誤解の代償

トモ

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婚約破棄

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小さい頃は祖母に育ててもらったが、15歳の時に、祖母が亡くなり、天涯孤独になったエミリー。それから、誰にも頼らず、夜間学校に通いながら、バイトをして毎日一生懸命生きてきた。
努力が実って、国内大手企業、キングコーポレーションで働きだして3年、今ではキングコーポレーションの次男で常務、エミリーの3歳年上のディックの秘書、そして、婚約者になっている。毎日忙しい中、ディックの優しさ、気遣いに癒されながら、順調で穏やかな日々を過ごしていた。
結婚式まであと3か月となり、出張中のディックの仕事をカバーしながら、週末だし、出張先に、サプライズで訪ねてみようかしらと、ウキウキした気持ちで、宿泊先の別荘に入ったら、女の人の声が…
誰?そっと寝室を覗くと、そこには絡み合うディックと、エミリーの同僚、リズがいた。
2人は私に気づくことなく、激しくベッドを揺らした。
事が終わると「悪い人ね。エミリーは一途なのに。私と1年もこんな関係を続けてて。あと3か月で結婚なのにバレたらどうするの?結婚後も、この関係続けるでしょ?」ディックは「エミリーは、いいパートナーでホント癒されるけど、25歳でバージンだから、本人も結婚するまで最後まではしたくないって言うから大事にしてるって言っただろ。キミとは体だけの関係だし、結婚したらこんな関係解消するよ」
「25歳でバージンとかホント大丈夫なの?満足できる?関係続けた方が飽きなくていいと思うわよ」
「キミには関係ないね。僕とエミリーは特別なんだ。愛してるかはわからないけど、いない生活は想像出来ない」
愛してるかはわからない?なんてひどい。私と話をする時の紳士な態度とは随分違う婚約者の姿に、思わず私は扉を開けていた。
「1年も体の関係を持っていたのに、全く気づかなかったわ。私は世間知らずだった。そのまま、リズと結婚してください。私達婚約破棄しましょう。さようなら」と飛び出した。

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