83 / 83
エピローグ
永遠の恋人たち
しおりを挟む
夢だったのかな…。
力の護りの発動から7日目。午前0時を回ったリシールの館の一室で、ラシャの力から解かれた希由香の時は、再び動き始めた。
私の目の前に彼がいて…私を見つめてた。私の知らない、彼の瞳…。でも、彼が見てたのは、本当に私…? だって、傷ついてた…救いを求めてた…そんな無防備な瞳を、彼は私に向けたことなんかない…。
希由香の意識は、まだ完全に戻ってはいない。けれども、その心は、すでに彼女自身を認識している。
彼女が彼女であるための、最も不可欠な思いとともに。
でも、夢でなら、彼の心が私に見えるのかもしれない…ううん、それこそありえないよ。どんなに願って目を閉じても、私の夢に彼が現れたことはないんだから…。だけど、それでいい。醒めて見る夢が眠りの中で叶ったら…きっと現実に帰れなくなっちゃう…。
眠りに落ちる瞬間、あるいは、眠りから醒めるその瞬間に、意識はどこを通過するものなのだろうか。夢でも現実でもないその場所を、先に目醒めた希由香の心が彷徨う。
でも、夢じゃないなら…あれは何だったの? ううん、その前に…私、いつの間に眠ったの? 確か…知らない人が訪ねて来て、無視するにはあまりにも必死な様子で…不思議な話を聞かされたっけ。それから、彼女は私から何かを聞きたがった。だけど、私には全然わけがわからなくて、気がついたら…気がついたら? 私…まだ、気がついてない。だから、やっぱり…彼を見たのは夢の中で、今もまだそこにいて、あの女の人が帰ってからシャワーを浴びてベッドに入ったのを、思い出せないでいるだけ…?
希由香は頬を撫でる風を感じた。裸足の爪先をくすぐる草の葉を感じた。
急速に感覚を取り戻した身体が、一定のリズムで揺れているのを感じていた。そして、徐々に霧の晴れて行く頭が、何か温かいものにもたれているのを感じる。
じゃない…これが夢のはずないよ。夢なら…どうして記憶よりもリアルなの?この…ひどく安心出来るぬくもりは、彼がいなきゃ感じない…でも、これが現実のはずもない。だって…。
「気がついたか?」
微かに身じろいだ希由香の耳が、彼の声を聞いた。一瞬、混乱する心が硬直する。
これは、私のつくる幻想かもしれない。だけど、もし、そうだとしても、彼に…会いたい…。
多大な期待に裏切られることを覚悟すると同時に、確かな彼の存在を感じ騒ぎ出す心に無自覚な自信を持ちながら、希由香はゆっくりと瞼を開く。
その目にまず始めに映ったのは、黒に近い濃紺の空だった。漂うように流れる雲の筋が数本、点在する星のいくつかに灰蒼色のヴェールを掛けている。
希由香は視線をずらし、声の主を探す。その目が、彼を見る。
幻じゃ…ない。
彼が足を止めた。
「浩司…」
希由香の声は静かだった。震えてもいなかった。驚きも衝撃もなく、かつてと同じ響きで、愛しい男がそこにいることを確認するように優しく呼びかける。そんな自分を、何故か不思議とは思わなかった。
希由香の頭の中では、数々の疑問が湧き起こっている。自らの叡智では解けない謎が、膨張し始めている。けれども、常にそこに在り続ける浩司への思いと、彼に会えたことへの純粋な喜びと感動のみが、今その心を占めている。
「浩司…」
「その声で呼ばれるのは、久しぶりだな」
浩司が希由香を見つめる。
「泣いてるおまえを見るのも…」
知らずにこぼしていた涙が耳を濡らし、希由香は自分が浩司に抱きかかえられていることに気づく。
「私…?」
「いつも、静かに泣いて…最後には笑った」
浩司の言葉に希由香が笑う。
「浩司…降ろしていいよ。私、大丈夫だから」
「…おまえのミュールは、車に置いてきちまった」
浩司がそっと希由香を立たせる。
「そんなのは平気…」
軽い目眩にふらつく身体を浩司に支えられながら、希由香は素足で草を踏み辺りを見まわした。
左手に見える黒い森の入口に停められた、白い車。手を伸ばせば届くところにある、朽ちかけた古い木の柵。その向こうに広がる、空と地の境界線を失った光と闇を描くカンバス。
そして、浩司がいる。4年前の夜と同じように。
「ここ…」
希由香は浩司を振り返る。
「どうして…」
「希由…おまえに話さなけりゃならないことが、山ほどある」
希由香が尋ねる前に、浩司が口を開く。
「おまえが今どうしてここにいるのか、何がどうなってるのかは…後で話す。おまえが知りたけりゃ、全てをな。だが、今は、大事なことだけ言わせてくれ」
希由香は、逸らされない浩司の瞳を見つめる。
目の前にいる男は夢でも幻でもない。それがわかっているのなら、そのほかのわからないことは後回しで構わない。今の希由香にとって優先するべきは、この現実がどこから来たものかではなく、浩司が今ここにいることそのものなのだから。
「ひとつだけ…聞かせて」
浩司は黙ってうなずいた。
「どうして、ここに私を連れて来たの? 今じゃなくて…最初の夜に」
希由香は、何故自分が今それを聞きたいのかわからずに聞いていた。ただ、聞かずにはいられなかった。浩司の言う大事なことより、この現実のその意味よりも、彼が自分と別れた理由よりも先に。
直感にそう命じられた。それが、一番近しい感覚だった。
「おまえは? あの時、どうして俺について来た?」
4年前を再現するかのように、浩司が問い返す。けれども、真直ぐに見つめ合う瞳はその距離を縮めず、希由香が答える。
「あなたを愛する気がしたから…それがどうしてかは、すぐにわかったよ。あなたを愛する私が、私を幸せにするんだって…出来るなら、あなたも幸せにしたいと思ったけど…」
「…過去形なのか?」
「だって…」
希由香の瞳はとまどいに揺れ、声が震える。
「浩司は困るでしょう? 私が、愛してるって言ったら…会いたかったなんて言って泣いたら…誰かがあなたを救ったんだってことくらい、会ってすぐにわかっ…」
浩司の腕が希由香を包み、抱き竦める。
「4年前おまえを連れて来たのは、ここで見る光はいつも、俺には遠過ぎて…いつか近くで見てみたいと思ってたからだ。おまえを誘ったのは、ただ…おまえの身体を抱きたかったからだがな」
希由香の首筋に、浩司の溜息がかかる。
「今おまえとここにいるのも、おまえを抱きたいからだ。おまえの…心をな」
希由香の耳元で、浩司の声が掠れる。
「俺を救ったのが、自分だとは思わないのか?」
「夢か…幻でなら…」
聞き取れないほどのつぶやきに答えるように、浩司は腕の力を強める。震えているのはその胸なのか自分なのか、希由香にはわからなかった。わかる必要もない。
「でも、幻でも何でもいい…会いたかったの。ずっと、いつも…こうして、抱き締めて欲しかった…」
「幻じゃない。俺はここにいる。もう…夢に俺を探さなくていい」
「浩…」
希由香が顔を上げる。
「そばにいて…消えない夢を見せてくれ。俺には、おまえの幸せが必要なんだ」
滲む視界から涙を閉め出すように、希由香は目を固く閉じて開ける。浩司の指がそのしずくを拭う。
「浩司が飽きるまで…いくらでも…」
途切れがちにそう言って微笑む希由香の瞳を見つめ、ほんの一瞬浮かんだ不安の陰りをまばたきで払拭し、浩司は彼女と同質の微笑みを返す。
「希由香…」
心に届く強い眼差し。心をさらける深い瞳。浩司のその瞳には、かつてと変わらぬ遠い星と街の灯が映っている。けれども、そこに、かつてその心を支配していた闇はない。
「おまえを、愛してる」
力の護りの発動から7日目。午前0時を回ったリシールの館の一室で、ラシャの力から解かれた希由香の時は、再び動き始めた。
私の目の前に彼がいて…私を見つめてた。私の知らない、彼の瞳…。でも、彼が見てたのは、本当に私…? だって、傷ついてた…救いを求めてた…そんな無防備な瞳を、彼は私に向けたことなんかない…。
希由香の意識は、まだ完全に戻ってはいない。けれども、その心は、すでに彼女自身を認識している。
彼女が彼女であるための、最も不可欠な思いとともに。
でも、夢でなら、彼の心が私に見えるのかもしれない…ううん、それこそありえないよ。どんなに願って目を閉じても、私の夢に彼が現れたことはないんだから…。だけど、それでいい。醒めて見る夢が眠りの中で叶ったら…きっと現実に帰れなくなっちゃう…。
眠りに落ちる瞬間、あるいは、眠りから醒めるその瞬間に、意識はどこを通過するものなのだろうか。夢でも現実でもないその場所を、先に目醒めた希由香の心が彷徨う。
でも、夢じゃないなら…あれは何だったの? ううん、その前に…私、いつの間に眠ったの? 確か…知らない人が訪ねて来て、無視するにはあまりにも必死な様子で…不思議な話を聞かされたっけ。それから、彼女は私から何かを聞きたがった。だけど、私には全然わけがわからなくて、気がついたら…気がついたら? 私…まだ、気がついてない。だから、やっぱり…彼を見たのは夢の中で、今もまだそこにいて、あの女の人が帰ってからシャワーを浴びてベッドに入ったのを、思い出せないでいるだけ…?
希由香は頬を撫でる風を感じた。裸足の爪先をくすぐる草の葉を感じた。
急速に感覚を取り戻した身体が、一定のリズムで揺れているのを感じていた。そして、徐々に霧の晴れて行く頭が、何か温かいものにもたれているのを感じる。
じゃない…これが夢のはずないよ。夢なら…どうして記憶よりもリアルなの?この…ひどく安心出来るぬくもりは、彼がいなきゃ感じない…でも、これが現実のはずもない。だって…。
「気がついたか?」
微かに身じろいだ希由香の耳が、彼の声を聞いた。一瞬、混乱する心が硬直する。
これは、私のつくる幻想かもしれない。だけど、もし、そうだとしても、彼に…会いたい…。
多大な期待に裏切られることを覚悟すると同時に、確かな彼の存在を感じ騒ぎ出す心に無自覚な自信を持ちながら、希由香はゆっくりと瞼を開く。
その目にまず始めに映ったのは、黒に近い濃紺の空だった。漂うように流れる雲の筋が数本、点在する星のいくつかに灰蒼色のヴェールを掛けている。
希由香は視線をずらし、声の主を探す。その目が、彼を見る。
幻じゃ…ない。
彼が足を止めた。
「浩司…」
希由香の声は静かだった。震えてもいなかった。驚きも衝撃もなく、かつてと同じ響きで、愛しい男がそこにいることを確認するように優しく呼びかける。そんな自分を、何故か不思議とは思わなかった。
希由香の頭の中では、数々の疑問が湧き起こっている。自らの叡智では解けない謎が、膨張し始めている。けれども、常にそこに在り続ける浩司への思いと、彼に会えたことへの純粋な喜びと感動のみが、今その心を占めている。
「浩司…」
「その声で呼ばれるのは、久しぶりだな」
浩司が希由香を見つめる。
「泣いてるおまえを見るのも…」
知らずにこぼしていた涙が耳を濡らし、希由香は自分が浩司に抱きかかえられていることに気づく。
「私…?」
「いつも、静かに泣いて…最後には笑った」
浩司の言葉に希由香が笑う。
「浩司…降ろしていいよ。私、大丈夫だから」
「…おまえのミュールは、車に置いてきちまった」
浩司がそっと希由香を立たせる。
「そんなのは平気…」
軽い目眩にふらつく身体を浩司に支えられながら、希由香は素足で草を踏み辺りを見まわした。
左手に見える黒い森の入口に停められた、白い車。手を伸ばせば届くところにある、朽ちかけた古い木の柵。その向こうに広がる、空と地の境界線を失った光と闇を描くカンバス。
そして、浩司がいる。4年前の夜と同じように。
「ここ…」
希由香は浩司を振り返る。
「どうして…」
「希由…おまえに話さなけりゃならないことが、山ほどある」
希由香が尋ねる前に、浩司が口を開く。
「おまえが今どうしてここにいるのか、何がどうなってるのかは…後で話す。おまえが知りたけりゃ、全てをな。だが、今は、大事なことだけ言わせてくれ」
希由香は、逸らされない浩司の瞳を見つめる。
目の前にいる男は夢でも幻でもない。それがわかっているのなら、そのほかのわからないことは後回しで構わない。今の希由香にとって優先するべきは、この現実がどこから来たものかではなく、浩司が今ここにいることそのものなのだから。
「ひとつだけ…聞かせて」
浩司は黙ってうなずいた。
「どうして、ここに私を連れて来たの? 今じゃなくて…最初の夜に」
希由香は、何故自分が今それを聞きたいのかわからずに聞いていた。ただ、聞かずにはいられなかった。浩司の言う大事なことより、この現実のその意味よりも、彼が自分と別れた理由よりも先に。
直感にそう命じられた。それが、一番近しい感覚だった。
「おまえは? あの時、どうして俺について来た?」
4年前を再現するかのように、浩司が問い返す。けれども、真直ぐに見つめ合う瞳はその距離を縮めず、希由香が答える。
「あなたを愛する気がしたから…それがどうしてかは、すぐにわかったよ。あなたを愛する私が、私を幸せにするんだって…出来るなら、あなたも幸せにしたいと思ったけど…」
「…過去形なのか?」
「だって…」
希由香の瞳はとまどいに揺れ、声が震える。
「浩司は困るでしょう? 私が、愛してるって言ったら…会いたかったなんて言って泣いたら…誰かがあなたを救ったんだってことくらい、会ってすぐにわかっ…」
浩司の腕が希由香を包み、抱き竦める。
「4年前おまえを連れて来たのは、ここで見る光はいつも、俺には遠過ぎて…いつか近くで見てみたいと思ってたからだ。おまえを誘ったのは、ただ…おまえの身体を抱きたかったからだがな」
希由香の首筋に、浩司の溜息がかかる。
「今おまえとここにいるのも、おまえを抱きたいからだ。おまえの…心をな」
希由香の耳元で、浩司の声が掠れる。
「俺を救ったのが、自分だとは思わないのか?」
「夢か…幻でなら…」
聞き取れないほどのつぶやきに答えるように、浩司は腕の力を強める。震えているのはその胸なのか自分なのか、希由香にはわからなかった。わかる必要もない。
「でも、幻でも何でもいい…会いたかったの。ずっと、いつも…こうして、抱き締めて欲しかった…」
「幻じゃない。俺はここにいる。もう…夢に俺を探さなくていい」
「浩…」
希由香が顔を上げる。
「そばにいて…消えない夢を見せてくれ。俺には、おまえの幸せが必要なんだ」
滲む視界から涙を閉め出すように、希由香は目を固く閉じて開ける。浩司の指がそのしずくを拭う。
「浩司が飽きるまで…いくらでも…」
途切れがちにそう言って微笑む希由香の瞳を見つめ、ほんの一瞬浮かんだ不安の陰りをまばたきで払拭し、浩司は彼女と同質の微笑みを返す。
「希由香…」
心に届く強い眼差し。心をさらける深い瞳。浩司のその瞳には、かつてと変わらぬ遠い星と街の灯が映っている。けれども、そこに、かつてその心を支配していた闇はない。
「おまえを、愛してる」
0
お気に入りに追加
18
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
崩壊の予言1と2の内容が同じですよ〜
Reonれおんさん、こんばんは。
ご指摘、本当にありがとうございます!
崩壊の予言1がなく、崩壊の予言2が二つになっていたのを修正しました。
助かりました。
これからもお楽しみいただけると嬉しいです。
ありがとうございました。