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副作用じゃない愛
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リンが調合したエロ媚薬のせいでシオンの理性と自制心がバグってエドガーと関係を持ってしまった件はユーリを相当に悩ませた。
心身ともに大ダメージを負ったシオンだが現在は回復して再びラン・ヤスミカ家の別邸執事として働いてくれている。
シオンの心の底にエドガーへの好意があったからエロ媚薬の効果で誘惑したのだろうと推測できるが問題はそこではない。
「エロ媚薬を盛られるレベルに俺って物足りないとリンに思われてる?」
ユーリ・ラン・ヤスミカという18歳の青年貴族は元来から性欲に関しては淡白である。
リンを本気で愛しているし、本気でセックスしてるつもりだったが物足りないのかとユーリは悶々としていた。
ユーリが淡白というよりもリンを初めシルバー家の子弟の性欲と貞操観念がバグり散らかしてるだけともとらえられるがユーリは変なところで真面目な性格である。
「俺がリンを満足させることができなかったばかりにシオンがリンのエロ媚薬の被害に遭った」
朗らかだが割りと責任感が強いユーリはそう結論づけたのである。
なので2度とリンのエロ媚薬の犠牲者を出さないためにもユーリは性欲を高めようと決意した。
正直18歳の男子が決意するようなことでもない気がするがユーリは本気だ。
「とりあえず……リンには内緒で性欲強めな人の意見を伺おう」
考えた末にユーリは実兄のエセルに相談することにした。
エセルは25歳でラン・ヤスミカ家の次期当主だがすでに9歳の双子のパパで嫁フィンナとは事実上はデキ婚という穏やかそうで、なかなかやるお兄様である。
ユーリにとっても優しくて信頼できる兄なので相談相手にはもってこいだ。
恥をしのんでユーリはエセルに性欲とはなんたるかを訊ねてみることにした。
本邸でエセルとユーリだけ執務室に残されたとき思いきって相談したのである。
「兄上!未熟な俺に教えてくれ!リンとのセックスを激しくしてリンに満足してもらうにはどうしたらいい!?」
エセル・ラン・ヤスミカ……25歳は18歳の実の弟の唐突かつ切迫した相談に動揺せず笑顔で応じた。
「ユーリ。小鳥が鷹のように振る舞えないのと同じで元から性欲旺盛でない人間が性欲モリモリにはなれないよ。お薬でも使わないと」
「そうだけど!兄上。お薬の結果……シオンはメンタル崩壊しかけた。あれは全部、俺がリンを満足させられなかったからで!」
「責任を感じるのは偉いけど……ユーリは少し勘違いしてるね」
エセルは穏やかに微笑むと困惑するユーリに話し出した。
「リン殿はユーリの純朴さを愛してる。でなければ騙されたとはいえシルバー家ほどの名門のご令息が素直にユーリの花嫁にはならないよ」
実家を追い出されたも同然のリンだがシルバー家レベルの名門大貴族の子弟ならば、たとえ身分が庶子でもほかに行くあてがある。
なのに大人しくユーリと婚姻して仲睦まじくしているのだからリンはユーリに対して不満なんて持っていない。
「単純にいつもと異なるユーリを見たかった。リン殿がエロ媚薬を作った理由はそれだけだよ」
だから急に性欲旺盛マンになることないとエセルは優しい声音で告げる。
「ユーリがリン殿が好きでリン殿もユーリが好きならなんの問題も悩むこともない」
「そう……だけど……。俺ってエセル兄上みたいに積極的になれない。フィンナ義姉上は何年経っても兄上にラブラブだろ?俺とリンもそうなれるかな?」
「心配することないよ。ユーリとリン殿ならずっと夫婦で仲良く暮らせる。お前は優しいからね。自慢の弟だ」
優しいのはエセル兄上だとユーリが言いかけると執務室にトイレに出ていた父ラクロワが戻ってきた。
「2人とも遅くなってすまない!いや~!ヨザフが執拗にワイ談をねだってきてね!そんなにワイ談が聴きたいなら別邸のシオンのとこに行っておいでって誘導してたんだよ」
エドガーと不本意にもセックスしてしまったばかりのシオンにワイ談をさせようは流石にダメではないかとユーリは焦ったがラクロワは呑気に笑った。
「冗談だよ!ヨゼフ爺さんだってそんな鬼畜なことは要求しない!シオンの体調が大丈夫が様子を見に行っただけ!」
「ならば……よいのですが?シオンだって回復したとはいえ話したくないでしょう」
ユーリがそう言うとラクロワとエセルは顔を見合わせて微笑んだ。
「ユーリのそういう気遣えて心優しいところ。兄として大好きだよ」
「そうだな!リン殿だってユーリのそういう慈愛に満ちた態度にメロメロだ!」
なんか誉められてるが父と兄の言い方に含みがある。
しかし、大切な父上と兄上に誉められたユーリには言外の意味を探るというコマンドが存在しなかった。
ラクロワとエセルがなんで顔を見合わせたのかには理由があった。
シオンは根本的に真面目で貞操観念は厳格な方だが貴族から没落して他国に亡命して賭場の元締めまでなっただけありヤワな神経ではない。
簡単に言うとメンタルが崩壊して1周回って色々とブッ飛んでしまった状態である。
ユーリの性欲増進は置いといて領地のあれこれを話し合おうとしていたら執務室にヨゼフ爺さんと本邸執事のトーマスが入ってきた。
「どうした?2人そろって?何か急用かい?」
当主のラクロワが落ち着いた声で訊ねるとトーマスがメガネを整えて生真面目に報告した。
「ヨゼフお爺ちゃんのお供で別邸にシオンの様子を見に向かったのですがタイミングが悪かったです」
「いやいや!トーマスよ!あれは絶好のサービスタイムだろう!?逃げることないぞ?」
執事のトーマスと隠居同然の下働きのヨゼフ爺さんとで意見が噛み合ってない。
タイミングが悪かったとはなんだとユーリが問おうとしたらリンまで執務室に顔を出した。
「ユーリ。今は別邸に戻らない方がいいです。エドガー兄様とシオンが……」
「え?まさか……真っ昼間からそういう行為をしているのか?」
エドガーは性欲というよりはエロ妄想の権化なので愛人関係になったシオンを無理やり犯してるのかとユーリはビビったがリンがさらに驚愕するようなことを言った。
「あのエロ媚薬を原液で飲んだ副作用なのかシオンはエドガー兄様を見ると欲情するそうです。エロ小説を読んでいたエドガー兄様に抱けとシオンが迫ってました」
「それ!かなり深刻な副作用だぞ!?ことを終えた後、シオンがまた嘔吐したらどうする?」
「それでも誘っている時点でシオンはエドガー兄様が好きですよ。私の作ったエロ媚薬は貞操観念を崩壊させる副作用があったようで」
どちらにしろ副作用でエドガーに迫る段階でシオンは亡き妻の幻影からは嫌でも解放されたことになる。
それがシオンの幸せかはユーリには分からないがシオンの亡き妻だって怒りはしないと思った。
「エドガー義兄上とシオンのことは当人たちに任せる。それより……リン」
ユーリは父と兄と本邸の執事と半隠居老人が見ている前で宣言した。
「俺はリンと夫婦になれてよかったって墓場に入っても思い続ける!たとえリンがエロ媚薬を調合して気軽に放置して大惨事を引き起こすような嫁でも!」
ユーリの魂からの叫びにリンはキョトンとしたが次第に赤面してきた。
「嬉しいです……これからもユーリと夫婦で仲良く暮らしたい。一緒にお風呂に入っても欲情してくれない夫でもユーリが大好きです!」
浴場だけに欲情かとユーリとリン以外のこの場にいる全員が同時に思っていた。
そんなわけで別邸にしばらく帰れないのなら本邸でみんなでティータイムでもしようとラクロワとエセルが提案してユーリとリンは和気あいあいとティータイムを楽しんでいた。
一方の別邸ではシオンが仕事をしながら心配していた。
「本邸に向かったユーリ様とリン様が戻ってこない?何かあったのか?」
別邸には食堂でエロ小説を熟読しているエドガーだけが優雅に紅茶を飲んでいる。
実はトーマスやヨゼフお爺ちゃん……そして、リンが告げたシオンが欲情してエドガーに迫っているは全部真っ赤な嘘である。
リンが大好きなエドガー兄様が愛するシオンと2人きりになりたいだろうと考えて計ったのだ。
しかし、肝心のエドガーはエロ小説を読んでいてシオンも淡々と屋敷の仕事をしている。
お昼が過ぎても主人夫婦が戻らないのでシオンが痺れをきらして本邸に様子を見に行こうとしたらエドガーが止めた。
「皆……気を遣っている。シオン……私の膝に座ってもらえまいか?」
「あぁ……!そういうことか!全く……!ユーリ様もリン様も気遣うポイントが違うだろ?」
「好意はありがたく受けとるものだ。それより膝に……」
「はいはい!座りますよ!ほら、これで満足か?エドガー?」
痩身なシオンが腰をおろしたのでエドガーは少し微笑むと本を手放してシオンの身体を抱きしめた。
「シオン……不本意でも私の愛人になってくれて感謝する」
エドガーがそう囁くとシオンは笑ったまんまグーパンでエドガーを殴り倒した。
殴り倒されてポカーンとするエドガーにシオンは笑顔でのしかかり告げたのである。
「この俺が嫌々お前みたいなエロ変態の愛人になると思うか?舐めるな!」
そう言い切るとシオンはエドガーの唇にソッとキスをした。
言葉の意味を理解したエドガーが驚くとシオンは鳶色の瞳をニヤリと細めて言った。
「エロ小説を読み漁ってるなら恋心くらい勉強しろよ!バーカ!」
本気で愛人になるのが嫌なら自害してると笑われてエドガーは次第に笑みを浮かべて告げた。
「モモに恋して狂っているミシェル兄上のお気持ちが理解できた気がする」
それだけ言うとエドガーは自分を見据えるシオンに手をのばした。
end
心身ともに大ダメージを負ったシオンだが現在は回復して再びラン・ヤスミカ家の別邸執事として働いてくれている。
シオンの心の底にエドガーへの好意があったからエロ媚薬の効果で誘惑したのだろうと推測できるが問題はそこではない。
「エロ媚薬を盛られるレベルに俺って物足りないとリンに思われてる?」
ユーリ・ラン・ヤスミカという18歳の青年貴族は元来から性欲に関しては淡白である。
リンを本気で愛しているし、本気でセックスしてるつもりだったが物足りないのかとユーリは悶々としていた。
ユーリが淡白というよりもリンを初めシルバー家の子弟の性欲と貞操観念がバグり散らかしてるだけともとらえられるがユーリは変なところで真面目な性格である。
「俺がリンを満足させることができなかったばかりにシオンがリンのエロ媚薬の被害に遭った」
朗らかだが割りと責任感が強いユーリはそう結論づけたのである。
なので2度とリンのエロ媚薬の犠牲者を出さないためにもユーリは性欲を高めようと決意した。
正直18歳の男子が決意するようなことでもない気がするがユーリは本気だ。
「とりあえず……リンには内緒で性欲強めな人の意見を伺おう」
考えた末にユーリは実兄のエセルに相談することにした。
エセルは25歳でラン・ヤスミカ家の次期当主だがすでに9歳の双子のパパで嫁フィンナとは事実上はデキ婚という穏やかそうで、なかなかやるお兄様である。
ユーリにとっても優しくて信頼できる兄なので相談相手にはもってこいだ。
恥をしのんでユーリはエセルに性欲とはなんたるかを訊ねてみることにした。
本邸でエセルとユーリだけ執務室に残されたとき思いきって相談したのである。
「兄上!未熟な俺に教えてくれ!リンとのセックスを激しくしてリンに満足してもらうにはどうしたらいい!?」
エセル・ラン・ヤスミカ……25歳は18歳の実の弟の唐突かつ切迫した相談に動揺せず笑顔で応じた。
「ユーリ。小鳥が鷹のように振る舞えないのと同じで元から性欲旺盛でない人間が性欲モリモリにはなれないよ。お薬でも使わないと」
「そうだけど!兄上。お薬の結果……シオンはメンタル崩壊しかけた。あれは全部、俺がリンを満足させられなかったからで!」
「責任を感じるのは偉いけど……ユーリは少し勘違いしてるね」
エセルは穏やかに微笑むと困惑するユーリに話し出した。
「リン殿はユーリの純朴さを愛してる。でなければ騙されたとはいえシルバー家ほどの名門のご令息が素直にユーリの花嫁にはならないよ」
実家を追い出されたも同然のリンだがシルバー家レベルの名門大貴族の子弟ならば、たとえ身分が庶子でもほかに行くあてがある。
なのに大人しくユーリと婚姻して仲睦まじくしているのだからリンはユーリに対して不満なんて持っていない。
「単純にいつもと異なるユーリを見たかった。リン殿がエロ媚薬を作った理由はそれだけだよ」
だから急に性欲旺盛マンになることないとエセルは優しい声音で告げる。
「ユーリがリン殿が好きでリン殿もユーリが好きならなんの問題も悩むこともない」
「そう……だけど……。俺ってエセル兄上みたいに積極的になれない。フィンナ義姉上は何年経っても兄上にラブラブだろ?俺とリンもそうなれるかな?」
「心配することないよ。ユーリとリン殿ならずっと夫婦で仲良く暮らせる。お前は優しいからね。自慢の弟だ」
優しいのはエセル兄上だとユーリが言いかけると執務室にトイレに出ていた父ラクロワが戻ってきた。
「2人とも遅くなってすまない!いや~!ヨザフが執拗にワイ談をねだってきてね!そんなにワイ談が聴きたいなら別邸のシオンのとこに行っておいでって誘導してたんだよ」
エドガーと不本意にもセックスしてしまったばかりのシオンにワイ談をさせようは流石にダメではないかとユーリは焦ったがラクロワは呑気に笑った。
「冗談だよ!ヨゼフ爺さんだってそんな鬼畜なことは要求しない!シオンの体調が大丈夫が様子を見に行っただけ!」
「ならば……よいのですが?シオンだって回復したとはいえ話したくないでしょう」
ユーリがそう言うとラクロワとエセルは顔を見合わせて微笑んだ。
「ユーリのそういう気遣えて心優しいところ。兄として大好きだよ」
「そうだな!リン殿だってユーリのそういう慈愛に満ちた態度にメロメロだ!」
なんか誉められてるが父と兄の言い方に含みがある。
しかし、大切な父上と兄上に誉められたユーリには言外の意味を探るというコマンドが存在しなかった。
ラクロワとエセルがなんで顔を見合わせたのかには理由があった。
シオンは根本的に真面目で貞操観念は厳格な方だが貴族から没落して他国に亡命して賭場の元締めまでなっただけありヤワな神経ではない。
簡単に言うとメンタルが崩壊して1周回って色々とブッ飛んでしまった状態である。
ユーリの性欲増進は置いといて領地のあれこれを話し合おうとしていたら執務室にヨゼフ爺さんと本邸執事のトーマスが入ってきた。
「どうした?2人そろって?何か急用かい?」
当主のラクロワが落ち着いた声で訊ねるとトーマスがメガネを整えて生真面目に報告した。
「ヨゼフお爺ちゃんのお供で別邸にシオンの様子を見に向かったのですがタイミングが悪かったです」
「いやいや!トーマスよ!あれは絶好のサービスタイムだろう!?逃げることないぞ?」
執事のトーマスと隠居同然の下働きのヨゼフ爺さんとで意見が噛み合ってない。
タイミングが悪かったとはなんだとユーリが問おうとしたらリンまで執務室に顔を出した。
「ユーリ。今は別邸に戻らない方がいいです。エドガー兄様とシオンが……」
「え?まさか……真っ昼間からそういう行為をしているのか?」
エドガーは性欲というよりはエロ妄想の権化なので愛人関係になったシオンを無理やり犯してるのかとユーリはビビったがリンがさらに驚愕するようなことを言った。
「あのエロ媚薬を原液で飲んだ副作用なのかシオンはエドガー兄様を見ると欲情するそうです。エロ小説を読んでいたエドガー兄様に抱けとシオンが迫ってました」
「それ!かなり深刻な副作用だぞ!?ことを終えた後、シオンがまた嘔吐したらどうする?」
「それでも誘っている時点でシオンはエドガー兄様が好きですよ。私の作ったエロ媚薬は貞操観念を崩壊させる副作用があったようで」
どちらにしろ副作用でエドガーに迫る段階でシオンは亡き妻の幻影からは嫌でも解放されたことになる。
それがシオンの幸せかはユーリには分からないがシオンの亡き妻だって怒りはしないと思った。
「エドガー義兄上とシオンのことは当人たちに任せる。それより……リン」
ユーリは父と兄と本邸の執事と半隠居老人が見ている前で宣言した。
「俺はリンと夫婦になれてよかったって墓場に入っても思い続ける!たとえリンがエロ媚薬を調合して気軽に放置して大惨事を引き起こすような嫁でも!」
ユーリの魂からの叫びにリンはキョトンとしたが次第に赤面してきた。
「嬉しいです……これからもユーリと夫婦で仲良く暮らしたい。一緒にお風呂に入っても欲情してくれない夫でもユーリが大好きです!」
浴場だけに欲情かとユーリとリン以外のこの場にいる全員が同時に思っていた。
そんなわけで別邸にしばらく帰れないのなら本邸でみんなでティータイムでもしようとラクロワとエセルが提案してユーリとリンは和気あいあいとティータイムを楽しんでいた。
一方の別邸ではシオンが仕事をしながら心配していた。
「本邸に向かったユーリ様とリン様が戻ってこない?何かあったのか?」
別邸には食堂でエロ小説を熟読しているエドガーだけが優雅に紅茶を飲んでいる。
実はトーマスやヨゼフお爺ちゃん……そして、リンが告げたシオンが欲情してエドガーに迫っているは全部真っ赤な嘘である。
リンが大好きなエドガー兄様が愛するシオンと2人きりになりたいだろうと考えて計ったのだ。
しかし、肝心のエドガーはエロ小説を読んでいてシオンも淡々と屋敷の仕事をしている。
お昼が過ぎても主人夫婦が戻らないのでシオンが痺れをきらして本邸に様子を見に行こうとしたらエドガーが止めた。
「皆……気を遣っている。シオン……私の膝に座ってもらえまいか?」
「あぁ……!そういうことか!全く……!ユーリ様もリン様も気遣うポイントが違うだろ?」
「好意はありがたく受けとるものだ。それより膝に……」
「はいはい!座りますよ!ほら、これで満足か?エドガー?」
痩身なシオンが腰をおろしたのでエドガーは少し微笑むと本を手放してシオンの身体を抱きしめた。
「シオン……不本意でも私の愛人になってくれて感謝する」
エドガーがそう囁くとシオンは笑ったまんまグーパンでエドガーを殴り倒した。
殴り倒されてポカーンとするエドガーにシオンは笑顔でのしかかり告げたのである。
「この俺が嫌々お前みたいなエロ変態の愛人になると思うか?舐めるな!」
そう言い切るとシオンはエドガーの唇にソッとキスをした。
言葉の意味を理解したエドガーが驚くとシオンは鳶色の瞳をニヤリと細めて言った。
「エロ小説を読み漁ってるなら恋心くらい勉強しろよ!バーカ!」
本気で愛人になるのが嫌なら自害してると笑われてエドガーは次第に笑みを浮かべて告げた。
「モモに恋して狂っているミシェル兄上のお気持ちが理解できた気がする」
それだけ言うとエドガーは自分を見据えるシオンに手をのばした。
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