中の島

霜月麗華

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第5巻

#19 最高処刑

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 外国人の投げたギロチンは、俺の一番後ろの壁に打ち当たり、壁に刺さった。
「あなたが相手なら、楽しくなれそうデスね!」
「そうか、良かったな!」
俺は崩れた壁の破片を浮かせ、其れを外国人に向けて飛ばした。外国人はギロチンを自分の場所まで急いで引っ張り、ギロチンの刃の大きさを変え盾扱いし、飛ばした破片の攻撃を凌いだ。
「早く死になサイ」
「そう簡単に死んでたまるか」
 外国人はギロチンの刃の大きさを変えながら、俺目掛けて投げる。投げて引っ張る間、俺は外国人に向かって突進した。外国人の目の前で立ち止まり、「遅いよ外人さん?」
「クソ」
外国人は後に下がり、ギロチンの紐を引っ張った。
「いやー驚きマシタね。あなたにそんな力がアルトは」
「日本人舐めんな」
「…でも、不思議デスね」
「何がだ?」
外国人は頭を抱えて、「何故あの近距離で、私を殺さなかったのデスか?」
「………なんでだろうな」
外国人はギロチンの刃を再度俺目掛けて投げた。だが当たらず、そのまま床に落ちた。
「アンタは強い」
「お陰様デ」
「でも、君は負けた」
「何故?決着は着いていまセンよ」
その時、外国人の脇腹に、先の尖った鉄パイプが飛んで来て、刺さった。
「あ、あぁ」
鉄パイプの穴からは血が出る。
「敵は、一人じゃないんだぞ」
鉄パイプが飛んで来た方向を見ると、其処には血だらけの舞子が居た。
「二人、居たんデスね。此れはマズいデスね。引かなくてはデスね」
外国人は鉄パイプを抜き、ガラスを割り、十五階から外へ、飛び降りた。外国人が飛び降りた場所には、よく分からない紙が落ちていた。俺は急いで其れを拾った。

『K・リーデン・タッチマン、ベルリン教幹部』

名刺だった。
 ベルリン教、世界に名を轟かせた危険超能力者集団。奴らは世界中でテロを起こした。世界の何処に支部がある。その本部はベルリンにあるらしい。
「ディストピアの裏に居るのか?」
嫌な、予感しかしない。
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