上 下
175 / 246

42-5 昼飯時のレクチャー

しおりを挟む
 遅れて来た鷲尾の現国が終わり。
 2限3限4限も平和に終わり、昼休み。
 階段の上り下りがつらいのを見越して、ランチは電車乗る前に購入済み。

 今日、トイレに行く時くらいしか歩いてないなー俺。



將梧そうご。朝、杉原と下で注目浴びたんだって?」

 結都ゆうとに尋ねられ、溜息をつきながらも口元がほころんだ。

「まぁ……うん。大っぴらに宣言するつもりじゃなかったんだけど……新庄と岸岡が、涼弥の気に障ること言っちゃって」

「岸岡からガードするのに、ちょうどよかったんじゃない?」

「ん。うちのクラスでも知れ渡ったし、これで気が楽になった」

「セックスもしたんでしょ? どう? 感想は」

 臆面もなく問う結都。
 エロトークはまだ不慣れ……でも。
 今日は聞きたいことがある。幸い、結都と凱と3人でランチタイムだ。

「よかった……すごく。ずっと気持ち……よくて」

 顔がほてる! やっぱ恥ずかしいわ!

「へぇ……杉原って、そういうの疎そうに見えて独りよがりじゃないんだね。ちゃんと將梧のこと考えてやれるっていうか」

 うん。考えてくれてる。俺を気持ちよくさせようと、喜ばせようと……これからもいろいろ……。



 うー頭がエロに侵される……! 涼弥の妄想が伝染したか!?



「どした? 將梧。顔ゆるんでる」

 購買に行ってたかいが戻ってきて腰を下ろす。

「今、昨日の感想聞いてたとこ」

「思い出してたの?」

 結都の返事に、からかうように凱が聞く。

「気持ちいーこと」

「ハッキリ言うな。恥ずかしいだろ……俺、今ちょっと頭沸いてるから……」

「いーねー。そんだけよかったんなら、涼弥もやりがいあんじゃん?」

「將梧、いい反応しそうだし」

 凱。結都。
 もういいや。エロ話……食べ始めたばっかだけど。

「せっかくだから、いろいろ教えて」

 やさしげな瞳で俺を見てる二人に、指南を乞おう。ほんのりって思ってたけど……ガッツリいこう。

「何? なんか困ったことあった?」

 結都に促され。

「つき合ってる相手と、どのくらいのペースでやるもの?」

 まずはコレ。

「週1とか……だいたいの目安がわからない」

「相手っていうか、会う頻度によるかな。週末しか会わない人とは週1だったし、月2、3回しか会えない人とはその時だけ。凱は?」

「俺、つき合うってしたことねぇもん。必要な時とやりたい時にやるぜ」

「じゃあ、毎日会うなら? 結都は、斉木とは……もう?」

「先週ね。金土って連日」

 合わなきゃ別れる、みたいに言ってたけど……。

 俺の瞳にある問いを読んでか、結都が口角を上げた。

「好みのセックスだったよ。遊んでるだけあって物知りで。なのに、僕の言うこと聞いてくれるから……ハマりそう」

「よかったじゃん。うまくいってんだ」

「まぁね。凱が天文部についてきてくれた時には、こうなるとは想像もしなかったけど」

「あん時やられてたら、つき合ってはねぇな」

 そう言う凱も、微笑ましげ。

「当然」

 凱と結都が天文部の部室に連れてかれた時から、まだ一ヶ月も経ってないのか……いろいろあり過ぎて、遥か昔に感じる。

「で、斉木さんとは学校で毎日顔合わせるけど、放課後一緒にいるのは週2、3日くらい。だから、週末合わせて3、4日ってとこ」

「えーと……その3、4日って、毎回……やるのか?」

 それじゃ多いんじゃって思いつつ。

「これから当分の間は、そうだね。ほら、はじめの頃っていろいろ新鮮でしょ? ほかのことしてても、その気になっちゃうから」

「そう……いうもん?」

 それが普通? 俺と涼弥もそうなるのか?

「結都は淫乱なんだろ」

「でも、僕は恋人いない間はほとんどしないよ。遊びでやると面倒でしょ」

「そーね。相手は選ばねぇとな」

 凱が俺を見る。

「將梧はさー、涼弥がやりたがったら毎日やんの?」

「いや。無理。週3でも、きっと無理」



 毎回あんなのじゃ……バカになる! 頭も。身体も。



「そんな一度に何回もなの? 最初から飛ばしてるね」

「……それは……だって……止められないし……」

 結都の言葉に、しどろもどろになる俺。

「なぁ……何回……イッてる? 普通っていうか、お前は?」

 ここは恥ずかしさより情報だ。

「向こうがイクまでに2、3回? それが2、3回くらいだけど。將梧が言うと、なんかエロい」



 お前もだよ!?
 エロ関係に無関心ぽく見えてたもん! 透明っぽいっていうか……。
 親しくなった今はもう、そうは見えないけどもさ。



「慣れてないんだ。こういう話するのも……セックス自体も。だから、加減がわからなくて」

 結都があたたかい笑みを浮かべる。

「まずは、好きなだけしてみれば? 人によるだろうし」

「う……ん。あ。そうだ。凱」

 コレ、知りたいんだった。

「前に、出さねぇなら好きなだけイケるって言ったけどさ。ソレどうやってやるの?」

「んー……出すもんなくなってからか、根元しめとけば出せねぇよ」



 え。どっちもなしで、俺とやった時イッてたじゃん!?



 口に出来ない疑問が顔に出たのか。
 凱が俺をニヤリと見る。

「それ繰り返してドライ覚えると、出さねぇでイケるよーになんの」

「へー……なるほど……」

「出せなくしてイクのって、好きじゃない」

「よくないのか?」

 結都が首を横に振る。

「イク前はつらいけど、すごくいいよ。だから嫌。理性飛ぶから」

 へー……って。普通にイッてても理性飛ぶ感じだったのに……。

「でも、一度に何回かイクと、勝手にドライでイッちゃうことあって……そうなるともう、お手上げって感じ」

「お前がそーなるとこ、見てみたい」

「斉木さんと別れたら、その時ね」

「期待出来なそー」

「僕も、凱が乱れるとこ見たいよ」

「んじゃ、斉木貸して」

「どうしようかな」

 軽口をたたき合う二人に。

「あといっこだけ」

 たぶん、腰の痛みが引いてるだろう明日に備えて。
 受けの大先輩たちに、教わっておこう。

「上に乗ってやる時の……相手気持ちよくするやり方、教えて」



 凱と結都のレクチャーを受け、エロトークに終始した昼休みが過ぎた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

そばにいてほしい。

15
BL
僕の恋人には、幼馴染がいる。 そんな幼馴染が彼はよっぽど大切らしい。 ──だけど、今日だけは僕のそばにいて欲しかった。 幼馴染を優先する攻め×口に出せない受け 安心してください、ハピエンです。

こっそりバウムクーヘンエンド小説を投稿したら相手に見つかって押し倒されてた件

神崎 ルナ
BL
バウムクーヘンエンド――片想いの相手の結婚式に招待されて引き出物のバウムクーヘンを手に失恋に浸るという、所謂アンハッピーエンド。 僕の幼なじみは天然が入ったぽんやりしたタイプでずっと目が離せなかった。 だけどその笑顔を見ていると自然と僕も口角が上がり。 子供の頃に勢いに任せて『光くん、好きっ!!』と言ってしまったのは黒歴史だが、そのすぐ後に白詰草の指輪を持って来て『うん、およめさんになってね』と来たのは反則だろう。   ぽやぽやした光のことだから、きっとよく意味が分かってなかったに違いない。 指輪も、僕の左手の中指に収めていたし。 あれから10年近く。 ずっと仲が良い幼なじみの範疇に留まる僕たちの関係は決して崩してはならない。 だけど想いを隠すのは苦しくて――。 こっそりとある小説サイトに想いを吐露してそれで何とか未練を断ち切ろうと思った。 なのにどうして――。 『ねぇ、この小説って海斗が書いたんだよね?』 えっ!?どうしてバレたっ!?というより何故この僕が押し倒されてるんだっ!?(※注 サブ垢にて公開済みの『バウムクーヘンエンド』をご覧になるとより一層楽しめるかもしれません)

転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた… 転生したと気づいてそう思った。 今世は周りの人も優しく友達もできた。 それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。 前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。 前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。 しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。 俺はこの幸せをなくならせたくない。 そう思っていた…

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

【完結】子爵の息子は体を売る。ざまあ後の不幸を少なくするために覚悟を決めたら愛されました。

鏑木 うりこ
BL
 ある日突然、私は思い出した。この世界は姉ちゃんが愛読していたテンプレざまあ小説の世界だと。このまま行くと私の姉として存在している娘は公爵令嬢を断罪するも逆にざまあされる。私の大切な家族は全員悲惨で不幸な道を歩まされる。  そんなのは嫌だ。せめて仲の良い兄妹だけでも救いたい。私は素早く行動した。  溺愛気味R18でさらさらと進んで行きます。令嬢ざまぁ物ではありません。タイトルのせいでがっかりした方には申し訳なく思います。すみません……。タグを増やしておきました。  男性妊娠がある世界です。  文字数は2万字を切る少なさですが、お楽しみいただけると幸いに存じます。  追加編を少し加えたので、少し文字数が増えました。  ★本編完結済みです。 5/29 HOT入りありがとうございます! 5/30 HOT入り&BL1位本当にありがとうございます!嬉しくて踊りそうです! 5/31 HOT4位?!BL1位?!?!え?何ちょっとびっくりし過ぎて倒れるかも・:*+.\(( °ω° ))/.:+ビャー!  HOT1位になっておりま、おりま、おりまし、て……(混乱) 誠に!誠にありがとう!ございますーー!!ど、動悸がっ!! 6/1 HOT1位&人気16位に置いていただき、感謝感謝です!こんなに凄い順位をいただいて良いのでしょうか・:*+.\(( °ω° ))/.:+  最近沈んでいたので、ものすごく嬉しいです!(*‘ω‘ *)ありがとーありがとー!

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

【R18】孕まぬΩは皆の玩具【完結】

海林檎
BL
子宮はあるのに卵巣が存在しない。 発情期はあるのに妊娠ができない。 番を作ることさえ叶わない。 そんなΩとして生まれた少年の生活は 荒んだものでした。 親には疎まれ味方なんて居ない。 「子供できないとか発散にはちょうどいいじゃん」 少年達はそう言って玩具にしました。 誰も救えない 誰も救ってくれない いっそ消えてしまった方が楽だ。 旧校舎の屋上に行った時に出会ったのは 「噂の玩具君だろ?」 陽キャの三年生でした。

処理中です...