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073 お前だから、だ:S

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 身体、が……おかしくなった。



 セックスは初めてじゃない。
 2年以上ブランクはあるが、男に突っ込まれる感触を覚えてる。強制的に与えられる快感も。
 そりゃ、そいつには不本意にやられて。
 脅しに屈して身体は開いても、反応しても。浅ましく、性欲を満たすソレを覚えちまっても。

 心じゃ嫌悪してた。

 そいつを。そいつとのセックスを。その屈辱を。
 望んで抱かれてるんじゃねぇ、ムリヤリやられてる……そう思ってた。そう思っても、身体は裏切る。喜んで、射精する。

 心と身体がチグハグだった。
 嫌がる心と求める身体……それでも。嫌でも、気持ちよかった。情けねぇ。

 そして、今。
 たぶん、恋愛的な意味で好きな玲史とやってて。
 やりたくてやってて。
 日中からずっと焦れてて。
 欲情してて。
 コイツがほしくて。
 コレがほしくて。

 やっと得た。

 心と身体両方でほしがって。
 だから、だとしても……。



 こんな無尽蔵な快感、どうすりゃいいんだ……!?



 身体が、おかしくなっちまってる。
 1回普通にイッて出して、水みたいなもん出して。そっからは出せねぇで、ちんぽはバッキバキのまま……なのに。
 イッてる。
 何度も。
 ちゃんとイケてねぇのに、ちゃんとイクよりガツンとイッて。イキ続けて……。



 止まらねぇ……!



 出さねぇでイク、ドライっての……快感が終わんねぇで、すぐ次が来て……どんどん、イイのが強まってくみたいで……。
 どっか、感覚のネジ……飛んだか。

 息がちゃんと吸えねぇ。
 声が抑えらんねぇ。
 震えが収まんねぇ。
 腰がガクつく。
 ナカがドクドクする。ビクビクする。止まらねぇ。

 身体だけじゃねぇ、頭……。


 気持ち、よ過ぎてどうにかなっちまう……!



「あ、アア……れ、いじ……もッう……ふ、り……あッたら、ろッお……か……ッ!」

 恥ずかしいのもなんもかんもどっかいっちまって、喘ぐ合間に。イク合間に。玲史を呼ぶ。頼む。願う。

 もう無理だ。頭おかしくなる。これ以上は、マジで頭……ぶっ飛ぶ……。

「イキまくって、だいぶとろけたかな。いいよ。すごく、いい……」

「ッ……! ひ、アッ……そッ、くッんッ! ア、やッ……アアッ!」

 また、奥……そこ、強烈に……響く、気持ちいいのが……ナカも、外も……ク、る……!

「かわいいよ、紫道しのみち……白目剥いて泣いてイッて」

「アッイッ、ッ……! うあッツ! アッあアア……!!」

 ググッと押し込まれたちんぽに奥を抉られ、新たな快感が爆ぜる。
 上乗せに上乗せされてく快感になす術なく、制御不能だ。つねられたみたいな乳首の痛みも、プラスの刺激になっちまってる。

「ッあ、んッはぁッはぁッ……ん、はッあ……」

 ガツンとイッても、ずっとイッてる感覚で……揺れてる。ガクガク。目も、回る。頭はまだ辛うじて……俺だ。
 玲史……笑ってる、のか……?

「アへ顔、かわいい……もっとほしがって」

 俺が、かわいいわけあるか。
 こんな……口も閉じれねぇで、涙とよだれ垂らして。みっともない、だろ。

 かわいいのは、お前だ。

 玲史は……もともとかわいい顔してる、が……今はさらに、だ。
 ギラギラした瞳で少し眉を寄せて。快感に、うっとり耐えてるふうで……俺を見てる。
 俺を抱いてる。
 俺に突っ込んで。俺のナカ、ちんぽで擦って突いて。気持ち、いいのか。
 俺で、いいのか。



 お前を満足、させられるのか……?



 それが不安、だった……から。
 お前を満足させられてるのか……よかった……。
 満足してほしい。してるなら、いい。

「れい、じ……」

「まだ、僕を呼べるの? 僕がわかる?」

 何……言ってんだ。当然……。

「こんなグズグズにとけちゃって……もう、誰のちんぽでもイケるんじゃない?」

 やさしげな顔して……そりゃ、あんまりだろ……。

「あ……ッ、れ……ひ、ん……いッ……」

 声が、言葉が思うように出せず。視界をぼやけさせる涙を瞬きでどかし、玲史を見つめる。
 俺を見下ろす玲史の瞳が、欲を持ってる限り。俺をほしがってる限り。ほしいもんがあるなら、差し出してやる。



 お前だから、だ。



「ッん、あッ……うッく、ああッ……!」

 また、イキそう……だ。
 バカみたいに気持ちイイのがク、る……。

「アッも、うッイッ……ッ!?」

 震える下半身の軸にクルはずの快感のバクハツが、来ねぇ。刺激が減る。

 玲史が腰振るの、やめたのか!?

 ドライでイクのは、よ過ぎてつらい。身体がおかしくて、どんな凶暴な快感でも喜んでもらっちまう……けど。
 これでイケねぇのはもっと、つらい……!

「何がほしい? ちんぽ?」

「ッ……あ……ふ、あッ……」

 尋ねる玲史に、答えたいが……口が回らねえ。

「イキたい? ちんぽでグチュグチュ、掻き回してほしいでしょ? 奥まで突いてほしいよね?」

 んないっぱい聞かれても、答えらんねぇ……口、きけねぇ……。

「ちんぽほしいって、がんばれば言える?」

 言えねぇ……つ、か。
 イキたい。
 グチャグチャにナカ、突いてほしい。
 けど、よ。



 ほしいのは、お前だから……な。



「う……あ……れい、じ……」

 必死に、呼ぶ。



 お前の名前……忘れるわけ、ないだろ。
 イキまくって身体がおかしくなっても。
 頭がぶっ飛んで、理性なくしても。

 口がちゃんと動かせるなら、そっから出るのは……お前の名前だ。



「おまえ……がッ……ほしいッ……ッん、アッ!」

 力、入れたせいでか……気持ちいい以外に感覚がないアナルを、自分で玲史に押しつけたのか。止まって渦巻いてる快感がせり上がった。
 涙で、玲史が滲む。

「紫道……ヤバ、もう無理。ほしい」

「ひアッ! くッ……ッ!」

 いきなり、ガツンと衝撃がきた。
 奥に。中に。入口に。全部に。バクハツする。

「あアアッイクッ! アアッ……ッ……ンッアアッ……!」

 イッて、奔る快感が脳ミソまで届く。

「かわい……たまんないな、もう……ッ」

「あッひッや、アッ……ひあッそッ……!!」

 中心、ちんぽがビリビリ……触んな! そこ……! 破裂しちまう……!

「もう一度、僕をほしがってよ。早いけど、出させてあげる」

 ずっと、ほしがってる。
 何回イッたかわかんねぇ。
 これ以上は無理ってなっても、ほしがってる。

「ッア、んッれいッじ、れッ……いじッ! れ……ひッいッ……ツ!」

 一瞬、完全に視界が飛んだ。
 息も、止まった。
 頭ん中、黄色い炎点滅して……一気にバクハツだ。
 ちんぽが。根元が。バクハツして。ナカも外も。バカみてぇな快感で気が狂う……!

「ヒツアアアッ……ンッアッ……ッッッ!!!」

 溜まりに溜まったのが飛び出す。出て、出て……ナカからもガンガン押されて……もう、何出してんのか……わかんねぇ。
 気持ちよ過ぎて苦しくて気持ちよくて……。

「僕もイクから。きみのナカ、ザーメンで埋めてあげる」

 玲史の声。

「イキ狂っていいよ。僕がいるからね」

 直腸、ゴリゴリ擦られる。
 奥にちんぽがザクザク刺さる。
 乳首、痛い。痛い。気持ちいい。
 アナルが気持ちいい。
 ナカが気持ちいい。気持ちいい。

 イッた。
 イッてる。
 クる。
 またクる。

 気持ちいいしかねぇ!

 喘いでる。
 叫んでる。



 イキ狂う……!



「んッ、イクよ……紫道、グチャグチャで最高……イイ、あッイクッ……ッ!」

 あつ、い……!
 熱い……ナカ……気持ち、イイ……イクッ!!!

 止まらねぇ痙攣と快感。
 やっとで息してる口に、熱い唇がくっつく感触。



 玲史……玲史……れい、じ……。



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