31 / 34
第8巻
#30 誰か
しおりを挟む
???・??
「…居た」
「誰が?」
「……黄泉だ」
「…」
「何よ、コレ」
竜に喰われた筈の林は、竜を取り込むかの様に身体が大きくなり、完全に竜を心に宿した。心を宿した林の身体は縮小し、通常サイズになった。林の身体は黄色に光る。其れと同時に強風が吹き荒れる。
「初めてみた…黄色の竜が、こんなになるなんて…」
聖は強風に耐えながら言った。舞子は強風を物ともせず、「あたしの能力でどうにかなる?」
「無理よ…あれは能力ではないのよ」
聖は強風に耐えながら言う。私は、一歩進んだ。すると、林は此方を見て、光の柱を飛ばした。光の柱は足元に当たった。
「危ない…」
「神?」
舞子が言った。その時、この屋上に誰かが降り立った。其れは、男。
「……誰?」
「フン、またこいつか。折角の儀式が台無しだ。殺さないとな…」
「アンタ、誰?」
男は強風を物ともせず、「なんだお前は?」すると、林は男の方を向き、「******が、あぁ」右腕を前に上げ、男に向けた。
「フム…此奴は──」
男が言おうとした時、林は右手から光の何かを生み出し、其れを掴み、男に投げた。男は咄嗟の判断で、何処からともなく生み出した、縄で結ばれたギロチンの刃を盾にし、光の何かを防いだ。
光の何かは、剣だった。
「──最後まで喋らせろ…」
男は、林の投げる光の剣を避けながら呟いた。私は何がなんだかわからなくなり、「林、やめて…」呟いた。すると男は急に、「逃げろ!」と私達に言った。
「え?」
林は此方を向いていた。光の剣を投げる前だった。
「逃げろ!」
男は叫ぶ。林は光の剣を此方に投げた。
「遅かった…」
聖が呟いた。だが、光の剣の方向が急に曲がり、男の方へ向いた。光の剣は男の腹に突き刺さった。
「あぁ!」
血が流れ出ている。すると林は、男の方へ歩き出し、「リーデン…タッチマンだろ…?独学で日本語完全にマスターしたのか…?」
「そうだとも…竜を完全取り込んだか…あぁ痛い…」
「完全にな…お前、何のつもりだ?」
「…林、と言ったな。ディストピアの裏には、ベルリンがある事を忘れるな…ククク」
「フン、何がおかしいんだ?」
「いや、こうも裏の存在に気が付かない者を見ると、凄くおかしくてねぇ、ゴホッ!ゴホッ!」
男、いや、リーデンは吐血した。
「どうやらクズなお前に、お迎えが来る様だぞ?」
林はそう言い、右手から光の剣を生み出した。
「ククク、その通りだなぁ」
リーデンはそう言って立ち上がった。林はリーデンの胸に、光の剣を刺した。リーデンはもがいて、死んだ。
林はリーデンを殺すと、バタッと地面に座った。黄色に光っていた林の身体は次第に、元通りになった。
「林…林!」
「二階堂…みんな…」
私は泣きながら、林に抱きついた。
「ああああ!りーーんー!」
「なんだよ…もぅ」
すると、聖は顔を下に下げた。
「どうしたの?体調悪いの?」
舞子が聖に聞いた。
「いや、大丈夫よ。ただ、これからが…ね?」
聖は言った。
???・??
一、「一人、死んだ」
ニ、「古城林、此奴は、放って置いたら、終わるだろう。だが、林だけではない…黄泉だ。此奴もまた、放って置いたら、ダメだ」
「…居た」
「誰が?」
「……黄泉だ」
「…」
「何よ、コレ」
竜に喰われた筈の林は、竜を取り込むかの様に身体が大きくなり、完全に竜を心に宿した。心を宿した林の身体は縮小し、通常サイズになった。林の身体は黄色に光る。其れと同時に強風が吹き荒れる。
「初めてみた…黄色の竜が、こんなになるなんて…」
聖は強風に耐えながら言った。舞子は強風を物ともせず、「あたしの能力でどうにかなる?」
「無理よ…あれは能力ではないのよ」
聖は強風に耐えながら言う。私は、一歩進んだ。すると、林は此方を見て、光の柱を飛ばした。光の柱は足元に当たった。
「危ない…」
「神?」
舞子が言った。その時、この屋上に誰かが降り立った。其れは、男。
「……誰?」
「フン、またこいつか。折角の儀式が台無しだ。殺さないとな…」
「アンタ、誰?」
男は強風を物ともせず、「なんだお前は?」すると、林は男の方を向き、「******が、あぁ」右腕を前に上げ、男に向けた。
「フム…此奴は──」
男が言おうとした時、林は右手から光の何かを生み出し、其れを掴み、男に投げた。男は咄嗟の判断で、何処からともなく生み出した、縄で結ばれたギロチンの刃を盾にし、光の何かを防いだ。
光の何かは、剣だった。
「──最後まで喋らせろ…」
男は、林の投げる光の剣を避けながら呟いた。私は何がなんだかわからなくなり、「林、やめて…」呟いた。すると男は急に、「逃げろ!」と私達に言った。
「え?」
林は此方を向いていた。光の剣を投げる前だった。
「逃げろ!」
男は叫ぶ。林は光の剣を此方に投げた。
「遅かった…」
聖が呟いた。だが、光の剣の方向が急に曲がり、男の方へ向いた。光の剣は男の腹に突き刺さった。
「あぁ!」
血が流れ出ている。すると林は、男の方へ歩き出し、「リーデン…タッチマンだろ…?独学で日本語完全にマスターしたのか…?」
「そうだとも…竜を完全取り込んだか…あぁ痛い…」
「完全にな…お前、何のつもりだ?」
「…林、と言ったな。ディストピアの裏には、ベルリンがある事を忘れるな…ククク」
「フン、何がおかしいんだ?」
「いや、こうも裏の存在に気が付かない者を見ると、凄くおかしくてねぇ、ゴホッ!ゴホッ!」
男、いや、リーデンは吐血した。
「どうやらクズなお前に、お迎えが来る様だぞ?」
林はそう言い、右手から光の剣を生み出した。
「ククク、その通りだなぁ」
リーデンはそう言って立ち上がった。林はリーデンの胸に、光の剣を刺した。リーデンはもがいて、死んだ。
林はリーデンを殺すと、バタッと地面に座った。黄色に光っていた林の身体は次第に、元通りになった。
「林…林!」
「二階堂…みんな…」
私は泣きながら、林に抱きついた。
「ああああ!りーーんー!」
「なんだよ…もぅ」
すると、聖は顔を下に下げた。
「どうしたの?体調悪いの?」
舞子が聖に聞いた。
「いや、大丈夫よ。ただ、これからが…ね?」
聖は言った。
???・??
一、「一人、死んだ」
ニ、「古城林、此奴は、放って置いたら、終わるだろう。だが、林だけではない…黄泉だ。此奴もまた、放って置いたら、ダメだ」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
隣の家の幼馴染は学園一の美少女だが、ぼっちの僕が好きらしい
四乃森ゆいな
ライト文芸
『この感情は、幼馴染としての感情か。それとも……親友以上の感情だろうか──。』
孤独な読書家《凪宮晴斗》には、いわゆる『幼馴染』という者が存在する。それが、クラスは愚か学校中からも注目を集める才色兼備の美少女《一之瀬渚》である。
しかし、学校での直接的な接触は無く、あってもメッセージのやり取りのみ。せいぜい、誰もいなくなった教室で一緒に勉強するか読書をするぐらいだった。
ところが今年の春休み──晴斗は渚から……、
「──私、ハル君のことが好きなの!」と、告白をされてしまう。
この告白を機に、二人の関係性に変化が起き始めることとなる。
他愛のないメッセージのやり取り、部室でのお昼、放課後の教室。そして、お泊まり。今までにも送ってきた『いつもの日常』が、少しずつ〝特別〟なものへと変わっていく。
だが幼馴染からの僅かな関係の変化に、晴斗達は戸惑うばかり……。
更には過去のトラウマが引っかかり、相手には迷惑をかけまいと中々本音を言い出せず、悩みが生まれてしまい──。
親友以上恋人未満。
これはそんな曖昧な関係性の幼馴染たちが、本当の恋人となるまでの“一年間”を描く青春ラブコメである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる