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第三章 王城での一月

曇天の図書館で

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「レイラ、おはよう!」

 馬房にいる月毛の馬へ声を掛ければ、たちまち嬉しそうに尾を振って私へ歩み寄ってくれる。柵の隙間から手を伸ばし、軽く首を抱いて笑顔を交わすのが、自分の馬を得てから新たに増えた、私の毎朝の日課の一つだ。

 私が選んだ月毛の馬には、レイラと言う名を付けた。
 レナートには、白に近い毛色の馬に夜を思わせる名を付けたことを少しばかり不思議がられたけれど、私には、夜空に輝く月のような色をした彼女にはぴったりだと思ったのだ。それに、この名の響きには何故だか不思議な親しさを覚えて、彼女に付けるならこの名しかないと言う確信めいたものが、私にはあった。
 そう説明すれば、レイラは尻尾を振ってその名を気に入ってくれたようだった。

 そんなレイラだけれど、私が彼女の声を聞いたのは、あの一度きり。
 あの日、馬丁との話を終えたレナートに興奮気味に伝え、レイラに何度か話しかけて言葉を待ってみたけれど、私が再び彼女の声を聞くことはなかった。
 慌てて嘘ではないと言い募る私を、けれど、レナートは全く疑うことなく信じてくれて、キリアンに相談してみようとさえ言ってくれた。

 後日、そのキリアンから伝えられたのは、私がレイラの声を聞いたのは、少しずつ私の中にリーテから授かった力が目覚める素地ができてきている証拠である、と言うこと。
 ただし、素地は未完成であり、その為にレイラの声が常に聞けるとは限らないこと。そして、声が聞こえないからと言って、また、一日でも早く声が聞けるようになりたいからと言って、焦ることのないようにと言い含められた。

「焦りは力の暴走を生んでしまう。あなたの中にきちんと素地ができ上がれば、いずれ自然と力は発現し、再びレイラの声を聞くこともできるようになるだろう。だから、それまでは決して焦らず、辛抱強く待つしかないのだ」

 キリアンからの言葉をしっかりと胸に刻み付け、ほんの少しだけ泉の乙女の自覚が芽生えた私の日々は、レイラの世話と乗馬の練習が組み込まれて、更に充実度を増した。
 馬を決めた翌日には、作業用や乗馬用の服が一式すっかり用意されていたことには驚いたけれど、テレシアの手によって毎朝それらの服を嬉々として着せ替えられ、厩舎ではレナートや馬丁の指導を受けながら、掃除に飼葉の用意、毛並みの手入れを始めとしたレイラの世話をこなす。そうやって過ごす新たな時間は、体力のいることではあったけれどとても楽しい。

 ちなみにレイラの新しい馬房は、元々空いていたと言うこともあり、フィンの隣に用意してもらった。フィンは、初めの内こそ隣の馬房に自分と歳の変わらない牝馬がやって来たことに興奮して喜んでいたけれど、レイラがフィンのはしゃぎ様に全くついてくる様子もなく淡々としていると、その内、萎れるように大人しくなってしまった。
 だからと言って、二頭の関係が悪いかと言えばそんなこともなく。レナートに対しては何故だか事ある毎に厳しい視線を向けて、彼が私の手の届く範囲に近づこうとすれば、すぐにそれ以上の接近を阻止しにかかるレイラだけれど、フィンとはそれなりに円満な関係を築けている。

「もしかしたら、ミリアムの姉のようなつもりなのかもしれないな。レイラは、君より二つ三つ上だから」
「それって、私は馬にまで危なっかしい子供と思われているってことですか? でも……それにしては、レナートさんにだけ当たりが強いんですよね。他の方とは何ともないのに」
「そこは……それだけ、君を守りたいと言う気持ちが強いことの表れなんだろう、と思うことにしておくよ」

 いつだったか、厩舎からの帰りにレナートとそんな会話をしたけれど、レイラの声が聞こえない今現在、彼女のレナートに対する厳しい態度の理由は不明なままだ。
 そして、私が毎日レイラと会うと言うことは、当然ながらレナートとも顔を合わせることになるわけだけれど、レイラのレナートに対する態度には一向に改善の兆しは見られない。

「もう少し、仲よくしてくれると嬉しいんだけど」

 食事をするレイラの姿を見ながら思わず漏れたそんな呟きは、いつだって彼女には華麗に無視されてしまう。何事も穏やかに受け入れるように見えて、実は頑固に近いくらいには意志が強いのだ、このレイラと言う私の相棒は。
 どうやらこちらも、私の泉の乙女の力同様、時間が解決してくれることを祈るしかないらしい。

 そんな日々を過ごすこと、しばらく。
 少しずつ私の乗馬の腕前も上がり、筋肉痛に悩まされることも少なくなってきたその日は、いつものように馬房でやるべきことを済ませたあと、私はレイラに「また明日」と挨拶をして厩舎を引き上げた。
 朝から重たい雲が空一面を覆っていた為に、乗馬の練習は取りやめることにしたのだ。その代わりに、私とレナートは久々にゆっくりと時間を過ごすべく、その足を図書館へと向けていた。

 紙とインクと木の匂いに包まれた図書館はいつ来ても穏やかな静けさに包まれて、その雰囲気だけでも、不思議と心が安らぐ場所だ。加えて、天気の悪さが館内をいつもより薄暗くさせて得も言われぬ重厚感に満ちているのも、晴れの日の明るい雰囲気とはまた違って、私は好きだった。これには、初めて図書館を訪れてしばらくは、雨続きの中を利用していたことが影響しているのかもしれない。
 そんなことを考えながら、訪れた図書館の中を、私は一人気ままに歩く。
 貴重な蔵書の多い城の図書館には、通常の警備の他に外部からの侵入を防ぐ為の特殊なが施されているとのことで、図書館へ来るまでは私の護衛としてぴたりとそばに付いていたレナートも、この場ではある程度、私が一人で行動することを許してくれているのだ。

 この図書館に通い始めた頃は、エリューガルについて学ぶと言う面が強かった為に、私は歴史や民俗、地理と言った特定の書物にばかり目を通していた。そうして粗方学んだあとは、あちらこちらの書架を見て回りながら、その時々で興味を引かれた本を手に取って読むと言うことを繰り返している。
 城の図書館なので、その蔵書には娯楽としての市井の人向けの文学作品はないものの、代わりに周辺国の書物が充実しているので、私にとってはそれらの本に目を通すことは娯楽に近く、いつ訪れても興味は尽きない。
 乗馬の練習を始めるようになってからは、すっかり滞在時間が短くなってしまっていたけれど、今日はその分もたっぷりとこの場所で過ごすつもりだ。
 さて今日はどんな本を読もうかと贅沢な悩みを抱えながら、これまでの図書館通いですっかり書架の並びを覚えてしまった私は、いくつか候補を挙げながら目的地を上階に定めて、階段を上り始めた。

 三階建てのこの図書館は最上階まで吹き抜けの構造で、どの階からでも一階の様子が窺える作りになっている。階段を上りながら見下ろした今も、閲覧用の机の並ぶ場所のそばで、この場を訪れていたらしい文官がレナートを呼び止めて話をしている姿が、私にもすぐに探し出せた。
 そのレナートが話の途中にも拘らず不意に顔を上げ、まるで初めから私の存在に気付いていたかのように真っ直ぐに、階段を上り終えた私を捉えた。
 私に向かって軽く手を挙げるので、私も三階の書架を見に行きますとの気持ちを込めて進む先を指差せば、彼からは小さな頷きが返ってくる。レナートに遅れること一拍、私の存在にようやく気付いた文官からも会釈され、そちらには軽く膝を折ることで返して、私は並ぶ書架へと足早に向かった。

 少しばかり、心臓が煩い。

(やっぱり、今日も気付かれた……)

 レナートは時々、私が驚くほどにはっきりと私の視線に気付くのだ。私の部屋でお茶をしている時や、隣同士の馬房で馬の世話をしている時にはそんなことはないのに、互いの距離が遠く離れていればいるほど、それは顕著になる。
 レナートの騎士としての能力の高さなのか、そんなにもはっきりと気付くほど、私の緑の髪が目立って視界の端をちらつかせているのか、はたまた、私の気配を察知できる特殊なまじないが込められた道具でもあるのか。理由は不明ながら、気付かないだろうとの私の思いを見事に裏切り、レナートは私が彼に視線を向けている時に限って、図ったように顔を上げる。
 それは護衛としては頼もしくある反面、私の姿を見つける度に発見したことを嬉しそうに笑みに表して私を見上げて来るので、実に困ることでもあった。不意を打つレナートの笑みは、相変わらず私の心臓には少々刺激が強すぎるのだ。どうにかしてもらいたい。

 ついでに言えば、そうやって私が滞在する階を確認したあとは、私が困った状況に陥っていると、必ずと言っていいほど助けにやって来てくれた。それは例えば、大量の本を危うげに両手で抱えていたり、踏み台探しに難儀していたり、レナートがいないのを好機とばかりに人に絡まれたり。
 毎回、あまりにも都合よくレナートが現れることには、実は個人行動を許すと見せかけて陰から私のことを見ているのではと思ったことは、何度もある。けれど、レナートは私の護衛なのだから堂々としていればいい筈で、そんなまどろっこしいことをする理由はなく、内心で私はいつも首を傾げている。
 改めて考えてみると、やはりこれは離れていても護衛対象の状況を知ることのできる、まじないなり何なりがありそうだ。
 一階からは見えない書架の陰で足を止めると、私は胸に手を当てて、気持ちを落ち着けるように小さく息を吐いた。

「まじない道具かぁ……」

 果たして、実際にそんなものが存在するのだろうか。
 口に出してはみたものの、これまでのところ、私が知るのはエイナーから貰った回復を祈るお守りくらい。お守りを道具と言っていいのかは疑問だけれど、こんなに気になることになるのなら、祈願祭の日に出ていたお守りを売る出店の商品を、もう少し詳しく見ておくべきだったかもしれない。
 そもそも、エリューガルにしかないものだと言うのに、これまで私にそれらのことを知ろうと言う気が起こらなかったこと自体が、不思議でもある。泉の乙女だのグーラ種だの、先に知っておかなければならないことが多かったのが、その原因の一つだろうか。

 ほんの少し後悔する気持ちを抱きつつ、気を取り直すように私は前を向いた。切っ掛けはどうあれ、今こうして知ろうと言う気になれたことだし、幸いにして、この三階にはまじないやお守りと言った、未開の聖域からもたらされたものに関する書物が納められた書架がある。
 ならば、これから調べるまで。
 私はこの階の書架の配置図を頭の中に描きながら、早速そちらの書架へと足を向けた。当初は他の分野の本を読もうと思って三階へ来たけれど、善は急げと言うやつだ。

 元々、城の図書館の利用者の数はそう多くはない。それでも、文官達の利用頻度の多い資料や文献が納められた一階と、希少本や種々の研究の為の資料の保管場所と言う名目で書架が並ぶ三階とでは、滞在する人の数は大きく異なる。特に今日は天気の悪さも影響しているのか、ただでさえ利用頻度の低い三階はすっかり人気(ひとけ)が失せて、独特の静けさが漂っていた。
 そんな中、私は目的の書架の前へとやって来て、優に自分の背丈の倍以上はある書架を見上げる。

「まずは……お守り、かな」

 レナートの行動の不可思議な点を解明する為のまじない道具も気にはなるけれど、関連する書物を探すには、取っ掛かりがなさすぎる。それならばまずは、唯一現物も持っているお守りから、知識の空白を埋めて行くのがよさそうだ。
 お守りについて、種類は元より、できれば作り方が載っている本がいい。何と言っても、私の持つお守りはエイナーが作ってくれたもの。作り方を知ることができれば、私もお返しに作ってエイナーに贈ることができる。
 踏み台も使って書架を上から下、左から右に順に見て行きながら、気になった本を手に取っては中身をざっと見て、書架に戻す。戻しては別の本を引き出し、今度はうっかり読み耽る。そんなことを何度となく繰り返しながらたっぷりと時間を使って、私は三冊ほどの本をその手にしていた。

「うーん……」

 図書館の本の貸し出し冊数に、制限はない。それでも、一度にあまりに多くを借りても読み切れるものでもない。三冊の本を一度眺め、もう一冊くらい……と浮かんだ考えに首を振り、私は一つ頷いた。
 今日は、ここまでにしよう。
 気付けば、窓外の様子も時間の経過を表すように、今にも大粒の雨が降ってきそうなほどに暗さを増している。いくら安全な図書館とは言え、そろそろレナートも様子を見に来るかもしれない。
 そう判断した私は、今一度選んだ三冊をしっかりと腕に抱え、素直にその場を後にする。

 書架の列から階段へと続く廊下へ一歩足を踏み出せば、まさしく私の視界の端に、階段を上り終えようとするレナートの金髪頭が小さく見えた。やはり、今日もレナートの現れる頃合いは絶妙だ。もはや見事としか言いようがない。
 密かに感心しつつ、レナートが私の姿に気付いて表情を和らげるのに、私も笑顔でそれに応じた――瞬間。
 私は体が浮くほど勢いよく背後に引き込まれ、その背を強かに書架にぶつけていた。

「っ!?」

 書架が揺れるほどの勢いで体を押さえつけられて、私は思わず本を取り落とす。指先に走った微かな痛みに顰めた顔の先で、苛立ちを押し殺した声が「まさか……」と低く呟くのが聞こえて、私は衝撃に瞑っていた目を開いた。
 その視界に真っ先に飛び込んできたのは、クルードの紅で刺繍が施された純白のローブ。次いで、私の両肩を押さえつける、袖から伸びる爪の長い白い腕。被ったフードから覗くのは線の細い顎、薄い唇――全く見覚えのない人物が、私の眼前にいた。

「だ、誰っ?」

 突然の状況に混乱した私の口から咄嗟に飛び出したのは、当然の疑問。
 その私の声に反応したのか、俯いていた相手の顔がゆるりと上がった。そして現れた姿に、私は息をのむ。
 フードから一房零れた、目にも鮮やかな浅紅の髪。薄暗い中で光る、猫のような金の瞳。食いしばる歯列から覗く、尖った犬歯。
 薄闇の下りた図書館内を照らす眩い稲光と、半瞬遅れて轟いた雷鳴が空気を震わせる中、人ならざる姿をした者が私をきつく睨み据え、その口から怨嗟の声を吐き出した。

「まさか、呪わしき贄が貴様だったとはな、リーテの娘……っ!」
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