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第8巻
#30 誰か
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???・??
「…居た」
「誰が?」
「……黄泉だ」
「…」
「何よ、コレ」
竜に喰われた筈の林は、竜を取り込むかの様に身体が大きくなり、完全に竜を心に宿した。心を宿した林の身体は縮小し、通常サイズになった。林の身体は黄色に光る。其れと同時に強風が吹き荒れる。
「初めてみた…黄色の竜が、こんなになるなんて…」
聖は強風に耐えながら言った。舞子は強風を物ともせず、「あたしの能力でどうにかなる?」
「無理よ…あれは能力ではないのよ」
聖は強風に耐えながら言う。私は、一歩進んだ。すると、林は此方を見て、光の柱を飛ばした。光の柱は足元に当たった。
「危ない…」
「神?」
舞子が言った。その時、この屋上に誰かが降り立った。其れは、男。
「……誰?」
「フン、またこいつか。折角の儀式が台無しだ。殺さないとな…」
「アンタ、誰?」
男は強風を物ともせず、「なんだお前は?」すると、林は男の方を向き、「******が、あぁ」右腕を前に上げ、男に向けた。
「フム…此奴は──」
男が言おうとした時、林は右手から光の何かを生み出し、其れを掴み、男に投げた。男は咄嗟の判断で、何処からともなく生み出した、縄で結ばれたギロチンの刃を盾にし、光の何かを防いだ。
光の何かは、剣だった。
「──最後まで喋らせろ…」
男は、林の投げる光の剣を避けながら呟いた。私は何がなんだかわからなくなり、「林、やめて…」呟いた。すると男は急に、「逃げろ!」と私達に言った。
「え?」
林は此方を向いていた。光の剣を投げる前だった。
「逃げろ!」
男は叫ぶ。林は光の剣を此方に投げた。
「遅かった…」
聖が呟いた。だが、光の剣の方向が急に曲がり、男の方へ向いた。光の剣は男の腹に突き刺さった。
「あぁ!」
血が流れ出ている。すると林は、男の方へ歩き出し、「リーデン…タッチマンだろ…?独学で日本語完全にマスターしたのか…?」
「そうだとも…竜を完全取り込んだか…あぁ痛い…」
「完全にな…お前、何のつもりだ?」
「…林、と言ったな。ディストピアの裏には、ベルリンがある事を忘れるな…ククク」
「フン、何がおかしいんだ?」
「いや、こうも裏の存在に気が付かない者を見ると、凄くおかしくてねぇ、ゴホッ!ゴホッ!」
男、いや、リーデンは吐血した。
「どうやらクズなお前に、お迎えが来る様だぞ?」
林はそう言い、右手から光の剣を生み出した。
「ククク、その通りだなぁ」
リーデンはそう言って立ち上がった。林はリーデンの胸に、光の剣を刺した。リーデンはもがいて、死んだ。
林はリーデンを殺すと、バタッと地面に座った。黄色に光っていた林の身体は次第に、元通りになった。
「林…林!」
「二階堂…みんな…」
私は泣きながら、林に抱きついた。
「ああああ!りーーんー!」
「なんだよ…もぅ」
すると、聖は顔を下に下げた。
「どうしたの?体調悪いの?」
舞子が聖に聞いた。
「いや、大丈夫よ。ただ、これからが…ね?」
聖は言った。
???・??
一、「一人、死んだ」
ニ、「古城林、此奴は、放って置いたら、終わるだろう。だが、林だけではない…黄泉だ。此奴もまた、放って置いたら、ダメだ」
「…居た」
「誰が?」
「……黄泉だ」
「…」
「何よ、コレ」
竜に喰われた筈の林は、竜を取り込むかの様に身体が大きくなり、完全に竜を心に宿した。心を宿した林の身体は縮小し、通常サイズになった。林の身体は黄色に光る。其れと同時に強風が吹き荒れる。
「初めてみた…黄色の竜が、こんなになるなんて…」
聖は強風に耐えながら言った。舞子は強風を物ともせず、「あたしの能力でどうにかなる?」
「無理よ…あれは能力ではないのよ」
聖は強風に耐えながら言う。私は、一歩進んだ。すると、林は此方を見て、光の柱を飛ばした。光の柱は足元に当たった。
「危ない…」
「神?」
舞子が言った。その時、この屋上に誰かが降り立った。其れは、男。
「……誰?」
「フン、またこいつか。折角の儀式が台無しだ。殺さないとな…」
「アンタ、誰?」
男は強風を物ともせず、「なんだお前は?」すると、林は男の方を向き、「******が、あぁ」右腕を前に上げ、男に向けた。
「フム…此奴は──」
男が言おうとした時、林は右手から光の何かを生み出し、其れを掴み、男に投げた。男は咄嗟の判断で、何処からともなく生み出した、縄で結ばれたギロチンの刃を盾にし、光の何かを防いだ。
光の何かは、剣だった。
「──最後まで喋らせろ…」
男は、林の投げる光の剣を避けながら呟いた。私は何がなんだかわからなくなり、「林、やめて…」呟いた。すると男は急に、「逃げろ!」と私達に言った。
「え?」
林は此方を向いていた。光の剣を投げる前だった。
「逃げろ!」
男は叫ぶ。林は光の剣を此方に投げた。
「遅かった…」
聖が呟いた。だが、光の剣の方向が急に曲がり、男の方へ向いた。光の剣は男の腹に突き刺さった。
「あぁ!」
血が流れ出ている。すると林は、男の方へ歩き出し、「リーデン…タッチマンだろ…?独学で日本語完全にマスターしたのか…?」
「そうだとも…竜を完全取り込んだか…あぁ痛い…」
「完全にな…お前、何のつもりだ?」
「…林、と言ったな。ディストピアの裏には、ベルリンがある事を忘れるな…ククク」
「フン、何がおかしいんだ?」
「いや、こうも裏の存在に気が付かない者を見ると、凄くおかしくてねぇ、ゴホッ!ゴホッ!」
男、いや、リーデンは吐血した。
「どうやらクズなお前に、お迎えが来る様だぞ?」
林はそう言い、右手から光の剣を生み出した。
「ククク、その通りだなぁ」
リーデンはそう言って立ち上がった。林はリーデンの胸に、光の剣を刺した。リーデンはもがいて、死んだ。
林はリーデンを殺すと、バタッと地面に座った。黄色に光っていた林の身体は次第に、元通りになった。
「林…林!」
「二階堂…みんな…」
私は泣きながら、林に抱きついた。
「ああああ!りーーんー!」
「なんだよ…もぅ」
すると、聖は顔を下に下げた。
「どうしたの?体調悪いの?」
舞子が聖に聞いた。
「いや、大丈夫よ。ただ、これからが…ね?」
聖は言った。
???・??
一、「一人、死んだ」
ニ、「古城林、此奴は、放って置いたら、終わるだろう。だが、林だけではない…黄泉だ。此奴もまた、放って置いたら、ダメだ」
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