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072 安心して、快楽に溺れて:R

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 ずっとほしかった男に、ようやく突っ込めて。イカせてイッて。少しは落ち着くはずの欲情が、ちっとも目減りしない……何故。
 こんなに待ったの、初だから?
 こんなに好みの外見の男、レアだから?
 あとは……。



 紫道しのみちだから?


 こんなにほしいと思ったの、初めてだし。
 とにかく。
 ゴムつけてやると、いつもはもっともつんだけど……気持ちよくて。ガマンするのやめちゃった。
 次は、ちょっとセーブして攻めなきゃね。
 感度良好な紫道の身体。開発するの、楽しみ過ぎるもん。
 潮吹きもドライも、無理とか言っててすぐ出来たし。性欲も精力も十分ありそうだし。

 ペニス抜いてゴム剥いで、すかさず挿れて。

「ここからが本番。いっぱいイカせてあげるから、もっと……乱れてよ」

 紫道の耳元で囁きながら、前立腺のしこりを突く。

 ココ。基本みんなすごく感じるとこなんだけど、たまーに反応鈍い男もいるんだよね。僕のペニスとうまく位置が合わないっていうか。
 でも。

「ッう、あッれいっじ……まてッそこ、やめろッもッ……ん、アア……ッ!」

 紫道はバッチリ。喘ぎ声が耳に心地いい。
 でも。

「待たないし、やめないから。諦めて溺れて」

 まだ、理性保ってるじゃん?

 わけわかんなくなって、快感だけ追って。みっともなく僕だけをほしがるのが見たい。
 きっと、かわいい……ゾクゾクする。
 もちろん、今も十分かわいいけどさ。

「ッあ、れいじッ……またッな、んか……クッ……! いや、だ……ッ」

 快感に潤んだ瞳で、紫道が訴える。

「もっう……むりッだ、ろッ……!」

 立て続けにナカで2回イッて、収まらないうちに挿れて攻めて。敏感になってるから、ちょっとの刺激もよく効くモード……いい感じ。

「大丈夫だってば。ほら」

 腰を入れて奥を突いた。
 途中までしか挿れてなかったペニスを、一気に。

「ッ! ひ、あアア……ッ!」

 顎を上に向け、紫道が手枷を鳴らす。



 処女じゃないっていっても、2年のブランクがあるし。自分でいじってもいなかったみたいだから。切れないように、アナルはしっかり慣らした。
 内側から前立腺を刺激して快感を得るのも、身体に思い出させた。
 でも。
 直腸の奥を突かれるのは、久々だと苦しいかも。内臓だし。太さはそこそこの僕のペニスは、攻めるのに都合よくちょっと長めだし。

 結腸のとこガンガン突くと、たいていの男はとけちゃうの。ナカ全体に響く刺激って、一度快感になったら抗えないやつだから。


 
「息して。大丈夫。気持ちいいことしかしない。ね……イイでしょ?」

 ゆっくり。半分引き抜いたペニスで腸壁を擦り、奥を穿つ。繰り返し。

「あ……くッ……れい、じ……」

 ガチャガチャいう、手枷のチェーン……この音、好き。拘束から逃れたがってる音。いい音響効果。

「外してほしい?」

「う……ッ」

 コクコクと頷く紫道に屈み込んで、縛りつけられた手を握る。

「まだダメ」

 ごめんね。
 自由にしても逃げないだろうし、僕に害はないけど。

「こうしてるほうが、興奮するの。だから、このまま犯すよ」

 微かに眉を寄せる紫道の唇を舐める。

「手が動かせないのなんて、どうでもよくなるから」

 浅くて荒い息をする口に、舌を突っ込む。上顎を舐る。熱い舌と唾液を吸う。キスしながら、紫道の乳首をいじる。唇を離し、もう片方の乳首を甘く喰む。

「ッア、ああアッ……やッ……れい……ッ」

 アナルだけで十分なところに、プラスの刺激。プラスの快感。そうすると、意識が分散して快感は乗算されて……脳が痺れてく。
 痺れさせて、溶かしてく。紫道を、トロトロに。ドロドロに。
 大丈夫。安心して。



 理性は僕が預かっておくから。



 上体を起こし、まだキツめのアナルを抉る。
 熱い肉の中。ペニスの先をキュって包む奥の角。裏筋を擦る括約筋。カリにあたる前立腺の膨らみ。

 あー気持ちいい。

 やわらかくて吸いついてくるナカ、グチャグチャに掻き回すの。
 弱いとこ突いて、啼かせて。
 脆いとこ突いて、泣かせて。
 イイとこ突いて、喘がせる。
 普段は屈強でたくましい男がグズグズになって、ちんぽを乞うのって……すごく満たされる。身も心も。



 男抱くのって、ほんとイイ!



「んッ……あック、るッ!」

 紫道が震える。

「うん。気持ちいいね」

 ストロークを大きくして、追い上げる。

「ッあ、アッもうイクッあ、いッつッ! アッアア……ッ!」

 イクのに合わせて、紫道の乳首を強く捻った。痛みを感じるように。痛みと快感を混ぜて、痛みでも感じるようにしたいから。

「はっあ……れいじ、あ……っはッあ、んッ……くッ」

 涙目で吐息まじりで僕を呼ぶ紫道が、快感。
 ナカの痙攣も、物理的に快感。
 でも、まだまだイカない。まだ余裕。
 だから、休憩はナシ。

「もっとほしい? オッケー」

 腰を振る。
 グリグリ。ガツガツ。ナカ擦って奥突いて、ビクビクするアナルを味わう。

「ッ、ア……ッン、んッ! れ、いじッや……め、くッ……!」

「またイキそう? いいよ」

 ガンガン突き上げる。乳首も、潰すようにつまんで引っ張る。

「イ……ッあ、アアッ……ッ!」

「くッ……」

 紫道のナカがうねって締まる。粘膜がペニスにまとわりつく。
 けど、イキたくなっても堪えて攻める。攻め続けるの。

 抱いてる男が快感に翻弄されて苦悶して痴態を晒すのを見るのが、大好物……セックスの醍醐味だからね。

「ドライ、慣れたでしょ。もっと、何度でもイッて。もっと……淫らに乱れて、楽しませて」

「ッんん、はぁ……はッあ、れ……いじ、もうッ……」

 イッたばっかですぐ次がきて、快感の波が引かない紫道の目から涙がこぼれる。それを舐めとって、微笑んだ。

「まだだよ」

 僕の名前、まだ呼べてるもん。
 まだ、理性なくしてない。
 まだ、溺れてない。堕ちてない。
 快楽に堕ちるまで、やめない。



 快楽に堕ちて。ほかの何もわからなくなって快感だけをほしがるまで、攻めてイカせて……狂わせたい。



「もっと気持ちいいから。それしか考えらんなくしてあげる」

 紫道の顎から首に舌を這わせ。耳の中を舐めてから首筋に戻り、昼につけた咬み傷に歯を立てる。

「いッッつ! ッあ、やアッ……くッふ……あ、アッ……」

 痛みに上げる声が喘ぎに混じってくのを聞いて、さらに深くペニスを埋める。
 男のナカは。締まってキツくなっても、どこまでもやわくて心地いい。

 滲む血をやさしく舐めて、顔を上げた。

「ッれい、じ……うッも、う……むり、だッか……ら、やめ……ッ……」

 やっとで言葉にしてる声が途切れて、紫道の腰が跳ねる。ナカを突きながら、ペニスの先を撫で擦ったから。
 コックリングのせいで出せないペニスはパンパンに充血してて、どんな刺激にも弱くなってて。出せないのはつらいだろうけど。その分ドライでイッて、イキまくって……。

「ん、あッまたッイクッ……アッアア……ッ!」

 背中を反らして痙攣する紫道を抱きしめる。

「いいよ、その調子……」

「……ッ、はッ……あッア……れ、いッ……お、かッ……ひッう……ンア……ッ」

 至近距離で見つめる紫道の目、虚ろになってきた。
 理性なくすまで、あと少しかな。

 今日は……SMプレイより、メチャクチャ感じさせたい気分。

 紫道の膝裏に腕をかけて、さらに深くペニスを捩じ込む。

「ひッアアア、うッ……! んッッ……ッ!」

 喘ぐしか出来ない紫道がかわいくて、たまらない。

「もっととろけて、ちんぽほしがって。頭ダラダラになって……僕の名前も忘れるくらい。自分の名前も、忘れるくらい」



  セックスに、気持ちよくなる以外の目的なんかなくて。相手の男を快楽に堕として、欲のままに僕に縋らせるのが快感で。それだけでいい。それだけでよかったのに。
 どうしてかなぁ。
 今は、紫道に。どんなになっても、僕だってちゃんとわかっててほしい……なんて、変なの。

 まぁ、いいや。
 僕はわかってる。
 僕がわかってるから。

 きみは安心して、快楽に溺れて……大丈夫、僕と一緒だからね。



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