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九話 ヴィクターの意図
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「とっとと帰りな!」
階下から響く怒鳴り声に、ウトウトしていながらも、リアムの耳はピンと立ち上がった。
酒場『フリッカー』の屋根裏部屋が、リアムの住まいだ。簡素なベッドを置けば、部屋に余裕はないが、リアムは満足している。
暖かい寝床があり、外敵に眠りを脅かされない。
それだけで幸せだった。
不満があるとすれば、壁が薄いことくらいである。ただでさえ鋭敏な聴覚は、余計な雑音を拾ってくるのだ。
明け方、眠りにつく前に、路地で突如始まる喧嘩や男女の営みに、リアムは悩まされている。
肉屋で怪我を負って以降、泥のように眠る日々が続き、外の音は気にならなかった。だが、腕を動かせるようになると、聴力も回復し、再び悩みの種は復活している。
――誰か店で騒いでるのかな……。
ただでさえよく通るジャズの罵声を遮るため、リアムは頭から上掛けを被ろうとしたが。
「そういうわけにはいかない」
続いた返答に、飛び起きる。
――ヴィクターさんだ……。
枕元に置いてあったハンチング帽を手に、リアムは床に足を下ろした。そっと扉を開け、階段の手すり越しに、恐る恐る階下へと耳をすます。
「……ウチの従業員はシロだって証明できただろ。それともまだ疑ってるのかい?」
「その件は上の判断待ちです。……俺からは何とも言えません」
「なら、何の用で捜査官様はこんなところにいるんだい?」
「……アンタには関係ないことですよ」
「何だって? 人様の雇い人を扱き使っておいて、よくもそんな口の聞き方ができるもんだね」
火に油を注ぐようにして、ヴィクターは墓穴を掘っている。リアムは堪らず、手すりから身を乗り出した。
「……とにかくあいつに会わせてください」
「まだ寝込んでるよ。伝言があるなら、聞いてやるからさっさと言いな」
ジャズは、にべもなくヴィクターを追い出そうとしている。
リアムは居ても立っても居られなくなり、足音を立てず階段を降りたが、数段ほどで、虫が鳴くように板が軋んでしまった。
その音に、ホールで睨み合っていた二人は、素早くこちらを振り返った。
ジャズの片眉がぴくりと動く。機嫌が悪い兆しを察し、リアムは口早になった。
「お、女将さん、ご心配おかけしました……」
「タダ飯食らいを置いておくほど、アタシもお人好しじゃないよ。……動けるんなら、今夜から働きな」
「は、ハイッ!」
ぶっきらぼうな口調のジャズに、リアムは畏まった。
「あの、僕、どれくらい寝込んでましたか……?」
「ざっと一週間くらいだね。ホントにとんだ損害だよ。どうしてくれんだい、ヴィッキー」
肉屋で襲われてから、そんなにも経っていたのか。ジャズが腹を立てているのも頷ける。
――今日から頑張らなくちゃ。
「何度も謝っているでしょう」
ヴィクターは革靴の爪先を、小刻みに床板に叩きつけていた。等間隔に響く音が、ジャズの気を逆撫でする。
「口先だけじゃなくて、態度で示しな。詫びとして、飲みに来るぐらいしてもいいんじゃないかい?」
「俺もそこまで暇じゃないんですよ。それに、用件も聞かずに追い返そうとする酒場で、金を落とそうと思えませんね」
「……へえそうかい。この子に割く時間はあっても、酒を飲んでる暇はないってことだね」
ニヤリと唇を歪めるジャズに、ヴィクターは沈黙した。
――え……。まさか、ヴィクターさんが僕を心配してくれてるなんて、ないよね。
「リアム、アンタ顔が赤いよ。無理してぶっ倒れるのはゴメンだからね」
「だ、大丈夫ですっ!」
「ならさっさと支度しな」
つい興奮し、身体が火照ってしまった。頬に両手をあて、熱を冷まそうとするも、なかなか元に戻らない。
鼻を鳴らし厨房に戻っていくジャズと入れ違いに、常連客たちが、いつも通り開店前から扉を押し開けた。
「お、リアムちゃん、風邪はもういいのかい?」
「元気そうでなによりだ」
「ご、ご心配おかけしてすみません……」
リアムは慌てて頭を下げ、ちらりとヴィクターを盗み見る。
常連客たちは、ヴィクターを遠巻きにしており、リアムは一瞬で現実に引き戻された。
わざわざ気まずいだろう場所に、ヴィクターが訪れる理由が、リアムのご機嫌伺いなわけがない。
一転して怯えるリアムを、ヴィクターは無表情に見下ろす。ヴィクターの蜂蜜色の瞳を、リアムは上目遣いで窺った。
「お前、休みはいつだ?」
「……や、休み?」
「……まさか、毎日働いているのか」
そのまさかである。
基本、酒場『フリッカー』は夜のみの営業だ。リアムは毎夜、配膳の仕事をしている。連日続いたとしても、体力的に問題はないよう、鍛えているつもりだ。
特にやることも、したいこともないため、待遇に不満を感じたことはない。休みにされると、賄いが食べられないから、その方が困るのだ。
リアムは、酒場に生かされている。
「いつが休みだ?」
「ええと……」
言葉を濁しているのも限界だった。ヴィクターからの無言の圧力に、リアムは両手を顔の横で振りながら、しどろもどろになる。
「いや、お客さんが少ない日は、休憩も長めに取れてますし、そんなに大変では……昼間は休みのようなものですし」
本当は買い出しや掃除などの雑用をこなしているが、ヴィクターがなぜか不機嫌になりそうで、リアムは黙っていることにする。
「……三日後の昼過ぎ、富裕層街、5区7番地だ」
「え?」
ヴィクターはリアムから目をそらしながら、腕を組んだ。
「昼間に出てくれば、女主人も文句は言わんだろう。……取って食うつもりはない。話したいことがあるから必ず来い。いいな」
腹の底に響く脅しに、リアムは「……はい」と小さく頷くしかなかった。
「よし」
ドアベルを軽やかに響かせ、ヴィクターが立ち去ると、常連客たちはすぐさま囃し立てる。
「ルージェンドの旦那、ついにリアムちゃんをデートに誘ったな」
「俺の勝ちだ。お前、今日の酒代、奢れよな」
「そ、そんなんじゃ、絶対ないですから!」
――デートって……。
リアムが慌てて言い繕うも、「照れるなよ~」と常連客たちは、からかう。
少し前のリアムなら、彼らと同様に、ヴィクターからのお誘いを飛び上がらんばかりに喜んだことだろう。
しかし彼とリアムを繋いでいるのは、血なまぐさい臭いを放ち始めた、人狼絡みの事件だ。
酒場で話せない、それはつまり十中八九、先日の襲撃事件か密売事件についてだ。
リアムたちに襲いかかってきた【人狼】は、どうなったのか。
ヴィクターが留めをさしたのか。
リアムは何も知らされていない。
――人狼を怒らせちゃった僕に、詮索する資格はないよね。
勝手に先走り、怪我をして状況を悪化させてしまった。リアムは協力者失格である。
申し訳なさで穴があったら潜り込みたい気分だ。
「リアム! さっさと厨房に入りな!」
「は、はい!」
ジャズはヴィクターと口論していたときと同じテンションで、リアムを急き立てる。右腕をぐるりと回すと違和感は残っているが、痛みは引いていた。
――とりあえず、忘れよう。
リアムは身体を動かして、沈みそうになる気持ちを無理やり浮上させることに専念した。
階下から響く怒鳴り声に、ウトウトしていながらも、リアムの耳はピンと立ち上がった。
酒場『フリッカー』の屋根裏部屋が、リアムの住まいだ。簡素なベッドを置けば、部屋に余裕はないが、リアムは満足している。
暖かい寝床があり、外敵に眠りを脅かされない。
それだけで幸せだった。
不満があるとすれば、壁が薄いことくらいである。ただでさえ鋭敏な聴覚は、余計な雑音を拾ってくるのだ。
明け方、眠りにつく前に、路地で突如始まる喧嘩や男女の営みに、リアムは悩まされている。
肉屋で怪我を負って以降、泥のように眠る日々が続き、外の音は気にならなかった。だが、腕を動かせるようになると、聴力も回復し、再び悩みの種は復活している。
――誰か店で騒いでるのかな……。
ただでさえよく通るジャズの罵声を遮るため、リアムは頭から上掛けを被ろうとしたが。
「そういうわけにはいかない」
続いた返答に、飛び起きる。
――ヴィクターさんだ……。
枕元に置いてあったハンチング帽を手に、リアムは床に足を下ろした。そっと扉を開け、階段の手すり越しに、恐る恐る階下へと耳をすます。
「……ウチの従業員はシロだって証明できただろ。それともまだ疑ってるのかい?」
「その件は上の判断待ちです。……俺からは何とも言えません」
「なら、何の用で捜査官様はこんなところにいるんだい?」
「……アンタには関係ないことですよ」
「何だって? 人様の雇い人を扱き使っておいて、よくもそんな口の聞き方ができるもんだね」
火に油を注ぐようにして、ヴィクターは墓穴を掘っている。リアムは堪らず、手すりから身を乗り出した。
「……とにかくあいつに会わせてください」
「まだ寝込んでるよ。伝言があるなら、聞いてやるからさっさと言いな」
ジャズは、にべもなくヴィクターを追い出そうとしている。
リアムは居ても立っても居られなくなり、足音を立てず階段を降りたが、数段ほどで、虫が鳴くように板が軋んでしまった。
その音に、ホールで睨み合っていた二人は、素早くこちらを振り返った。
ジャズの片眉がぴくりと動く。機嫌が悪い兆しを察し、リアムは口早になった。
「お、女将さん、ご心配おかけしました……」
「タダ飯食らいを置いておくほど、アタシもお人好しじゃないよ。……動けるんなら、今夜から働きな」
「は、ハイッ!」
ぶっきらぼうな口調のジャズに、リアムは畏まった。
「あの、僕、どれくらい寝込んでましたか……?」
「ざっと一週間くらいだね。ホントにとんだ損害だよ。どうしてくれんだい、ヴィッキー」
肉屋で襲われてから、そんなにも経っていたのか。ジャズが腹を立てているのも頷ける。
――今日から頑張らなくちゃ。
「何度も謝っているでしょう」
ヴィクターは革靴の爪先を、小刻みに床板に叩きつけていた。等間隔に響く音が、ジャズの気を逆撫でする。
「口先だけじゃなくて、態度で示しな。詫びとして、飲みに来るぐらいしてもいいんじゃないかい?」
「俺もそこまで暇じゃないんですよ。それに、用件も聞かずに追い返そうとする酒場で、金を落とそうと思えませんね」
「……へえそうかい。この子に割く時間はあっても、酒を飲んでる暇はないってことだね」
ニヤリと唇を歪めるジャズに、ヴィクターは沈黙した。
――え……。まさか、ヴィクターさんが僕を心配してくれてるなんて、ないよね。
「リアム、アンタ顔が赤いよ。無理してぶっ倒れるのはゴメンだからね」
「だ、大丈夫ですっ!」
「ならさっさと支度しな」
つい興奮し、身体が火照ってしまった。頬に両手をあて、熱を冷まそうとするも、なかなか元に戻らない。
鼻を鳴らし厨房に戻っていくジャズと入れ違いに、常連客たちが、いつも通り開店前から扉を押し開けた。
「お、リアムちゃん、風邪はもういいのかい?」
「元気そうでなによりだ」
「ご、ご心配おかけしてすみません……」
リアムは慌てて頭を下げ、ちらりとヴィクターを盗み見る。
常連客たちは、ヴィクターを遠巻きにしており、リアムは一瞬で現実に引き戻された。
わざわざ気まずいだろう場所に、ヴィクターが訪れる理由が、リアムのご機嫌伺いなわけがない。
一転して怯えるリアムを、ヴィクターは無表情に見下ろす。ヴィクターの蜂蜜色の瞳を、リアムは上目遣いで窺った。
「お前、休みはいつだ?」
「……や、休み?」
「……まさか、毎日働いているのか」
そのまさかである。
基本、酒場『フリッカー』は夜のみの営業だ。リアムは毎夜、配膳の仕事をしている。連日続いたとしても、体力的に問題はないよう、鍛えているつもりだ。
特にやることも、したいこともないため、待遇に不満を感じたことはない。休みにされると、賄いが食べられないから、その方が困るのだ。
リアムは、酒場に生かされている。
「いつが休みだ?」
「ええと……」
言葉を濁しているのも限界だった。ヴィクターからの無言の圧力に、リアムは両手を顔の横で振りながら、しどろもどろになる。
「いや、お客さんが少ない日は、休憩も長めに取れてますし、そんなに大変では……昼間は休みのようなものですし」
本当は買い出しや掃除などの雑用をこなしているが、ヴィクターがなぜか不機嫌になりそうで、リアムは黙っていることにする。
「……三日後の昼過ぎ、富裕層街、5区7番地だ」
「え?」
ヴィクターはリアムから目をそらしながら、腕を組んだ。
「昼間に出てくれば、女主人も文句は言わんだろう。……取って食うつもりはない。話したいことがあるから必ず来い。いいな」
腹の底に響く脅しに、リアムは「……はい」と小さく頷くしかなかった。
「よし」
ドアベルを軽やかに響かせ、ヴィクターが立ち去ると、常連客たちはすぐさま囃し立てる。
「ルージェンドの旦那、ついにリアムちゃんをデートに誘ったな」
「俺の勝ちだ。お前、今日の酒代、奢れよな」
「そ、そんなんじゃ、絶対ないですから!」
――デートって……。
リアムが慌てて言い繕うも、「照れるなよ~」と常連客たちは、からかう。
少し前のリアムなら、彼らと同様に、ヴィクターからのお誘いを飛び上がらんばかりに喜んだことだろう。
しかし彼とリアムを繋いでいるのは、血なまぐさい臭いを放ち始めた、人狼絡みの事件だ。
酒場で話せない、それはつまり十中八九、先日の襲撃事件か密売事件についてだ。
リアムたちに襲いかかってきた【人狼】は、どうなったのか。
ヴィクターが留めをさしたのか。
リアムは何も知らされていない。
――人狼を怒らせちゃった僕に、詮索する資格はないよね。
勝手に先走り、怪我をして状況を悪化させてしまった。リアムは協力者失格である。
申し訳なさで穴があったら潜り込みたい気分だ。
「リアム! さっさと厨房に入りな!」
「は、はい!」
ジャズはヴィクターと口論していたときと同じテンションで、リアムを急き立てる。右腕をぐるりと回すと違和感は残っているが、痛みは引いていた。
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