1 / 2
第1巻
#01 超能力
しおりを挟む
転校生が転入してきたのは、私が中一の頃だった。その子は皆を驚かせた。
◾️
十年前、初めてこの世に超能力があると言う事が証明され、自分は超能力者、と言う者が増えた。
七年前、初めて超能力者による殺人事件が起きた事がきっかけで、犯罪超能力者抑制を目的とした組織、白組が発足。発足後、早速犯罪を犯した超能力を数十名確保した。
五年前、初めて超能力者に、能力の危険度を示す能力レベルという物が追加された。レベル1から、レベル2、レベル3とある。それ以上に危険な能力はCRクラス、それ以上に危険でかつ、地球を壊しかねない能力はEDクラスと指定される。
因みにEDクラスに指定されている者は、この世に一人。
◾️
夏休み終了後の二学期が始まってすぐ、彼女の綺麗な字と、見たくなかった名前を見て驚愕した。
──転校生の名前は桐島舞子、見た目ごく普通の女子、生徒が驚いていたのは名前などではなく、能力レベルと、能力の内容だ。
桐島舞子の能力レベルは、この世に一人しかいないEDクラス、能力の内容は、「全ての能力が使える能力」だ。
明らかに普通ではない能力。よく居る子供の考えは、その能力欲しいぜーとかだけど、大の大人は、そんな能力いらない、だ。私は、羨ましぜ、ぐらいだった。
当の転校生は、教壇に立たされていた。桐島舞子は困った様に激しく貧乏揺すりしながらうつむいていた。担任教師が「自己紹介して」と言うと、桐島舞子は顔を上げ、こちらに顔を向けた。
「桐島舞子です…」
何かに怯えながら呟き、全員の動きがピタッと止まる。
「か、彼女にし、質問とか、な、ないかな?」
「…質問」
私は挙手をし、椅子から立った。
「どうして、ここに来たの?」
桐島舞子は貧乏揺すりを止め、ピタッと止まる。
「…逃げてきた」
全員が一斉に騒ぎ始める、──何故逃げてきた?
「ど、どう言う事なんだろうな、ハハハ…じゃあ、君は其処に座ってくれ」
担任教師は一番前の一番窓側の席を指差した。桐島舞子はその席に座り、荷物をフックに掛け、真面目に担任教師の話を聞き始めた。
◾️
十年前、初めてこの世に超能力があると言う事が証明され、自分は超能力者、と言う者が増えた。
七年前、初めて超能力者による殺人事件が起きた事がきっかけで、犯罪超能力者抑制を目的とした組織、白組が発足。発足後、早速犯罪を犯した超能力を数十名確保した。
五年前、初めて超能力者に、能力の危険度を示す能力レベルという物が追加された。レベル1から、レベル2、レベル3とある。それ以上に危険な能力はCRクラス、それ以上に危険でかつ、地球を壊しかねない能力はEDクラスと指定される。
因みにEDクラスに指定されている者は、この世に一人。
◾️
夏休み終了後の二学期が始まってすぐ、彼女の綺麗な字と、見たくなかった名前を見て驚愕した。
──転校生の名前は桐島舞子、見た目ごく普通の女子、生徒が驚いていたのは名前などではなく、能力レベルと、能力の内容だ。
桐島舞子の能力レベルは、この世に一人しかいないEDクラス、能力の内容は、「全ての能力が使える能力」だ。
明らかに普通ではない能力。よく居る子供の考えは、その能力欲しいぜーとかだけど、大の大人は、そんな能力いらない、だ。私は、羨ましぜ、ぐらいだった。
当の転校生は、教壇に立たされていた。桐島舞子は困った様に激しく貧乏揺すりしながらうつむいていた。担任教師が「自己紹介して」と言うと、桐島舞子は顔を上げ、こちらに顔を向けた。
「桐島舞子です…」
何かに怯えながら呟き、全員の動きがピタッと止まる。
「か、彼女にし、質問とか、な、ないかな?」
「…質問」
私は挙手をし、椅子から立った。
「どうして、ここに来たの?」
桐島舞子は貧乏揺すりを止め、ピタッと止まる。
「…逃げてきた」
全員が一斉に騒ぎ始める、──何故逃げてきた?
「ど、どう言う事なんだろうな、ハハハ…じゃあ、君は其処に座ってくれ」
担任教師は一番前の一番窓側の席を指差した。桐島舞子はその席に座り、荷物をフックに掛け、真面目に担任教師の話を聞き始めた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

鎌倉古民家カフェ「かおりぎ」
水川サキ
ライト文芸
旧題」:かおりぎの庭~鎌倉薬膳カフェの出会い~
【私にとって大切なものが、ここには満ちあふれている】
彼氏と別れて、会社が倒産。
不運に見舞われていた夏芽(なつめ)に、父親が見合いを勧めてきた。
夏芽は見合いをする前に彼が暮らしているというカフェにこっそり行ってどんな人か見てみることにしたのだが。
静かで、穏やかだけど、たしかに強い生彩を感じた。
伊緒さんの食べものがたり
三條すずしろ
ライト文芸
いっしょだと、なんだっておいしいーー。
伊緒さんだって、たまにはインスタントで済ませたり、旅先の名物に舌鼓を打ったりもするのです……。
そんな「手作らず」な料理の数々も、今度のご飯の大事なヒント。
いっしょに食べると、なんだっておいしい!
『伊緒さんのお嫁ご飯』からほんの少し未来の、異なる時間軸のお話です。
「エブリスタ」「カクヨム」「すずしろブログ」にても公開中です。
『伊緒さんのお嫁ご飯〜番外・手作らず編〜』改題。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる