古池や蛙も飛び込むラーメン屋

独白

　「俺の名前を聞いて、笑わないでくれ。
頼むぞ、頼むからな。
　俺の名前は、『カエル』。
アメリカさんとのハーフで俺の父親は、いつか帰って来るから俺の名前は、カエルとつけてくれと言った為に名付けられたらしい。
　それだけなら、まだ良い。母親の名前は、小池ではなく古池の方の古池だったんだ。
　ほれ、そこ笑うなそれで『古池カエル』それが、俺の名前な、
しかも母親の実家が中華屋で、塩ラーメンが旨くて行列が出来ると言う、有名な店だったんだ。
と言う事は、わかるだろ
ラーメン大好き古池さんとか、
松尾芭蕉と、言われ続ける辛さ。
ちょっと待ってな、水を飲ませてくれ。」
　良かった、水があった。

　「話に戻るな、イジメはあったよ、片親だったし。名前もそうだし、ラーメン屋で古池だからもちろんな。
でも、努力と言う実家でのバイトで、真面目にやってるのをみて、誰も何も言えなくなったんだ。
　そうそう、クラスの皆がきたり、親が来たら少しサービスしたりもしてたしな。
そして、大学にも行かせてもらい。来年には支店を任されるはずだった。
それが、なぜこんなところに。
俺は、ラーメンは麺打ちも、メンマも、スープもすべて自分で作れる腕を持っているつもりだ。
北は、北海道から南は福岡の豚骨まで、修業のために渡り歩いた。

でもな、俺はラーメン屋のためにこんなところに来るつもりはなかったんだよー。」