった店に好奇心を持ちふらりと立ち寄った。
実際にマッサージを受けてみると、なんとも地味なものだった。現代のように科学的に効果が証明されている療法ではなく、オカルトめいたことをいくつかやらされた。
なんだよ、「聖水で髪を洗いましょう」って。絶対に意味ねえだろ
と言いつつ、タツシは閃いた!
「あ、俺もマッサージやるわ! あんな店よりはましなこと出来るだろ!」
(マッサージ店なら合法的に女子の体に触れるぞ……)
タツシはまず自宅の豪邸をマッサージ店に改造することから始めた。無駄に防・音・設備に力を入れる。なぜだろうか。
その後スラ介と一緒に、体にいいツボの押し方などを研究していった。スラ介はなぜか俺の凝っている場所などが分かるらしく、そこを的確に押してくれた。
その後、スラ介に人型になってもらってツボ押しの練習などをしていた時に思った。
「もう、マッサージもスラ介に任せればいいじゃん。魔王討伐後に捕まえたかわいいスライムですってことにして、これを売りにしよう!」
もちろん、魔物にマッサージをされるのに抵抗がある人もいるだろうから、初めは俺の手でやって、その後に提案する形でやってみることにした。
初めに客の体を触らないわけにはいかない。なにせそっちが一番の目的なのだから。(ゲス顔)
その後、ハーブティー、アロマオイル、気・分・が・高・揚・し・て・く・る・薬・(合法…?)、体の一部が気持ちよくなっちゃう薬(合法……???)などをスラ介と開発してからマッサージ店を開店させた。
ちなみに、もちろん男性客も来る。こっちは普通のマッサージの練習台な。特に理由は無いけれど、スラ介がマッサージを代行する時間は男性客の方が長い。
何度も言うが特に理由は無い。
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