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005 詰む……:S
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今。
ここに。
西住がいるのに。
俺と同じ空間に西住がいるのに。
ツラくて苦しくて悲しくて。
消えたい。
西住の服でオナってるのを先輩に見られたのが最悪の事態だと思った自分、甘過ぎる。
その行いを先輩に内緒にしてもらおうとしたところで西住が来たのが最悪の事態で終わりだと思った自分、浅過ぎる。
今。
先輩が西住の名を口にして出て行ったのが最悪の事態で、終わりで……自分の罪が重過ぎる。
西住を傷つける西住の害になる。
この罪を犯した俺がツラいのは当然。
苦しいのは当然。
悲しいのも当然。
消えたいと願うのは、無責任……だけど。
どうしていいかわからない。
どうすれば贖えるのかわからない。
どうしようも、ない。
そして。
こんな時でも。こんな状況でも。
こんなにも、西住が好きだ。
今。
俺の目の前にいる西住。
ここにいる西住が、今から傷つく。
気分を害する。
怒りと嫌悪に顔を歪める。
その原因は……俺。
もうすぐ起こる、本当の最悪の事態で終わり……は、西住が傷つくこと。
俺が、傷つける。
叫んでも泣いても死んでも……もう遅い。
「うわっ……と。今ここから出てきたヤツら? 何したの?」
「玲史……お前、何でここに……?」
「その子に呼ばれたの。一緒にいた岡部にヘルプ要請のメッセ入ったから、僕が来たんだけど……もう終わったみたいだね」
「風紀としては、一応な。まだ解決しちゃいない」
誰か、来たのか。風紀委員か。何人来ようが誰が来ようが、誰にもどうにも出来ない……。
「どうした? 怖かったのか? もう大丈夫だ」
西住……!
こんな俺に。俺を、気遣ってくれる……やさしい西住。
好きだ。
西住には何の罪もない。傷つけたくない。
嫌だ。
西住が傷つくのは嫌だ。
首を振る。
諦めるな俺。西住が好きなら、考えろ。冷静になれ。冷めてよく考えれば、終わり……じゃない。そうだ。まだ……どうにか、何も話さないでこの場から逃げれば……もしかしたら、知られずに……済む可能性、ある……か?
風紀委員の2年に何を聞かれても答えなきゃいい。そして、出来るだけ早く先輩たちのところに……内緒にしてもらう対価を払うんだ。もう一度。頼んで。お願いして……今度こそ、ちゃんと。しっかり……。
「アイツらと何があった? 話せよ」
西住……!
ごめん。
答えなくてごめん。
でも、話せない。
きみには、絶対に……知られちゃダメなんだ!
「高畑さん……来てくれたんですね。岡部は?」
「見回りしてる」
「すみません。モメたら俺、役に立たないんで。岡部なら牽制にもなると思って」
「僕のほうが強いから来たの。さっきの3人なら余裕かな。でも、残念。もう用ナシでしょ?」
「あ……えっと、ケンカとかはないですけど……このままじゃマズいっていうか。俺にもよくわかんなくて……でも。コイツ、たぶん……」
西住の声……好きだ。
「何か弱み握られて、黙ってる代わりに何でもするって約束したらしくて……」
「ふうん」
「とりあえず、時間稼ぎみたいになって。沢渡に話聞こうとしたんです。でも……」
ずっと聞いてたい……。
「よけいなお世話かもしれないけど、こういうのは許せない。脅されて精液便所になるの、放っとくなんて出来ません」
「やられてたの?」
「俺たちが来た時は……フェラさせられそうになってて。このままだとコイツ、アイツらのとこ行って……絶対やられます。それでもいいって……よくないですよね?」
「どうだろ。犯されるのが趣味かも」
「そんなはずないでしょ!?」
西住が声を荒げた。
俺、のために……!
「人に知られたくないことがあって、それバラされたくないから……内緒にしてもらうために……だろ? 沢渡?」
ごめん。
返事しなくてごめん……。
「へぇ、やられまくるほうがマシって。すごい秘密だね。興味湧くなぁ」
誰、だろう。
もうひとりの、新しく来た人……先輩たちを追い払ったゴツい人と違って、深刻そうじゃない声で……。
「ヒントないの?」
進んでほしくない方向に話を進める……のは、やめてほしい。
「何か悪いことしたみたいです。でも、きっと大したことじゃない。だから……それ解決しちゃえば、ヤツらの言いなりになる必要ないのに……話してみろよ。な?」
西住……!
ごめん。ごめん……ごめん!
「本人がいいなら口出さなくていいとは思うけど。紫道もこの子と一緒で、どうにかしてあげたいんでしょ?」
「ああ……」
「さっきの……アイツ、何であんなこと言ったんだ? 俺がお前と……って、そうすれば脅されずに済むのか? いったいどういう意味で……」
西住……!
ソレは聞き間違いだ。先輩の言い間違いだ。きみは無関係だ。
「何それ」
ダメだ。聞かないで……!
「きみが原因なの?」
「え……原因じゃないと思います……けど、何か……関係あるっぽく言われて。その……」
西住……!
「沢渡とやる覚悟があれば自分たちのところに来なくて済む、偶然はコワイ……そう、茶髪のヤツがな」
あ……ゴツい風紀委員の、人……ソレ……言われたら……。
詰む……。
ここに。
西住がいるのに。
俺と同じ空間に西住がいるのに。
ツラくて苦しくて悲しくて。
消えたい。
西住の服でオナってるのを先輩に見られたのが最悪の事態だと思った自分、甘過ぎる。
その行いを先輩に内緒にしてもらおうとしたところで西住が来たのが最悪の事態で終わりだと思った自分、浅過ぎる。
今。
先輩が西住の名を口にして出て行ったのが最悪の事態で、終わりで……自分の罪が重過ぎる。
西住を傷つける西住の害になる。
この罪を犯した俺がツラいのは当然。
苦しいのは当然。
悲しいのも当然。
消えたいと願うのは、無責任……だけど。
どうしていいかわからない。
どうすれば贖えるのかわからない。
どうしようも、ない。
そして。
こんな時でも。こんな状況でも。
こんなにも、西住が好きだ。
今。
俺の目の前にいる西住。
ここにいる西住が、今から傷つく。
気分を害する。
怒りと嫌悪に顔を歪める。
その原因は……俺。
もうすぐ起こる、本当の最悪の事態で終わり……は、西住が傷つくこと。
俺が、傷つける。
叫んでも泣いても死んでも……もう遅い。
「うわっ……と。今ここから出てきたヤツら? 何したの?」
「玲史……お前、何でここに……?」
「その子に呼ばれたの。一緒にいた岡部にヘルプ要請のメッセ入ったから、僕が来たんだけど……もう終わったみたいだね」
「風紀としては、一応な。まだ解決しちゃいない」
誰か、来たのか。風紀委員か。何人来ようが誰が来ようが、誰にもどうにも出来ない……。
「どうした? 怖かったのか? もう大丈夫だ」
西住……!
こんな俺に。俺を、気遣ってくれる……やさしい西住。
好きだ。
西住には何の罪もない。傷つけたくない。
嫌だ。
西住が傷つくのは嫌だ。
首を振る。
諦めるな俺。西住が好きなら、考えろ。冷静になれ。冷めてよく考えれば、終わり……じゃない。そうだ。まだ……どうにか、何も話さないでこの場から逃げれば……もしかしたら、知られずに……済む可能性、ある……か?
風紀委員の2年に何を聞かれても答えなきゃいい。そして、出来るだけ早く先輩たちのところに……内緒にしてもらう対価を払うんだ。もう一度。頼んで。お願いして……今度こそ、ちゃんと。しっかり……。
「アイツらと何があった? 話せよ」
西住……!
ごめん。
答えなくてごめん。
でも、話せない。
きみには、絶対に……知られちゃダメなんだ!
「高畑さん……来てくれたんですね。岡部は?」
「見回りしてる」
「すみません。モメたら俺、役に立たないんで。岡部なら牽制にもなると思って」
「僕のほうが強いから来たの。さっきの3人なら余裕かな。でも、残念。もう用ナシでしょ?」
「あ……えっと、ケンカとかはないですけど……このままじゃマズいっていうか。俺にもよくわかんなくて……でも。コイツ、たぶん……」
西住の声……好きだ。
「何か弱み握られて、黙ってる代わりに何でもするって約束したらしくて……」
「ふうん」
「とりあえず、時間稼ぎみたいになって。沢渡に話聞こうとしたんです。でも……」
ずっと聞いてたい……。
「よけいなお世話かもしれないけど、こういうのは許せない。脅されて精液便所になるの、放っとくなんて出来ません」
「やられてたの?」
「俺たちが来た時は……フェラさせられそうになってて。このままだとコイツ、アイツらのとこ行って……絶対やられます。それでもいいって……よくないですよね?」
「どうだろ。犯されるのが趣味かも」
「そんなはずないでしょ!?」
西住が声を荒げた。
俺、のために……!
「人に知られたくないことがあって、それバラされたくないから……内緒にしてもらうために……だろ? 沢渡?」
ごめん。
返事しなくてごめん……。
「へぇ、やられまくるほうがマシって。すごい秘密だね。興味湧くなぁ」
誰、だろう。
もうひとりの、新しく来た人……先輩たちを追い払ったゴツい人と違って、深刻そうじゃない声で……。
「ヒントないの?」
進んでほしくない方向に話を進める……のは、やめてほしい。
「何か悪いことしたみたいです。でも、きっと大したことじゃない。だから……それ解決しちゃえば、ヤツらの言いなりになる必要ないのに……話してみろよ。な?」
西住……!
ごめん。ごめん……ごめん!
「本人がいいなら口出さなくていいとは思うけど。紫道もこの子と一緒で、どうにかしてあげたいんでしょ?」
「ああ……」
「さっきの……アイツ、何であんなこと言ったんだ? 俺がお前と……って、そうすれば脅されずに済むのか? いったいどういう意味で……」
西住……!
ソレは聞き間違いだ。先輩の言い間違いだ。きみは無関係だ。
「何それ」
ダメだ。聞かないで……!
「きみが原因なの?」
「え……原因じゃないと思います……けど、何か……関係あるっぽく言われて。その……」
西住……!
「沢渡とやる覚悟があれば自分たちのところに来なくて済む、偶然はコワイ……そう、茶髪のヤツがな」
あ……ゴツい風紀委員の、人……ソレ……言われたら……。
詰む……。
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