滅びろ人間!小児性犯罪者への復讐

Kinon

文字の大きさ
上 下
59 / 110
第8章 カウンセラー

この話題がつらかったらやめるわ

しおりを挟む
 襲いかかるって、まさか……。

かいは……あなたに、何を……?」

「何をしたと思う?」

 何って……だって……襲うっていうのは……。

 眉を寄せたまま答えない僕を見て、綾さんが首を振る。

「ごめんなさい。意地悪だったわね」

「冗談……ですか?」

「いいえ」

 じゃない……?

「私をレイプしようとしたのよ」

 ほんと……に……!?

「押し倒して押さえつけて、服を剥いて……足の間に手を入れた」

 綾さんの瞳を凝視する。

「あなたもそう思ったんでしょう? それを言わせようとしたのは、悪かったわ」

「いえ……でも……実際にしては……」

「いない。凱は途中でやめたから」

 大きく息を吐いた。

「はじめから。本気でするつもりはないと思って、私は抵抗しなかった。もし、その読みが外れてたら……私より身体の大きな中学2年生の男子の力には、勝てなかったでしょうね」

「凱は……どうして、あなたを……?」

「カウンセリングが嫌だったからか。信用していない人間を威嚇するためか。セックスをしたかったわけじゃないのは確かよ」

 僕に向ける綾さんの視線が強くなる。

「この話題がつらかったらやめるわ」

「いえ……平気です」

 暫し俯いて、顔を上げた。

「綾さん。凱が本気じゃないって……どうしてわかったんですか?」

「瞳に欲がなく、冷めてたから……かな」

「冷めてた……?」

「そう。単なる身体の欲求でも、愛情でも、興奮でも、狂気でも、怒りでも。何がもとになっていても、性欲には熱さがある。それがないと、その気のない相手とセックスは出来ないわ」

「それでも、万が一のリスクはあるのに……抵抗せずにいたのは……?」

「もし、凱に嗜虐性があったら、刺激したらまずいと思ったの。あとは……抵抗しないことで『あなたを信用してる』って伝えるため。自分を信用してほしいなら、まずは自分が相手を信用しなきゃならない。私はあなたの敵じゃなくて味方だってアピールでもある……カウンセラーとしての計算ね」

「ちゃんと伝わったんですね。その……途中でやめたのなら」

 綾さんが力なく首を横に振る。

「伝わったかもしれないけど、信用されなかったみたい……やめて出て行った時も含めて、凱は一度もカウンセリングを受けていないのよ」

「え……一度も?」

「ええ」

 強制じゃないのなら、拒否しても罰はない……か。

「暴行事件のあと、ラストワが凱のカウンセリングを命じたの。それも、あの子は受けなかったわ」

「そんなこと……可能なんですか?」

 ルールに厳しい僕たちが、継承者の決定に従わないことは稀だ。

「可能か不可能で言えば、可能かしら。修哉が凱をここまで引きずって来たけど、カウンセリングにはならなかったから。腕のいいカウンセラーでも、話す意思が全くない人間に口を開かせるのはほぼ不可能よ」

「でも、ラストワの決定だったんですよね。じゃあ、凱は罰を……?」

 ここで。綾さんは困ったような、苛立ったような表情になった。

「いいえ。さっきショウのことを話した時、彼女は息子たちに何があったのか知らないって言ったでしょう? そして、凱は私に何も話していない。じゃあ、誰がその時の詳細を聞いたのか……わかる?」

 ショウの知らない、凱だけが知っていること……綾さん以外に、凱から聞き出せる人間がいるとすれば……。

「ラストワ、ですね」


しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

処理中です...