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079 何のスイッチが入ったのか:S

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 脚のつけ根が強張ってうまく歩けなかったが、腰の痛みはひどくなく。玲史に支えられて風呂場に来て、身体を流し。
 ここで、また……やってる。

 イッても出しても。イッてるのがわからない射精しても。
 まだほしい。
 まだ足りない。
 まだイキたい。

 だから、やるのにノーはない……が、トイレに行きたかった。
 けど、ここでやろうかと言われ。待てないと言われ。
 玲史の見てる前で小便するのは、抵抗があった……が、見たいと言われ。
 けど、出来ず。
 ほかのもん出したい欲が勝って、そのまま……。

 後ろから挿れられ、突かれ。こらえられない自分の声が響く中で、イッて。ドライでもイッて……。



 漏らした。



 潮ってのと違う。小便だ。
 ナカでイッて。イッてんのに続く刺激で、膀胱がバカになったのか。漏れたら、出るの止められなかった。
 この歳で、人前で。普通に恥ずかしいだろ。みっともねぇだろ。
 なのに。 
 身体が熱くなった。恥、だけじゃねぇ。



 何でか、ゾクゾクしちまった!



 いや。理由のひとつはわかってる。
 玲史だ。
 小便漏らした俺を鏡越しに見つめる瞳が、ものすごくギラギラ……らんらんっつーか。
 コイツが興奮するなら。
 もう、いいか。
 恥でも何でもかいてやる。

 けど。
 それまでもけっこう激しく俺を突いてた玲史が、さらにアガッた。
 ナカで、精液をぶちまけて……止まらず。抜かず。アナルを埋めるちんぽは、萎える気配がない。
 快感がまた、キャパいっぱいに近づいてく。

「くッ、れい……じ、いっかい……やめろッあ……うッ……!」

「何で? やめない、よッ」

「ッあ、そッこ……う、あ……ッ」

 突き上げるちんぽに前立腺を擦られ、脚が震える。
 浴槽のフチに置いた手はもう、肘ついて腕で支えてる。立ってるのも、限界近い。

「ん……やっぱり、立ちバックじゃ奥届かないな」

 言って、玲史がズルリとちんぽを引き抜いた。

「うあッ、は……ッ」

「膝ついて、四つん這いになって」

 何のスイッチが入ったのか。

 振り向いて目を合わせた玲史の顔が、かつてないくらい獣っぽい。こういう時の、かわいらしい顔に似合わずオス味の強い瞳が……ヤバい。

 このまま続けるとマズい気がする。
 イキまくって足腰やられて動けなくなりゃ、玲史に俺は運べないだろう。
 イキまくって意識飛んじまっても同じ。
 理性残してられるのも、いつまでか……。

「ごめんね。きみがやめろって言っても、やめない。気が済むまで抱かせて」

 笑みを浮かべる玲史は、ひどく煽情的だ。
 何されてもいい……って、思っちまう。

「わかった、好きなだけやれ……部屋に戻ってからな」

 膝をつく代わりに、気合でまっすぐ立った。
 アナルからこぼれた精液が腿を伝う。

「ッ……流すのだけ、待ってくれ」

 せっかくシャワーしに来たんだ。
 そう思える程度には、まだ冷静だ。

「いいよ。僕がやる」

 玲史も、少しは……いや。あんま落ち着いちゃいないか。
 口元は笑ってるが、目が危ない。 

「お尻こっちに高くして」

 濡れた床に四つん這いにさせられ。言う通り上げた尻に、湯をかけられ。
 広げられたアナルにも湯が入ってきた。

「ッあ……そ、中……」

 強制的に、腹が温く満ちてく。

「玲史、もう……」

 やめろって口にする前に、湯が逸れた。
 尻を下げさせられ。腹を押される。

「はい。ジャーって出して」

「う……」

 出して、って。
 穴、緩んでんだ。出したくなくても出ちまうだろ……くッ、恥ず……。
 出てるのは精液と混じった湯。わかっていても、羞恥を感じる。顔がほてる。

「上手」

「ッあ……」

「もう1回」

 また湯を注がれ、出す。

「オッケー。次の時は、ココの準備もしてあげるね」

「……それは嫌だ」

 その排泄見られるのは、マジでナシ……だろ!

 嬉々としたオファーを断り。下を向いたまま、息をついた。

 全身を軽く流し、シャワー終了。 
 股に違和感はあるが、なんとか歩ける。
 大丈夫。
 玲史と自分の欲に、なんとかついていけそうだ。



 浴室を出て身体を雑に拭いて、部屋に向かう。来た時みたいに俺を支える玲史が早足で。半ば引きずられるように歩く。
 ずっと黙ってるのは、余裕がないのか。何か考えてるのか。
 今さらタオルなんぞは巻いてないから、玲史のちんぽがバキバキなのは見えてる。
 俺のもだ。

 今日の俺は欲深い。
 イッても出しても中断しても萎えても、すぐに勃つ。出すもんなんか残ってないだろうに。身体もだいぶ消耗してるってのに。

紫道しのみち

 寝室に着き。俺をベッドに押しやった玲史が、すぐにのしかかってきて。

「先に言っとく。僕、セーブ出来そうにないから。無理させると思う。痛くするし、傷つけちゃうかも」

 熱っぽい瞳で、不穏なセリフを吐く。

「でも。さっきも言ったけど、やめる気はないんだ。逃げたかったら今……僕を殴り倒して出てって」

「……俺も言った。好きなだけやれ」

 玲史の首に手を回して引き寄せる。

「逃げないから、道具は使うな」

 返事はせず、玲史が唇を重ねてきた。

「ん……ッは……」

 絡める舌から、すでに熱い身体中に熱が回る。さらに、熱く。欲が広がる。

「最初は前から挿れるね」

 アナルにローションを塗り込めて、玲史が指を差し込んだ。確かめるように腸壁を引っ掻く。膨らんだ前立腺をつつく。

「つッ……あッ……」

 すぐに。
 抜かれた指より太く長い肉が入ってきた。
 けど。
 ここまでの性急さとは逆に、ジワジワとゆっくりナカを進む。

「ッはぁ、玲史……」

 無意識に、激しく犯されるのを期待してたのか。
 弱い刺激がもどかしい。

 もっとガンガン突いてくれ。
 もっと擦って抉って掻き混ぜてくれ。



 どうにかなっちまうくらい、よくしてくれ!
 無理させるっつったろ?



「まずは準備だよ」

「いッ……ッそれ、く……うッ……!」

 乳首を両方、つねられた。
 容赦ない強さで。潰れる、痛い……!

「痛いのも感じるようにしてあげる。痛いけど気持ちいい、ツラいのがイイ……って感じ?」

「やめッ……」

 自由な手で、玲史の腕を掴む。離そうとするも、ビクともしない。
 いろんなとこに意識がいってて、力が出せない。縛られてなくても、抱かれてる状態じゃ……玲史を止められない。

「ッん、あ……ッあ、くッ……!」

 アナルの中で快感が奔る。イイトコロをガリガリ擦られて、腰が浮く。

「痛いのとイイの、一緒だともっとイイでしょ?」

 捻り上げた乳首を離し、ナカで動くのもやめる玲史。

「さっきは中途半端に焦らしたけど、今度はちゃんと……イカせない」

「なん、で……」

 何度か聞いた、な。

 エロくねだらせたい。
 イキ過ぎて意識飛ばねぇように……か?
 つうか……。



 何で、そんな冷静になってんだ!?



 挿れるまで、あんな急いでたのに……一周回って平常心か?
 いや、これ……。

「ほしくてたまんなくしてから、あげる。イキたくてイキたくてツラがるの、見たい。そのあと、いっぱいイカせるの」

 邪気アリの瞳して、微笑む玲史。

「それまで、飛んじゃダメ。今の僕ねぇ、ヌカロクも余裕な気分……まだまだ、だよ」



 ヤバいやつ、だろ……!?



 ヌカロクって何だ?
 何でもいい、か。
 もう、逃げられねぇ……いや。
 逃げる気はねぇ。
 むしろ、アガる。

 無意識じゃなく期待してる俺も、大概だ……な。



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