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082 止まらねぇ!:S

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 いてぇ……!



「ッ! い……てッ、はぁッ……はぁッ、は……」

「飛び過ぎ。さすがに限界?」

「……ッれ、いじ……おま、え……」

 血に濡れて赤い唇で、玲史が笑う。

「ごめんね。ちょっと切れちゃった」

 ああ……似合うな。俺の血。

「いろんなのでビチャビチャ……」

 玲史が俺の口元に垂れるヨダレを舐める。目尻の涙を舐める。首……鎖骨の上らへん、痛みが残ってるところを舐める。

「ッあ……玲史……ッ」

 血が出てるだろうソコを這う舌の感触に、ゾクッとくる。

「再開。次、僕がイッたら……終わりにしよ」

 そう言って。止めてた腰を振り始める玲史。

「ッう、あッ! くッ……!」

 衝撃に息が詰まる。
 快感に全身が震える。



 ナカは、初っ端からマックスで快感を得てる。
 アナルの奥に受ける快感は、どんどん強くなる。
 腹の上で揺れるちんぽは、何かを漏らしてる。
 脇腹を撫でられるだけで、気持ちいい。
 乳首をひねられても、気持ちいい。
 首に咬みつかれても、気持ちいい。

 イク!

 思った瞬間にもう、ナカでイッてる。
 もう、常にイク直前状態になっちまってる。



「アッ……ッれッいッ……うッくうッ……!」

「アへ顔、ほんとかわいいッ」

「ひ、イッッアアッ……やッはッア……ッ!」

 ちんぽのすぐ上押されて、中から突き上げられて……同じところ、デタラメに感じるイイトコ……。
 波の中、波がクる。波がぶつかる。ぶつかって崩れる間もねぇ、次がクる……!

「ッイ、アッヒアアッ……れいッじッアアアッッッ!」

 イッて。
 叫んで。

 ブラックアウト……。



「つッ……う、あアア……ッ!」

 首の痛みで意識、取り戻し。
 ガクガクの下半身に爆ぜる快感で叫ぶ。

「イキっぱだね。気持ちい? もっとほしい?」

 言葉なんぞ出せねぇ……口から出るのは、喘ぎと叫び。

「ん、オッケー」

 ナカを擦る肉が奥を突いてイイトコを抉る。
 プラス。
 ちんぽを扱かれ根元を押され。

「アアアッれッいッ……クッ……!!!」

 射精感とナカでイクのが、ごちゃまぜで……目の奥にハレーション。



 乳首の痛みで意識と快感が戻る。

「ッヒア、あアアアッ……ん、アッ……イッッッ……!」

「かわいいよ、紫道しのみち

 顔は見えねぇ。
 しがみつきたくても、もう……脚に力、入んねぇ。
 ずっとイッて……何されても気持ちよくて、よ過ぎて……ほか、どうでもいい……だろ。
 あ……手……玲史の手、握ってるの……か。

「グチャグチャでドロドロで、みだらでエロくて……わかる? 僕のこと」

「ん、ア……れい、じッ! れッい、アアアッ……ッ!」

「いいこ。ごほうびね」

 また、いっぺんに波がくる。渦になる。飲み込まれる……。



 快楽、に……溺れちまう……!



 覚めた瞬間、痛み……どこかもう、わからねぇ。
 と、快感。
 すぐ爆ぜる……弾ける。溜まるヒマねぇ。こらえる隙ねぇ。
 頭、とけちまってる。
 身体、とけても……快感だけ、全部拾って全部喰らって……。



 止まらねぇ!



「ア、れ……いッじ……れいッ、じッ……れいじッ……ッ!」

 呼べる。まだ……。

「ッ、る……アッ! れ、ひッ……れッ、アアア……ッ!」



 また、飛んで……。
 く……ッ! ア……ッ!
 また、イク! イッてる!
 いてぇ……気持ちい……。
 ちんぽ……玲史の……ナカ、かきま、して……。
 お前の、欲……ぜんぶ、俺……に……。
 ん……ッ! ア……ッ!
 また、クる! ビクビク、だ……。

 声……出てる、か……?
 泣いてんじゃねぇ……みっともね……。
 叫んでろ……!



「紫道」

 唇に、熱い舌。
 短いキス。
 意地で合わせた焦点に、玲史。

 お前も、ちゃんと気持ちいい、か……?

「きみはトクベツ。こんなハイなの、はじめて……」

 俺も……だ……。

「ッア……か、はッ……れひ……んッ……れ、ひじッ……れッ……」

「うん、もう……出す、よッ」

「うッッッヒアアッくう、アアアッ……ッッッ!!!」

 視界が、黒に……なる。
 俺に……俺とのセックスに満足してる玲史の顔、もっとよく……見たかっ……た。
 



 目を開けた。

 暗い天井。
 玲史の寝室。
 ベッドの上。

 思い出した。

 玲史とやった。
 何度も。
 何回もイッて。
 何回も意識飛ばして。
 抱かれ続けた。
 おかしくなるほど……いや。おかしく、なった。

 あんなに……イケるのか。
 あんなに……気持ちいいのか。
 あんなに……よがるのか、俺は。
 あんなに……タフなのか、玲史は!

 玲史は……。

 ちょっと動かした身体は、バキバキに強張ってる。
 脚のつけ根に違和感。
 腰が痛い。
 アナルも。

 右向くと、壁だ。
 左向くと、いた。こっちに背中向けた玲史。毛布にくるまってる。
 俺にも、毛布がかかってる。裸でも寒くなかったが、あったかい。薄手の毛布が心地いい。
 そういや。
 シーツ、変えたのか?
 俺の出した……いろんなもんで、ビショビショだったはず。
 俺の身体も……サラサラだ。
 後始末、玲史がしてくれたのか。

 最後。
 玲史も、ちゃんとイッてた……よな。

 メチャクチャよかったが、身体……ハンパなくダルい。カラカラだ。
 喉乾いた。あれだけ水分出したんだから、当然か。
 勝手にキッチン漁るのも……かといって。玲史を起こすのも気が引ける。
 さすがに玲史だって疲れてるだろ、あの運動量じゃ。ずっと腰振って、痛めてないか……いや。
 玲史は慣れてるだろうから、平気か。
 てか。
 いつもあんなふうなのか? 
 体力勝負、つーか。
 気力勝負、つーか。



 アレ……普通のセックスか!?
 


 普通っての、知らねぇが……玲史のは、なんか……普通より濃い、つーか。
 まぁ、いい。
 余るほど満足した。
 玲史も満足してるなら、それでいい。

 とりあえず、水を飲もう。水道のでかまわない。
 玲史を起こさないように、静かに身体を起こす。

 うッ……!

 出そうになった呻きをこらえて、静かに息を吐いた。
 脚のつけ根から腰に、ビキッと痛みが奔る……が、何とか歩けるはず。こんなんで足腰やられるほどヤワじゃない……はず。
 玲史とつき合ってくなら、このくらい平気にならなけりゃマズいだろ。
 まぁ、今日は普段使わない筋肉使ったし。長時間、普段じゃしない格好でいたし……。



 あり得ねぇくらい、イキまくったしな。



 身体がガタガタになるのは仕方ない。
 要は、慣れだ……つっても。
 毎回あれだけやられるのは、身がもちそうにない。さすがに。
 玲史だって、今日は特別に気合が入ってたからだと思いたい。

 セミダブルサイズのベッドの上。俺から少し離れた端のほうに眠る玲史を見る。毛布を纏った身体は動かない。眠ってるんだから、動かなくていいんだが……まったく動かないと不安になるっつーか。
 疲れて爆睡してるとしても。

 静か過ぎるだろ。

 ちょっとは身じろぎしたり、してくれ。
 生きてるサイン?
 ちゃんとあるか?

 なんて。
 何だ、この発想は。
 ただ眠ってるだけなのに、不要な心配してる自分が滑稽だ。センチにでもなってるのか?
 自覚したからな。



 玲史が好きだ。



 好きな相手の身を案じるのは当然だろ?
 今、不安がる要素がないってだけで。

 自分を笑うも。
 一応。念の為。確かめてから、水飲みに行こう。
 玲史がちゃんと息してるか……。

 玲史の、首の後ろに手をついた。そっとだ。起こしちまわないように。
 キシっと。ベッドは少し軋んだが、大した音も揺れもない。
 なのに。

 あっ……と、声を上げる間もなく。
 飛び起きた玲史に右手を捻り上げられ……たと思ったら、背後から顎を掴まれ。喉元に、冷たい……金属の棒みたいなものを押しあてられた。



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