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視察の終了
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「隣国の情勢は分かった。名残惜しいがラン・ヤスミカ領からは立ち去る」
ミモザ王子の言葉にユーリとリンは居ずまいを正した。
ミモザ王子とモモは隣国の様子が怪しいと察して、遥か遠いい国境近くのラン・ヤスミカ領に滞在していたのだが調査は無事に終わったらしい。
「婚礼の儀式の支度もある。これ以上、長居はできぬ」
そう言うとミモザ王子は神妙な態度でユーリとリンに頭を下げた。
「快く滞在を許してくれたこと感謝する。そして、キトリを引き取ってくれてありがとう。そうエセル殿に伝えておくれ」
帰還の準備が整い次第、都に帰ると告げるミモザ王子にユーリは緊張しながらも声を出した。
「そんな!畏れ多いです!ミモザ王子とモモ殿が屋敷にご滞在してくれて楽しかったです!モモ殿はリンの友達でもあります。帰ってしまうのがさみしい」
心のこもったユーリの言葉を聞いていたリンも名残惜しそうに口を開いた。
「ミモザ王子とモモにはずっとラン・ヤスミカ領で暮らして欲しかったです。でも……それは無理ですからね」
リンは涙ぐみなからミモザ王子の側で黙っているモモに向かって言った。
「モモ!ミシェル兄上と仲良くしてね。ミモザ王子の側近だけどモモはミシェル兄上の大事な人だから!」
お願いだからミシェル兄上とずっと一緒にいてねと懇願するリンにモモはニヤリとしながら答えた。
「リン様にそこまで頼まれたら仕方ないですね。ミシェルが死ぬまで傍にいますよ」
「本当に!約束だよ?友達同士の!」
ホッと安心したような顔をするリンを眺めていたミモザ王子はユーリに対してこんなことを尋ねた。
「友達同士の約束か。ユーリ殿。この場合はリンもなにかをモモに誓わないと筋が通らぬと思うが?」
「え?まあ、たしかにフェアにいくならそうですね……」
ユーリの同意を得たミモザ王子は口角をあげながらモモに命じた。
「モモ。そなたもリンに約束して欲しいことを述べよ。2人で約束を交わしてこそ真の友情ではないか?」
「は?ミモザ王子は友達がいないのに真の友情とか言わないでください。引きこもり王子!」
プイッと拒否するモモにミモザ王子は怒った様子もなく平然と告げた。
「失敬な。引きこもりはしていたがエドガーという友がいる。もっとも今はシオンに夢中でエドガーはまったく僕に構わないが」
友に恋慕する者ができるのはものさみしいと語るミモザ王子にモモは真剣な様子で言ったのだ。
「俺はリン様に約束して欲しいことなどないです。このラン・ヤスミカ家でいつまでも幸せに暮らして欲しい。それだけです」
「モモは本当に金貨に目がないようで物欲がない。僕はそなたを側近にしてよかったと思うぞ?」
ミモザ王子はクスクス笑うと丁寧な仕草で控えているユーリとリンに再度、頭を下げた。
「ユーリ殿。リン。これからもラン・ヤスミカ領で達者で暮らせよ。モモに代わって主君の僕からの頼みだ」
ラン・ヤスミカ領の……いや、この国の平穏は王家の一員である僕が必ず守るからとミモザ王子は決意したように言いきったのである。
言葉の端々に女王の配偶者となるミモザ王子の覚悟がにじみ出ていてユーリとリンは息をのんだ。
すると、ミモザ王子のそばに侍っているモモが不機嫌そうに口を挟んだ。
「ふん!ミモザ王子はまだまだ宮廷でなんの力もないだろ!?軽々しい約束をするな!」
遠慮のないモモの一喝にユーリとリンは焦ったがミモザ王子は怒った素振りを見せなかった。
それどころか不敵に微笑むとモモに約束して見せたのである。
「約束しよう。婚礼をあげて1年後。16歳になるまでに僕の発言力はシルバー家を越える」
「はぁ?そんな短期間でリン様の父上であるクロード様より頭角を表すのですか?いくらミモザ王子でもそりゃ無理ですよ!」
長年、国王陛下の重臣を務めているクロードに勝てる訳がないとモモが鼻で笑おうとしたらミモザ王子はなんてことないように言った。
「クロード・リュカ・シルバーは僕が婚礼をあげて賭けに負けたら隠居する。そうすれば次期シルバー家当主はミシェルだな?」
正直、ミシェルに政治で負ける気がしないと余裕な笑みを浮かべるミモザ王子にリンは思わず問いかけた。
「父上が!?あの!私の父上とミモザ王子は何を賭けたのですか?」
父上は策士だがあまり賭け事に熱中しないとリンは不思議そうに首を傾げた。
そんなリンの顔を見つめてミモザ王子は悪戯っぽく告げたのだ。
「婚礼後、初めてのダイアナ王女の出産で産まれてくるのは男児か女児か。クロードは女児に賭けよった」
ミモザ王子には絶対に男児が産まれるという確信があるらしい。
これはシオンの元下男だったエクソシストの予言だがラン・ヤスミカ領の居酒屋の女主人シャザンヌも最初の子供は男児だと占ったのでかなり正確性がある兆しだ。
モモはそんな賭けをミモザ王子とクロードが交わしていたとは知らず不安にかられ焦った表情で口走ってしまった。
「たとえ首尾よく男児が生まれてもミモザ王子がクロード様にとって代わるなんて不可能だ!アンタは政治には向かない!ガキの優しい父親になる方が似合ってる!」
ついムキになって叫んでしまったモモの顔をみながらミモザ王子は笑いがこらえきれぬ様子で声をあげた。
「くっ……あはは!モモ……。そなたは肝心なところで愚かなほど正直なのだな。クロードとそんな賭けをする訳がなかろう?」
そもそも、狡猾なクロードがそんな、くだらぬ賭け事にのると思うかと指摘されてモモはカッと顔を赤らめた。
「やはりそうだ。モモ、そなたはミシェルやシルバー家を愛している。僕は側近の実家を追い落とすことはしない」
自分ができる力で最大限、ダイアナ姉上にお仕えする所存だ、とミモザ王子は澄まし顔で述べた。
つまり、ミモザ王子が臣下で1番の権勢を振るうなんて大見得で実際のミモザ王子は権力なんて求めていない。
単に素直じゃないモモをからかって遊んでいたのかとユーリは驚いたが、リンは改まった表情でミモザ王子に訊ねている。
「ミモザ王子はあくまでもご自分は表舞台に立たず、国王陛下の政治の補佐はシルバー家に委ねるのですか?」
「そのつもりだ。僕がでしゃばると政治が不安定になる。政治はシルバー家に任せ、僕は自分の使命を全うする」
その使命とはなにかをミモザ王子はついぞ言わなかった。
話が終わってユーリはリンとともに退出したが、ユーリにはミモザ王子が政治より大切に思う使命とはなんなのかわからない。
「ミモザ王子のお考えは深すぎて。俺にはサッパリ」
首をひねるユーリに対してリンは何かを察したのかポツリと告げた。
「ミモザ王子は国の安泰を強く望んでいます。それを実現させるにはご自分が政治に参加するより重要な役目があるとお考えになった」
それだけ言ってリンは黙り込みユーリを見つめた。
ただ、ひたすら、このラン・ヤスミカ領で愛するユーリや大切な人々と暮らせることが何よりの幸せなのだとリンは悟った。
「ユーリ。私も及ばずながら領地の平和のために力を尽くします」
「ありがとうリン。そうだな!領地の平穏を守るのは領主一族の使命だ!」
ユーリとリンはそう言い合うと手を繋いで部屋に戻っていった。
ユーリとリンが去ったミモザ王子とモモの居室は沈黙が漂っていた。
モモはすねたように黙り込んでいて、ミモザ王子は書簡をしたためている。
部屋にサリサリと紙に文字をつづる音が静かに流れた。
「モモ。シルバー家のクロードは隠居したら後釜をお前にする算段だ。当主でなく政治的な立場で」
書簡を書きながらミモザ王子が断言するとモモは面倒くさそうに返事をした。
「ミシェルじゃクロード様ほどの辣腕は振るえない。ちっ!面倒な立場を押し付けやがって」
「それがミシェルを守ることにもなる。モモ……。言うまでもないがお前は僕の側近だ。それを忘れず励めよ」
「は!言われなくても!ミシェルを追い越して俺が国の中枢を握ってやるよ!シルバー家の者として!」
勝ち気に啖呵を切るモモを見ながらミモザ王子はどこか安堵したように微笑んだ。
「ありがとう。そうしておくれ」
こうしてミモザ王子とモモは急ぎ王宮に帰るための支度を整えて、ラン・ヤスミカ家のみんなに別れを告げると風のように去っていった。
ミモザ王子の友達であるところのエドガーは2人が去ったあと、紅茶の用意をしているシオンに言った。
「私はあまり友がいない。ミモザ王子とエロシェンコくらいだ」
「ふーん。エロシェンコって誰だよ?」
超絶お久しぶりなエロシェンコさんの名前もシオンには聞きおぼえがなかったが、エドガーは即答した。
「この今、私が愛読しているエロ小説の作者で王宮の近衛兵をしている男だ」
結構売れているエロ小説家だぞと語るエドガーに呆れつつシオンは思った。
(友達が王子様とエロ小説家兼近衛兵って地味にすごいな)
ちなみにエロシェンコさんは人柄と実力を買われて王立士官学校の筆頭教官に指名されている。
要するにミシェルの美少年愛人の1人で王立士官学校に合格したマックスの指導教官を務めるのである。
ミモザ王子が部屋で書いていた書簡は実はこれであったとは流石のモモだって知る由もなかった。
end
ミモザ王子の言葉にユーリとリンは居ずまいを正した。
ミモザ王子とモモは隣国の様子が怪しいと察して、遥か遠いい国境近くのラン・ヤスミカ領に滞在していたのだが調査は無事に終わったらしい。
「婚礼の儀式の支度もある。これ以上、長居はできぬ」
そう言うとミモザ王子は神妙な態度でユーリとリンに頭を下げた。
「快く滞在を許してくれたこと感謝する。そして、キトリを引き取ってくれてありがとう。そうエセル殿に伝えておくれ」
帰還の準備が整い次第、都に帰ると告げるミモザ王子にユーリは緊張しながらも声を出した。
「そんな!畏れ多いです!ミモザ王子とモモ殿が屋敷にご滞在してくれて楽しかったです!モモ殿はリンの友達でもあります。帰ってしまうのがさみしい」
心のこもったユーリの言葉を聞いていたリンも名残惜しそうに口を開いた。
「ミモザ王子とモモにはずっとラン・ヤスミカ領で暮らして欲しかったです。でも……それは無理ですからね」
リンは涙ぐみなからミモザ王子の側で黙っているモモに向かって言った。
「モモ!ミシェル兄上と仲良くしてね。ミモザ王子の側近だけどモモはミシェル兄上の大事な人だから!」
お願いだからミシェル兄上とずっと一緒にいてねと懇願するリンにモモはニヤリとしながら答えた。
「リン様にそこまで頼まれたら仕方ないですね。ミシェルが死ぬまで傍にいますよ」
「本当に!約束だよ?友達同士の!」
ホッと安心したような顔をするリンを眺めていたミモザ王子はユーリに対してこんなことを尋ねた。
「友達同士の約束か。ユーリ殿。この場合はリンもなにかをモモに誓わないと筋が通らぬと思うが?」
「え?まあ、たしかにフェアにいくならそうですね……」
ユーリの同意を得たミモザ王子は口角をあげながらモモに命じた。
「モモ。そなたもリンに約束して欲しいことを述べよ。2人で約束を交わしてこそ真の友情ではないか?」
「は?ミモザ王子は友達がいないのに真の友情とか言わないでください。引きこもり王子!」
プイッと拒否するモモにミモザ王子は怒った様子もなく平然と告げた。
「失敬な。引きこもりはしていたがエドガーという友がいる。もっとも今はシオンに夢中でエドガーはまったく僕に構わないが」
友に恋慕する者ができるのはものさみしいと語るミモザ王子にモモは真剣な様子で言ったのだ。
「俺はリン様に約束して欲しいことなどないです。このラン・ヤスミカ家でいつまでも幸せに暮らして欲しい。それだけです」
「モモは本当に金貨に目がないようで物欲がない。僕はそなたを側近にしてよかったと思うぞ?」
ミモザ王子はクスクス笑うと丁寧な仕草で控えているユーリとリンに再度、頭を下げた。
「ユーリ殿。リン。これからもラン・ヤスミカ領で達者で暮らせよ。モモに代わって主君の僕からの頼みだ」
ラン・ヤスミカ領の……いや、この国の平穏は王家の一員である僕が必ず守るからとミモザ王子は決意したように言いきったのである。
言葉の端々に女王の配偶者となるミモザ王子の覚悟がにじみ出ていてユーリとリンは息をのんだ。
すると、ミモザ王子のそばに侍っているモモが不機嫌そうに口を挟んだ。
「ふん!ミモザ王子はまだまだ宮廷でなんの力もないだろ!?軽々しい約束をするな!」
遠慮のないモモの一喝にユーリとリンは焦ったがミモザ王子は怒った素振りを見せなかった。
それどころか不敵に微笑むとモモに約束して見せたのである。
「約束しよう。婚礼をあげて1年後。16歳になるまでに僕の発言力はシルバー家を越える」
「はぁ?そんな短期間でリン様の父上であるクロード様より頭角を表すのですか?いくらミモザ王子でもそりゃ無理ですよ!」
長年、国王陛下の重臣を務めているクロードに勝てる訳がないとモモが鼻で笑おうとしたらミモザ王子はなんてことないように言った。
「クロード・リュカ・シルバーは僕が婚礼をあげて賭けに負けたら隠居する。そうすれば次期シルバー家当主はミシェルだな?」
正直、ミシェルに政治で負ける気がしないと余裕な笑みを浮かべるミモザ王子にリンは思わず問いかけた。
「父上が!?あの!私の父上とミモザ王子は何を賭けたのですか?」
父上は策士だがあまり賭け事に熱中しないとリンは不思議そうに首を傾げた。
そんなリンの顔を見つめてミモザ王子は悪戯っぽく告げたのだ。
「婚礼後、初めてのダイアナ王女の出産で産まれてくるのは男児か女児か。クロードは女児に賭けよった」
ミモザ王子には絶対に男児が産まれるという確信があるらしい。
これはシオンの元下男だったエクソシストの予言だがラン・ヤスミカ領の居酒屋の女主人シャザンヌも最初の子供は男児だと占ったのでかなり正確性がある兆しだ。
モモはそんな賭けをミモザ王子とクロードが交わしていたとは知らず不安にかられ焦った表情で口走ってしまった。
「たとえ首尾よく男児が生まれてもミモザ王子がクロード様にとって代わるなんて不可能だ!アンタは政治には向かない!ガキの優しい父親になる方が似合ってる!」
ついムキになって叫んでしまったモモの顔をみながらミモザ王子は笑いがこらえきれぬ様子で声をあげた。
「くっ……あはは!モモ……。そなたは肝心なところで愚かなほど正直なのだな。クロードとそんな賭けをする訳がなかろう?」
そもそも、狡猾なクロードがそんな、くだらぬ賭け事にのると思うかと指摘されてモモはカッと顔を赤らめた。
「やはりそうだ。モモ、そなたはミシェルやシルバー家を愛している。僕は側近の実家を追い落とすことはしない」
自分ができる力で最大限、ダイアナ姉上にお仕えする所存だ、とミモザ王子は澄まし顔で述べた。
つまり、ミモザ王子が臣下で1番の権勢を振るうなんて大見得で実際のミモザ王子は権力なんて求めていない。
単に素直じゃないモモをからかって遊んでいたのかとユーリは驚いたが、リンは改まった表情でミモザ王子に訊ねている。
「ミモザ王子はあくまでもご自分は表舞台に立たず、国王陛下の政治の補佐はシルバー家に委ねるのですか?」
「そのつもりだ。僕がでしゃばると政治が不安定になる。政治はシルバー家に任せ、僕は自分の使命を全うする」
その使命とはなにかをミモザ王子はついぞ言わなかった。
話が終わってユーリはリンとともに退出したが、ユーリにはミモザ王子が政治より大切に思う使命とはなんなのかわからない。
「ミモザ王子のお考えは深すぎて。俺にはサッパリ」
首をひねるユーリに対してリンは何かを察したのかポツリと告げた。
「ミモザ王子は国の安泰を強く望んでいます。それを実現させるにはご自分が政治に参加するより重要な役目があるとお考えになった」
それだけ言ってリンは黙り込みユーリを見つめた。
ただ、ひたすら、このラン・ヤスミカ領で愛するユーリや大切な人々と暮らせることが何よりの幸せなのだとリンは悟った。
「ユーリ。私も及ばずながら領地の平和のために力を尽くします」
「ありがとうリン。そうだな!領地の平穏を守るのは領主一族の使命だ!」
ユーリとリンはそう言い合うと手を繋いで部屋に戻っていった。
ユーリとリンが去ったミモザ王子とモモの居室は沈黙が漂っていた。
モモはすねたように黙り込んでいて、ミモザ王子は書簡をしたためている。
部屋にサリサリと紙に文字をつづる音が静かに流れた。
「モモ。シルバー家のクロードは隠居したら後釜をお前にする算段だ。当主でなく政治的な立場で」
書簡を書きながらミモザ王子が断言するとモモは面倒くさそうに返事をした。
「ミシェルじゃクロード様ほどの辣腕は振るえない。ちっ!面倒な立場を押し付けやがって」
「それがミシェルを守ることにもなる。モモ……。言うまでもないがお前は僕の側近だ。それを忘れず励めよ」
「は!言われなくても!ミシェルを追い越して俺が国の中枢を握ってやるよ!シルバー家の者として!」
勝ち気に啖呵を切るモモを見ながらミモザ王子はどこか安堵したように微笑んだ。
「ありがとう。そうしておくれ」
こうしてミモザ王子とモモは急ぎ王宮に帰るための支度を整えて、ラン・ヤスミカ家のみんなに別れを告げると風のように去っていった。
ミモザ王子の友達であるところのエドガーは2人が去ったあと、紅茶の用意をしているシオンに言った。
「私はあまり友がいない。ミモザ王子とエロシェンコくらいだ」
「ふーん。エロシェンコって誰だよ?」
超絶お久しぶりなエロシェンコさんの名前もシオンには聞きおぼえがなかったが、エドガーは即答した。
「この今、私が愛読しているエロ小説の作者で王宮の近衛兵をしている男だ」
結構売れているエロ小説家だぞと語るエドガーに呆れつつシオンは思った。
(友達が王子様とエロ小説家兼近衛兵って地味にすごいな)
ちなみにエロシェンコさんは人柄と実力を買われて王立士官学校の筆頭教官に指名されている。
要するにミシェルの美少年愛人の1人で王立士官学校に合格したマックスの指導教官を務めるのである。
ミモザ王子が部屋で書いていた書簡は実はこれであったとは流石のモモだって知る由もなかった。
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