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第5話 事故
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俺は動画配信サイトで、投稿主の生放送動画を見ていた。どれも眼を伏せたくなる動画だった。時には雑居ビルで、時には被害者の眼の前。
考えていると、生放送が急に始まった。場所は、また近くの駅だった。
「千夏、コレ見ろ」
「ん?」
千夏は生放送の動画を目にした。
「嘘?」
「どうした?」
「莉子がが、写ってる…」
画面には千夏の友人、莉子が写っていた。投稿主は莉子の後を追っていた。
「速く、助けなきゃ…」
「お、おい!」
千夏は険しい表情で支部を出て行った。
「マジかよ!」
動画に眼をやると、もう既に列車通過放送が流れていた。
「おいおい、ヤベえ!」
そして、列車が来た。投稿主は莉子の後ろで、莉子を撮っていた。
「おい!危ないぞ!」
通行人が云った時、莉子は線路に飛び降り、列車に轢かれた。車輪とレールとの摩擦で、キィキィ云う。
投稿主は莉子が轢かれた直後、駅を出て配信を止めた。動画投稿サイトには、今迄のアーカイブが残った。
「間に合わなかったか…」
俺は携帯をポケットに入れて、駅へと走って行った。
──駅のホームには、人集り。警察や救急隊の人達で大変な事になっていた。非常ベルが駅に鳴り響く。
線路には、現場検証等で調べに来ていた千夏と先輩が居た。俺は線路に降りた。
「悠一…」
「轢かれちまったか、」
「莉子、死んだ…」
千夏の指差した方向には、死んでしまった莉子の、血だらけの亡骸が、ブルーシートに囲まれて、線路にポツンと置いてあった。
「なんてこった…」
車両に眼をやると、前面全体が血で大変な事になっていた。車輪は莉子を轢いた衝撃で凸凹になっていた。
「廃車確定だな…」
「何処がよ?修繕出来るよ…この会社なら」
「……本部には連絡したんですか?」
ホームに立っている先輩に訊いた。
「もう既に連絡してあるよ」
俺は車両の側面側に回って、一両目をじっくり観察した。
「ねぇ、犯人誰だと思う?」
「被害者が莉子って事は、俺達の学校か?」
「でも、高校生じゃないよね?」
「無差別か?」
千夏はバラストに座って、考え出した。
「其処に座るなよ…」
「友孝って云ったっけ?情報屋」
「そうだけど?」
「嘘の情報ってのは?」
俺は友孝に電話を掛けた。
「友孝」
「悠一かよ、どーした?」
「被害者が全員、高校生って事だよな?同じ高校だから」
「どーした?」
「今回の被害者、俺と同じ中学生なんだが」
友孝は黙り込み、
「騙された?俺」
「誰にだよ。てかその情報、誰からの?」
「女だ。お前んとこの学校の生徒だったな」
「その情報はいくらだった?」
「一万近かったぞ?」
俺は頭を抱えて、
「騙されたね?友孝」
「クソめ」
友孝は電話を切った。
「支部に戻って、俺んとこの学校の生徒全員調べるぞ」
千夏に云った。
考えていると、生放送が急に始まった。場所は、また近くの駅だった。
「千夏、コレ見ろ」
「ん?」
千夏は生放送の動画を目にした。
「嘘?」
「どうした?」
「莉子がが、写ってる…」
画面には千夏の友人、莉子が写っていた。投稿主は莉子の後を追っていた。
「速く、助けなきゃ…」
「お、おい!」
千夏は険しい表情で支部を出て行った。
「マジかよ!」
動画に眼をやると、もう既に列車通過放送が流れていた。
「おいおい、ヤベえ!」
そして、列車が来た。投稿主は莉子の後ろで、莉子を撮っていた。
「おい!危ないぞ!」
通行人が云った時、莉子は線路に飛び降り、列車に轢かれた。車輪とレールとの摩擦で、キィキィ云う。
投稿主は莉子が轢かれた直後、駅を出て配信を止めた。動画投稿サイトには、今迄のアーカイブが残った。
「間に合わなかったか…」
俺は携帯をポケットに入れて、駅へと走って行った。
──駅のホームには、人集り。警察や救急隊の人達で大変な事になっていた。非常ベルが駅に鳴り響く。
線路には、現場検証等で調べに来ていた千夏と先輩が居た。俺は線路に降りた。
「悠一…」
「轢かれちまったか、」
「莉子、死んだ…」
千夏の指差した方向には、死んでしまった莉子の、血だらけの亡骸が、ブルーシートに囲まれて、線路にポツンと置いてあった。
「なんてこった…」
車両に眼をやると、前面全体が血で大変な事になっていた。車輪は莉子を轢いた衝撃で凸凹になっていた。
「廃車確定だな…」
「何処がよ?修繕出来るよ…この会社なら」
「……本部には連絡したんですか?」
ホームに立っている先輩に訊いた。
「もう既に連絡してあるよ」
俺は車両の側面側に回って、一両目をじっくり観察した。
「ねぇ、犯人誰だと思う?」
「被害者が莉子って事は、俺達の学校か?」
「でも、高校生じゃないよね?」
「無差別か?」
千夏はバラストに座って、考え出した。
「其処に座るなよ…」
「友孝って云ったっけ?情報屋」
「そうだけど?」
「嘘の情報ってのは?」
俺は友孝に電話を掛けた。
「友孝」
「悠一かよ、どーした?」
「被害者が全員、高校生って事だよな?同じ高校だから」
「どーした?」
「今回の被害者、俺と同じ中学生なんだが」
友孝は黙り込み、
「騙された?俺」
「誰にだよ。てかその情報、誰からの?」
「女だ。お前んとこの学校の生徒だったな」
「その情報はいくらだった?」
「一万近かったぞ?」
俺は頭を抱えて、
「騙されたね?友孝」
「クソめ」
友孝は電話を切った。
「支部に戻って、俺んとこの学校の生徒全員調べるぞ」
千夏に云った。
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