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アップルパイ作り
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厨房から焦げ臭い煙が漂ってくる。
ラン・ヤスミカ家別邸の執事シオンは火災かと慌てて厨房に急いだら幸い火の手はあがっていなかった。
単にリンがアップルパイを焦がしただけであった。
「すごく焦げてますね。アップルパイの原型をとどめていません」
焦げ臭いなかで仄かにリンゴの匂いがしたのでシオンはアップルパイだと特定したが素人目には炭くずである。
とりあえず別邸が火災にならず、リンに怪我もないようなのでシオンは安堵したがリンは炭と化したアップルパイを持ったまま立ち尽くしている。
「リン様?アップルパイが食べたいのなら俺がつくります。火傷とかないですか?」
シオンが尋ねてもリンはしょんぼりして俯いていた。
「またお菓子作りに失敗した。いや……お菓子だけじゃなくて私はマトモに料理ができない!嫁なのに!」
リーサ義母上やフィンナ義姉上のように愛する伴侶に美味しい料理を食べてもらいたいのに、とリンはそうとうにへこんでいる。
要するにリンはユーリに手作り料理を食べさせたいのだ。
可憐で聡明なリンだが嫁いできてから特訓しているのに料理や裁縫などの家事が上達していなかった。
人間には向き不向きがあり、別邸ではシオンが家事全般をしているので問題ないと思われるがリンはひそかに悩んでいたらしい。
元伯爵家の嫡男だったシオンとしては本来貴族は率先して家事などしないし、やってくれる使用人がいるのなら遠慮なく任せればいいと思うが、ラン・ヤスミカ家は主人一家も細々とした家事をするのでまったくできないのは肩身が狭いというリンの不安も理解できる。
「リン様。仰ってくれれば料理はお教えしますので。あまり気に病まないでください。よろしければこれからもう一度、アップルパイを作りますか?2人で」
このシオンの提案にリンは素直に頷いた。
「ありがとう!シオンが教えてくれるなら心強い!早速リンゴを丸焼きにしよう!」
「あの……リン様。アップルパイのレシピなどは見ましたか?リンゴを丸焼きにするなんて載っていました?」
初っぱなから心配になってきたシオンが確認するとリンは驚くべき返事をしてきた。
「シルバー家本邸の専属シェフのルドルフはリンゴを丸焼きにしたお菓子が上手だった!だからアップルパイはその応用だと思って」
「リン様。それは焼きリンゴです。アップルパイでは基本的にリンゴを丸焼きにはしませんよ。ほどよい大きさにカットします」
まずはパイ生地を作ろうとシオンが材料を取り出すとリンは不思議そうな顔で言ったのだ。
「シオンはどうやって料理を会得したの?私と同い年まで家事なんて縁がなかっただろう?」
訊いてしまってからリンは後悔した。
シオンは15歳で貴族の身分を剥奪されて国を追われる羽目になり、リンには想像できぬほどの苦労をしてきたのだ。
過去の話をすると高確率で情緒不安定になるほどシオンは過去にトラウマを抱えている。
軽はずみな質問をしてしまったとリンがハラハラしているとシオンは笑みを浮かべて答えてくれた。
「15歳で亡命したとき、俺はリン様以上になにもできない子供でした。世話をしてくれる人がいないから着替えも満足にできないくらい」
それは執事としてテキパキと働いている現在のシオンからは想像できない姿である。
唖然とするリンの隣でシオンはパイ生地をこねながら微笑んだ。
「15歳まで身を粉にして働いてこなかったので亡命した自由都市でも市長にたくさん叱られました。言葉遣いや態度を直せとか、色々と」
「苦労したのだな。市長殿はシオンに賭場を任せるくらい信用していた。短期間で生活に必要なことを学んで習得した。私ではとても無理だよ」
自分は嫁いできてそれなりに時間も経過しているのに縫い物や料理が上達しない、とリンがため息を吐くとシオンは苦笑いをした。
「リン様は輿入れして1年も経ってないです。焦らなくても必要に迫られれば嫌でも家事は覚えます。時間がかかってもユーリ様やラン・ヤスミカ家の皆様は怒りません」
気長に努力すれば大丈夫ですよ、とシオンはアップルパイ作りの手を止めずリンを励ました。
結局のところリンはリンゴの皮を剥いたり、包丁で切ることも満足にできず、アップルパイはほとんどシオンによって完成して厨房に甘い匂いが心地よく漂った。
リンはシオンが調理をする動作を細かく観察していたが手際がよすぎてとても真似できそうにない。
「私では何年努力しても到達できそうもない」
出来立てのアップルパイを見ながら落ち込むリンの顔を見てシオンは笑顔で告げた。
「急にアップルパイは難しいと思うので今度、違う焼き菓子を作りませんか?クッキーとか?マドレーヌとか?」
「たしかに最初は基礎をかためることが大事か!シオン!また時間があったら教えてくれ!」
頼み込むリンにシオンは「もちろんです」と明るく応じた。
そうしている間に美味しそうな匂いに誘われたのか、モモがミモザ王子を連れて厨房に入ってきた。
「お!アップルパイだ!シオン!これ食べてもいいのか!?」
「もちろん!ユーリ様も戻られるからお茶の支度をしよう!」
シオンが後片付けを始めたのでモモは紅茶の用意を手伝っていた。
リンもせめて後片付けでは役に立とうとアップルパイ作りに使用した道具を洗おうとしたらすぐ近くで声がした。
「この炭のような物体は亡骸か?」
なんとミモザ王子がリンとシオンが捨て忘れた炭くずリンゴを見つめている。
「シオン。この黒い物体はなんなのだ?火刑のようだ」
ミモザ王子にはもはやリンゴにさえ見えなかったようだがシオンは素早く誤魔化した。
「これは!食材を傷ませないための炭です!気温があがると食材が傷むゆえ」
「なるほど。厨房を清潔にするのも執事の仕事か。黒くて丸くてオブジェのようだ」
アップルパイ失敗作はミモザ王子によってオブジェと認定されてしまったが、リンは咄嗟に誤魔化してくれたシオンに感謝した。
「さあ!紅茶の用意もできたしアップルパイを食べようぜ!」
「まだ、ユーリ様が帰ってこないからダメだぞ」
ユーリが屋敷に戻るまでアップルパイはお預けとなった。
早くユーリが帰ってこないかなとリンが待っていると不意にミモザ王子が耳打ちしてきた。
「シオンは嘘が下手だ。リン。何事も諦めず努力することだな」
どうやらミモザ王子には料理下手はバレバレだったらしいとリンが悟ったとき、ユーリが本邸の手伝いから戻ってきた。
「リン!戻ったぞ!少し前に別邸から焦げた臭いがしたけど大丈夫か!?」
本邸で仕事をしていたユーリにはリンの丸焦げリンゴの匂いが伝わっていた。
「すみません!あの、アップルパイを作ろうとして大失敗しました」
「そうなのか!でも、リンに火傷とか怪我がなくてよかった!」
ユーリは笑顔でそう言うとリンを抱きしめている。
様子を見ていたシオンはモモとミモザ王子に囁いた。
「リン様が多少料理が苦手でもユーリ様は気にしてない」
「むしろ、あの丸焦げリンゴを食べそうだな」
クスクス笑うシオンとモモにミモザ王子は告げた。
「愛する者のため精進するのは良いことだ」
ユーリがリンを抱擁している姿をミモザ王子は微笑を浮かべて見つめていた。
end
ラン・ヤスミカ家別邸の執事シオンは火災かと慌てて厨房に急いだら幸い火の手はあがっていなかった。
単にリンがアップルパイを焦がしただけであった。
「すごく焦げてますね。アップルパイの原型をとどめていません」
焦げ臭いなかで仄かにリンゴの匂いがしたのでシオンはアップルパイだと特定したが素人目には炭くずである。
とりあえず別邸が火災にならず、リンに怪我もないようなのでシオンは安堵したがリンは炭と化したアップルパイを持ったまま立ち尽くしている。
「リン様?アップルパイが食べたいのなら俺がつくります。火傷とかないですか?」
シオンが尋ねてもリンはしょんぼりして俯いていた。
「またお菓子作りに失敗した。いや……お菓子だけじゃなくて私はマトモに料理ができない!嫁なのに!」
リーサ義母上やフィンナ義姉上のように愛する伴侶に美味しい料理を食べてもらいたいのに、とリンはそうとうにへこんでいる。
要するにリンはユーリに手作り料理を食べさせたいのだ。
可憐で聡明なリンだが嫁いできてから特訓しているのに料理や裁縫などの家事が上達していなかった。
人間には向き不向きがあり、別邸ではシオンが家事全般をしているので問題ないと思われるがリンはひそかに悩んでいたらしい。
元伯爵家の嫡男だったシオンとしては本来貴族は率先して家事などしないし、やってくれる使用人がいるのなら遠慮なく任せればいいと思うが、ラン・ヤスミカ家は主人一家も細々とした家事をするのでまったくできないのは肩身が狭いというリンの不安も理解できる。
「リン様。仰ってくれれば料理はお教えしますので。あまり気に病まないでください。よろしければこれからもう一度、アップルパイを作りますか?2人で」
このシオンの提案にリンは素直に頷いた。
「ありがとう!シオンが教えてくれるなら心強い!早速リンゴを丸焼きにしよう!」
「あの……リン様。アップルパイのレシピなどは見ましたか?リンゴを丸焼きにするなんて載っていました?」
初っぱなから心配になってきたシオンが確認するとリンは驚くべき返事をしてきた。
「シルバー家本邸の専属シェフのルドルフはリンゴを丸焼きにしたお菓子が上手だった!だからアップルパイはその応用だと思って」
「リン様。それは焼きリンゴです。アップルパイでは基本的にリンゴを丸焼きにはしませんよ。ほどよい大きさにカットします」
まずはパイ生地を作ろうとシオンが材料を取り出すとリンは不思議そうな顔で言ったのだ。
「シオンはどうやって料理を会得したの?私と同い年まで家事なんて縁がなかっただろう?」
訊いてしまってからリンは後悔した。
シオンは15歳で貴族の身分を剥奪されて国を追われる羽目になり、リンには想像できぬほどの苦労をしてきたのだ。
過去の話をすると高確率で情緒不安定になるほどシオンは過去にトラウマを抱えている。
軽はずみな質問をしてしまったとリンがハラハラしているとシオンは笑みを浮かべて答えてくれた。
「15歳で亡命したとき、俺はリン様以上になにもできない子供でした。世話をしてくれる人がいないから着替えも満足にできないくらい」
それは執事としてテキパキと働いている現在のシオンからは想像できない姿である。
唖然とするリンの隣でシオンはパイ生地をこねながら微笑んだ。
「15歳まで身を粉にして働いてこなかったので亡命した自由都市でも市長にたくさん叱られました。言葉遣いや態度を直せとか、色々と」
「苦労したのだな。市長殿はシオンに賭場を任せるくらい信用していた。短期間で生活に必要なことを学んで習得した。私ではとても無理だよ」
自分は嫁いできてそれなりに時間も経過しているのに縫い物や料理が上達しない、とリンがため息を吐くとシオンは苦笑いをした。
「リン様は輿入れして1年も経ってないです。焦らなくても必要に迫られれば嫌でも家事は覚えます。時間がかかってもユーリ様やラン・ヤスミカ家の皆様は怒りません」
気長に努力すれば大丈夫ですよ、とシオンはアップルパイ作りの手を止めずリンを励ました。
結局のところリンはリンゴの皮を剥いたり、包丁で切ることも満足にできず、アップルパイはほとんどシオンによって完成して厨房に甘い匂いが心地よく漂った。
リンはシオンが調理をする動作を細かく観察していたが手際がよすぎてとても真似できそうにない。
「私では何年努力しても到達できそうもない」
出来立てのアップルパイを見ながら落ち込むリンの顔を見てシオンは笑顔で告げた。
「急にアップルパイは難しいと思うので今度、違う焼き菓子を作りませんか?クッキーとか?マドレーヌとか?」
「たしかに最初は基礎をかためることが大事か!シオン!また時間があったら教えてくれ!」
頼み込むリンにシオンは「もちろんです」と明るく応じた。
そうしている間に美味しそうな匂いに誘われたのか、モモがミモザ王子を連れて厨房に入ってきた。
「お!アップルパイだ!シオン!これ食べてもいいのか!?」
「もちろん!ユーリ様も戻られるからお茶の支度をしよう!」
シオンが後片付けを始めたのでモモは紅茶の用意を手伝っていた。
リンもせめて後片付けでは役に立とうとアップルパイ作りに使用した道具を洗おうとしたらすぐ近くで声がした。
「この炭のような物体は亡骸か?」
なんとミモザ王子がリンとシオンが捨て忘れた炭くずリンゴを見つめている。
「シオン。この黒い物体はなんなのだ?火刑のようだ」
ミモザ王子にはもはやリンゴにさえ見えなかったようだがシオンは素早く誤魔化した。
「これは!食材を傷ませないための炭です!気温があがると食材が傷むゆえ」
「なるほど。厨房を清潔にするのも執事の仕事か。黒くて丸くてオブジェのようだ」
アップルパイ失敗作はミモザ王子によってオブジェと認定されてしまったが、リンは咄嗟に誤魔化してくれたシオンに感謝した。
「さあ!紅茶の用意もできたしアップルパイを食べようぜ!」
「まだ、ユーリ様が帰ってこないからダメだぞ」
ユーリが屋敷に戻るまでアップルパイはお預けとなった。
早くユーリが帰ってこないかなとリンが待っていると不意にミモザ王子が耳打ちしてきた。
「シオンは嘘が下手だ。リン。何事も諦めず努力することだな」
どうやらミモザ王子には料理下手はバレバレだったらしいとリンが悟ったとき、ユーリが本邸の手伝いから戻ってきた。
「リン!戻ったぞ!少し前に別邸から焦げた臭いがしたけど大丈夫か!?」
本邸で仕事をしていたユーリにはリンの丸焦げリンゴの匂いが伝わっていた。
「すみません!あの、アップルパイを作ろうとして大失敗しました」
「そうなのか!でも、リンに火傷とか怪我がなくてよかった!」
ユーリは笑顔でそう言うとリンを抱きしめている。
様子を見ていたシオンはモモとミモザ王子に囁いた。
「リン様が多少料理が苦手でもユーリ様は気にしてない」
「むしろ、あの丸焦げリンゴを食べそうだな」
クスクス笑うシオンとモモにミモザ王子は告げた。
「愛する者のため精進するのは良いことだ」
ユーリがリンを抱擁している姿をミモザ王子は微笑を浮かべて見つめていた。
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