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第1巻
#01 超能力
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転校生が転入してきたのは、私が中一の頃だった。その子は皆を驚かせた。
◾️
十年前、初めてこの世に超能力があると言う事が証明され、自分は超能力者、と言う者が増えた。
七年前、初めて超能力者による殺人事件が起きた事がきっかけで、犯罪超能力者抑制を目的とした組織、白組が発足。発足後、早速犯罪を犯した超能力を数十名確保した。
五年前、初めて超能力者に、能力の危険度を示す能力レベルという物が追加された。レベル1から、レベル2、レベル3とある。それ以上に危険な能力はCRクラス、それ以上に危険でかつ、地球を壊しかねない能力はEDクラスと指定される。
因みにEDクラスに指定されている者は、この世に一人。
◾️
夏休み終了後の二学期が始まってすぐ、彼女の綺麗な字と、見たくなかった名前を見て驚愕した。
──転校生の名前は桐島舞子、見た目ごく普通の女子、生徒が驚いていたのは名前などではなく、能力レベルと、能力の内容だ。
桐島舞子の能力レベルは、この世に一人しかいないEDクラス、能力の内容は、「全ての能力が使える能力」だ。
明らかに普通ではない能力。よく居る子供の考えは、その能力欲しいぜーとかだけど、大の大人は、そんな能力いらない、だ。私は、羨ましぜ、ぐらいだった。
当の転校生は、教壇に立たされていた。桐島舞子は困った様に激しく貧乏揺すりしながらうつむいていた。担任教師が「自己紹介して」と言うと、桐島舞子は顔を上げ、こちらに顔を向けた。
「桐島舞子です…」
何かに怯えながら呟き、全員の動きがピタッと止まる。
「か、彼女にし、質問とか、な、ないかな?」
「…質問」
私は挙手をし、椅子から立った。
「どうして、ここに来たの?」
桐島舞子は貧乏揺すりを止め、ピタッと止まる。
「…逃げてきた」
全員が一斉に騒ぎ始める、──何故逃げてきた?
「ど、どう言う事なんだろうな、ハハハ…じゃあ、君は其処に座ってくれ」
担任教師は一番前の一番窓側の席を指差した。桐島舞子はその席に座り、荷物をフックに掛け、真面目に担任教師の話を聞き始めた。
◾️
十年前、初めてこの世に超能力があると言う事が証明され、自分は超能力者、と言う者が増えた。
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五年前、初めて超能力者に、能力の危険度を示す能力レベルという物が追加された。レベル1から、レベル2、レベル3とある。それ以上に危険な能力はCRクラス、それ以上に危険でかつ、地球を壊しかねない能力はEDクラスと指定される。
因みにEDクラスに指定されている者は、この世に一人。
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夏休み終了後の二学期が始まってすぐ、彼女の綺麗な字と、見たくなかった名前を見て驚愕した。
──転校生の名前は桐島舞子、見た目ごく普通の女子、生徒が驚いていたのは名前などではなく、能力レベルと、能力の内容だ。
桐島舞子の能力レベルは、この世に一人しかいないEDクラス、能力の内容は、「全ての能力が使える能力」だ。
明らかに普通ではない能力。よく居る子供の考えは、その能力欲しいぜーとかだけど、大の大人は、そんな能力いらない、だ。私は、羨ましぜ、ぐらいだった。
当の転校生は、教壇に立たされていた。桐島舞子は困った様に激しく貧乏揺すりしながらうつむいていた。担任教師が「自己紹介して」と言うと、桐島舞子は顔を上げ、こちらに顔を向けた。
「桐島舞子です…」
何かに怯えながら呟き、全員の動きがピタッと止まる。
「か、彼女にし、質問とか、な、ないかな?」
「…質問」
私は挙手をし、椅子から立った。
「どうして、ここに来たの?」
桐島舞子は貧乏揺すりを止め、ピタッと止まる。
「…逃げてきた」
全員が一斉に騒ぎ始める、──何故逃げてきた?
「ど、どう言う事なんだろうな、ハハハ…じゃあ、君は其処に座ってくれ」
担任教師は一番前の一番窓側の席を指差した。桐島舞子はその席に座り、荷物をフックに掛け、真面目に担任教師の話を聞き始めた。
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