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008 俺と、だ:S
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「無理です!」
ムリ無理むりムリ無理むりムリ無理むり……何が無理って。
俺の好きな西住が、俺みたいな変態とつき合うのが無理。
嫌だ。
モノゴトには釣り合いってのがあるはず。
ちゃんとわきまえてる。
だから、ノー。
「おこがましくて……考えるのも気が引けます」
考えちゃダメ。
考えるな。
禁忌を犯すな!
「エロい妄想のネタにして抜くのはアリのくせに?」
小柄な人に聞かれ。
「それは……俺だけの世界で、別の次元で。そこでは俺の自由だから」
答える。
コレはオーケー。
俺の世界には俺しかいない……訂正。俺の世界には俺と、俺の妄想の西住しかいないから。ここで何しても、現実の西住には知られない。
西住を傷つけない。
西住の害にならない。
リアルとは別次元。
別世界。
小柄な人の視線が西住へ。
「きみは?」
あ……聞く……の……。
「正直にね」
「俺は……実際につき合うかどうかは置いといて、形としては賛成です。じゃなきゃ、脅しを無効に出来ない……」
え……西住……が、賛成……って……。
「ですよね?」
あっ今、こっち見た……目、やさしい……怒ってない、不快じゃない……のか?
どうして!?
「沢渡に俺のこと言わせたの、そのためなんだし。俺にバレてつき合うってなれば、問題ない。アイツらに好き勝手はさせない」
西住……かっこいい。
尊い……。
「うん。その意気で」
小柄な人の言葉にホッとした様子の西住。
西住が安心したのはいい、けど……でも。
何か……。
何かが……。
おかしい……俺の世界が、現実が……。
「じゃ。沢渡くんの先輩にそれ伝えて、一見落着だね。連絡先ってわかる? どっかで待ち合わせしてるとか?」
俺を見る小柄な人を見つめる。
途中から、現れて。
先輩が西住の名を口に出して去って……最悪の終わりの絶望の恐怖の中、現れて。
その恐怖を現実に……隠したい俺の罪と西住への思いを、あっさり簡単に……鮮やかに白状させて。
今。
当たり前のように。
当然の成り行きみたいに。
西住に、俺とつき合うこと……形だとしても……を賛成させるなんて、悪魔の所業みたいなコトして……。
この人……何者!?
「どうしたの?」
「……あり得ない」
小柄な人の不思議そうな声に、首を振る。
「西住が俺と……なんて」
あり得ちゃダメ。
あり得るのがおかしい。
「聞いてた? 形だけだって」
「形だけでも、です」
小柄な人に答え。
西住を見る。
「俺となんて、気持ち悪くないのか?」
現実を見よう。
形として賛成。
西住はそう言ったけど。
ソレは西住のやさしさ。こんな俺を気にかけてくれて、八代先輩たちの脅しを無効にしようとしてくれてる。もう、西住に全部バレたから。俺にとっては……すでに効力を失った脅しだけど。
でも。
嫌々なはず。たとえ形としてだとしても、俺と……つき合う、なんて。
気持ち悪くない道理がない。
「いや、別に……実害はないだろ」
西住……!
あるだろ実害!
「先輩たちが言いふらしたら、きみまで変な目で見られる……」
そんなの、ダメだ……。
「男とつき合うの、うちではおかしくないだろ」
「俺と、だ」
男と、じゃない。
俺とだ。
この俺と、だ!
「変態とつき合うのは変態だって思われる……嫌だ」
俺の好きな西住が!
「嫌って。俺はかまわない。とにかく、早く……」
「かまえよ!」
つい。
怒鳴った。
ごめん!
でも!
「そんな簡単に、俺と関わって……いいのか?」
「え……」
俺にやさしくして。
俺とつき合うフリしてもいいって。
俺を、気持ち悪く思わない……って、俺に思わせて。
俺に、期待……させて。
期待……しちゃう、だろ。
もう、いろいろ……怒濤の展開で。
あまりにも、西住が……俺に寛容で。
もう、いろいろ……セーブしきれない。
俺の世界が歪むねじれる。
おかしくなって……。
「さっき言ったろ、きみに何するかわからないって。きみが近くにいたら……どうにかならない自信がないんだ」
だから。
早く。
早めに。
現実を突きつけてほしい。
俺の好きな西住が変態の俺とつき合う可能性のある世界は非現実だ……って。
「あ……でも……」
西住が小柄な人を見て。
「つき合うフリは、アイツら用にで……この件が片付けば解消……ですよね?」
確認。
「それは2人で決めれば。今日、学祭終了まででもいいし。せっかくだから、もっと深く知り合ってみてもいいし」
小柄な人の答え……。
「あるんでしょ? 沢渡くんと、やる覚悟」
続くに問いに。
「は? い、や……それは……」
西住は狼狽え気味……なのは、当然。
わかる。
わかってる。
さっきはアリって言ったけど、ソレは俺の気持ちを知る前で。知った今は、アリの意味というか……重みが違う。
でも。
なのに。
何でナシって言わないんだ!?
言ってくれれば、期待は消える……はず。
言ってほしい?
消してほしい?
俺、は……?
「まだ……」
「形だけでもフリでも何でも。気にかけてオッケーするくらいだから、イヤじゃない。抱かれてもいいって思ってる」
ハッキリしない西住に。
小柄な人が、また。
俺が見ないように気づかないようにしてる内の欲を口に出し。
「少なくとも、この子にはそう思われてるってこと」
やさしい笑顔で俺を見やる。
さっきも。
今も。
この人、どうして……俺の内側を暴くというか。
知らないはずなのに、知ってることみたいに。
事実みたいに。
西住に言っちゃうんだ!
自分じゃ、とても言えないコトを。
言うつもりのないコトを。
言っちゃダメなコトを。
そして。
言ったコトは戻らない。
知ったコトはなくならない。
おかしくなった俺の世界は戻らない。
ムリ無理むりムリ無理むりムリ無理むり……何が無理って。
俺の好きな西住が、俺みたいな変態とつき合うのが無理。
嫌だ。
モノゴトには釣り合いってのがあるはず。
ちゃんとわきまえてる。
だから、ノー。
「おこがましくて……考えるのも気が引けます」
考えちゃダメ。
考えるな。
禁忌を犯すな!
「エロい妄想のネタにして抜くのはアリのくせに?」
小柄な人に聞かれ。
「それは……俺だけの世界で、別の次元で。そこでは俺の自由だから」
答える。
コレはオーケー。
俺の世界には俺しかいない……訂正。俺の世界には俺と、俺の妄想の西住しかいないから。ここで何しても、現実の西住には知られない。
西住を傷つけない。
西住の害にならない。
リアルとは別次元。
別世界。
小柄な人の視線が西住へ。
「きみは?」
あ……聞く……の……。
「正直にね」
「俺は……実際につき合うかどうかは置いといて、形としては賛成です。じゃなきゃ、脅しを無効に出来ない……」
え……西住……が、賛成……って……。
「ですよね?」
あっ今、こっち見た……目、やさしい……怒ってない、不快じゃない……のか?
どうして!?
「沢渡に俺のこと言わせたの、そのためなんだし。俺にバレてつき合うってなれば、問題ない。アイツらに好き勝手はさせない」
西住……かっこいい。
尊い……。
「うん。その意気で」
小柄な人の言葉にホッとした様子の西住。
西住が安心したのはいい、けど……でも。
何か……。
何かが……。
おかしい……俺の世界が、現実が……。
「じゃ。沢渡くんの先輩にそれ伝えて、一見落着だね。連絡先ってわかる? どっかで待ち合わせしてるとか?」
俺を見る小柄な人を見つめる。
途中から、現れて。
先輩が西住の名を口に出して去って……最悪の終わりの絶望の恐怖の中、現れて。
その恐怖を現実に……隠したい俺の罪と西住への思いを、あっさり簡単に……鮮やかに白状させて。
今。
当たり前のように。
当然の成り行きみたいに。
西住に、俺とつき合うこと……形だとしても……を賛成させるなんて、悪魔の所業みたいなコトして……。
この人……何者!?
「どうしたの?」
「……あり得ない」
小柄な人の不思議そうな声に、首を振る。
「西住が俺と……なんて」
あり得ちゃダメ。
あり得るのがおかしい。
「聞いてた? 形だけだって」
「形だけでも、です」
小柄な人に答え。
西住を見る。
「俺となんて、気持ち悪くないのか?」
現実を見よう。
形として賛成。
西住はそう言ったけど。
ソレは西住のやさしさ。こんな俺を気にかけてくれて、八代先輩たちの脅しを無効にしようとしてくれてる。もう、西住に全部バレたから。俺にとっては……すでに効力を失った脅しだけど。
でも。
嫌々なはず。たとえ形としてだとしても、俺と……つき合う、なんて。
気持ち悪くない道理がない。
「いや、別に……実害はないだろ」
西住……!
あるだろ実害!
「先輩たちが言いふらしたら、きみまで変な目で見られる……」
そんなの、ダメだ……。
「男とつき合うの、うちではおかしくないだろ」
「俺と、だ」
男と、じゃない。
俺とだ。
この俺と、だ!
「変態とつき合うのは変態だって思われる……嫌だ」
俺の好きな西住が!
「嫌って。俺はかまわない。とにかく、早く……」
「かまえよ!」
つい。
怒鳴った。
ごめん!
でも!
「そんな簡単に、俺と関わって……いいのか?」
「え……」
俺にやさしくして。
俺とつき合うフリしてもいいって。
俺を、気持ち悪く思わない……って、俺に思わせて。
俺に、期待……させて。
期待……しちゃう、だろ。
もう、いろいろ……怒濤の展開で。
あまりにも、西住が……俺に寛容で。
もう、いろいろ……セーブしきれない。
俺の世界が歪むねじれる。
おかしくなって……。
「さっき言ったろ、きみに何するかわからないって。きみが近くにいたら……どうにかならない自信がないんだ」
だから。
早く。
早めに。
現実を突きつけてほしい。
俺の好きな西住が変態の俺とつき合う可能性のある世界は非現実だ……って。
「あ……でも……」
西住が小柄な人を見て。
「つき合うフリは、アイツら用にで……この件が片付けば解消……ですよね?」
確認。
「それは2人で決めれば。今日、学祭終了まででもいいし。せっかくだから、もっと深く知り合ってみてもいいし」
小柄な人の答え……。
「あるんでしょ? 沢渡くんと、やる覚悟」
続くに問いに。
「は? い、や……それは……」
西住は狼狽え気味……なのは、当然。
わかる。
わかってる。
さっきはアリって言ったけど、ソレは俺の気持ちを知る前で。知った今は、アリの意味というか……重みが違う。
でも。
なのに。
何でナシって言わないんだ!?
言ってくれれば、期待は消える……はず。
言ってほしい?
消してほしい?
俺、は……?
「まだ……」
「形だけでもフリでも何でも。気にかけてオッケーするくらいだから、イヤじゃない。抱かれてもいいって思ってる」
ハッキリしない西住に。
小柄な人が、また。
俺が見ないように気づかないようにしてる内の欲を口に出し。
「少なくとも、この子にはそう思われてるってこと」
やさしい笑顔で俺を見やる。
さっきも。
今も。
この人、どうして……俺の内側を暴くというか。
知らないはずなのに、知ってることみたいに。
事実みたいに。
西住に言っちゃうんだ!
自分じゃ、とても言えないコトを。
言うつもりのないコトを。
言っちゃダメなコトを。
そして。
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