35 / 76
領民会館サークル全容
しおりを挟む
ラン・ヤスミカ領の中心にある領民会館はいわば公民館みたいなものである。
館内には図書室があったり、談話室があったり、広場もある。
領地の人々の憩いの場であり、特に高齢の方々が多い。
家業を子供や孫に託して現役を退いたご年配の紳士淑女は自由にサークルのようなものを作り活動している。
そんなラン・ヤスミカ領民会館にリンはユーリと遊びに出かけた。
名目上は視察だが領主一家が出向くと会館を利用している人たちが喜ぶのだ。
特に18歳のユーリと15歳のリンの男子若夫婦は領民にも人気がある。
「それにしてもラン・ヤスミカ領は公共施設が充実してますね?」
リンが微笑んで訊ねるとユーリがポカーンとした顔になった。
「そうか?うちの領って代々領民の支えがあって成り立ってたから領民の暮らしに役立つ建物造るが普通だと思ってた」
「その領地の人々のためを考えることが普通にできる貴族は少数ですよ。歴代のラン・ヤスミカ家の方々は立派です」
リンの実家シルバー家は大貴族で王都に広大な屋敷と領地を誇るが必ずしも民衆ファーストではない。
そもそもリン自身が当主クロードが平民の娘を手ごめにして誕生した不平等の申し子である。
リンの母違いの長兄ミシェルはそんな狡猾ロリクソ親父クロードに対して複雑な気持ちと反発を抱きつつ異母弟のリンを可愛がってくれた。
ミシェルはどちらかというと封建的な世の中に懐疑的で大貴族の嫡男なのに貧民窟で犯罪連続記録を樹立して処刑されそうだった少年モモを保護して屋敷に連れ帰るなど気持ちは貧しい者に寄り添っている。
それだけだとミシェルが聖人のように映るがミシェルは社会的に弱い者に手を差しのべる善行と同時に貧民窟で保護した11歳だったモモを愛人にするという性犯罪も両立している。
ミシェルとモモの関係はおいておいて領民会館である。
受付にはラン・ヤスミカ家が任命した会館長が座っている。
この会館長は領立学校の引退した元校長先生が就任する決まりだ。
要はシルバーワークであった。
現在の会館長はネルソンという60代の男性である。
会館の入り口にユーリとリンが現れるとネルソンは笑顔で手招きした。
「おや!ラン・ヤスミカ家のユーリ様とリン様!視察のお仕事ですかな?サークルの皆が喜びますぞ!」
「久しぶり。ネルソン。視察ってほど大げさじゃない。施設内で何か故障とかトラブルはあったか?ここも修繕はしてるがだいぶ古いだろ?」
「お陰さまで施設は問題ございません!サークル内での喧嘩もなく和やかですよ」
ネルソンの穏やかな口調にリンは領地の人々がひらいているサークルとやらが気になった。
「ごきげんよう。ネルソン殿。あの…領地の方々が楽しんでいるサークルとはどのような?」
年配の男女が多いので読書や刺繍や詩歌にダンスなどを愛好する会かとリンは思っていたが違った。
「リン様。こちらが人気サークルのチラシでございます!1番人気はこちら!」
ネルソンが見せてくれた人気サークルの記載にリンは目を疑った。
「え?仲良し戦闘訓練サークル!?男女ともに参加可能!?剣、槍、弓一式、鎧に盾は会館がレンタルします?手ぶらでOK!?条件は死んでも自己責任の書類への署名捺印!?これがサークル?軍隊では?」
「このサークルが大人気でしてね!ラン・ヤスミカ領って小さくてショボいから何時なんどき敵や盗賊の強奪があるかわかりません!頼りの領主一家は激弱ですから!領民がガチで戦闘しないと!」
領主の次男ユーリがいる前で平然と領主であるラン・ヤスミカ家はクソ弱いとディスるネルソンさん。
さすがに穏やかなユーリも怒らないかとリンは焦ったがユーリは笑っている。
「ごめんな!俺の家系って戦争強い人間はほぼいなくて!今まで領地滅んでないのが奇跡だ。それもこれも伝統ある仲良し戦闘訓練サークルが私軍として戦ってくれたお陰だよ!ありがとな」
ラン・ヤスミカ領が小さくてもこんにちまで存続していたのは仲良し戦闘訓練サークルの働きあってこそだった。
そりゃ、領民に頭があがらないだろうとリンは呆気にとられた。
シルバー家だって大貴族なのに軍人を多く輩出してないので同じだが代わりに政治家は多く出ている。
そもそも軍事より政治力に突出したシルバー家だが貴族の必須科目としてリンだって武術訓練を受けていた。
高齢者を私軍として頼りにするは領地の安泰を考えると危険すぎる。
「あの…仲良し戦闘訓練サークルは若い人は参加しないのですか?」
リンの疑問にネルソンは微笑んだ。
「しませんよ!若者は家業で忙しく女性は子育てにも多忙です!力があまってるお爺さんとお婆さんがメインのサークルですから!」
「そうですけど!いざ戦闘になったときに若年層に戦の心得がないと領地が危うい!」
高齢者がいくら奮戦しても大群が迫ってきたら命はないとリンが力説するとユーリは言った。
「俺もそうだけど領地の若い奴らも学校で戦闘訓練してるぞ?花火作りから爆弾作りだけじゃなく卒業製作は大砲で砲弾とばすだしな!」
「嘘!?ミシェル兄上はなにも言ってないです!先生してたなら生徒が大砲製造してたら驚くと思うのですが!?」
「あれは内緒にしてもらってる。小さな領地が下手に軍事訓練してるってバレるとヤバイから。このラン・ヤスミカ領に住んでる人たちの民家には最低3台は大砲があって砲弾ストックもあるんだ。もちろんうちの屋敷にもあるぞ!」
リンは嫁いできてだいぶ経過したが領地がそこまで軍事に長けてるとは予想外だった。
その大砲と砲弾の材料の仕入れ先はどこか質問するのが怖い。
「それほどの軍事力があるとは知らず……ユーリの妻なのに情けないです」
自分は嫁いできた領地のことをまだなにも知らなかったと落ち込むリンにユーリは笑顔で口を開いた。
「内緒にしててごめんな。リンを信用してなかった訳じゃない。でも、ラン・ヤスミカ領は極力戦争しないって方針だ。大砲があっても戦闘訓練してても傷ついたり死ぬ人はでるからな」
「そうですね……。武器や武術はもしもの備えであって勇んで戦争するのは愚行です」
そう呟いてリンが微笑んだときネルソンが別のチラシを見せた。
「これなんか若者に人気のサークルですよ?恋ばなサークル!修学旅行の夜みたいな気分を味わえます」
「これは…随分と平和的な!え?条件は恋ばなサークルで知った情報を漏洩しない。違反者は領内引き回しのうえ鞭で100回打たれて、【バカ】のタトゥーをオデコに彫るペナルティあり!?厳しすぎる!」
「恋ばなの漏洩は重罪ですからな!」
大砲や戦闘訓練してる情報より恋ばな情報の方が機密性が高いラン・ヤスミカ領民会館サークルであった。
ちなみに恋ばなサークルにリンの次兄エドガーが参加している事実をユーリとリンはまだ知る由もない。
恋ばなサークルは参加者匿名性であった。
end
館内には図書室があったり、談話室があったり、広場もある。
領地の人々の憩いの場であり、特に高齢の方々が多い。
家業を子供や孫に託して現役を退いたご年配の紳士淑女は自由にサークルのようなものを作り活動している。
そんなラン・ヤスミカ領民会館にリンはユーリと遊びに出かけた。
名目上は視察だが領主一家が出向くと会館を利用している人たちが喜ぶのだ。
特に18歳のユーリと15歳のリンの男子若夫婦は領民にも人気がある。
「それにしてもラン・ヤスミカ領は公共施設が充実してますね?」
リンが微笑んで訊ねるとユーリがポカーンとした顔になった。
「そうか?うちの領って代々領民の支えがあって成り立ってたから領民の暮らしに役立つ建物造るが普通だと思ってた」
「その領地の人々のためを考えることが普通にできる貴族は少数ですよ。歴代のラン・ヤスミカ家の方々は立派です」
リンの実家シルバー家は大貴族で王都に広大な屋敷と領地を誇るが必ずしも民衆ファーストではない。
そもそもリン自身が当主クロードが平民の娘を手ごめにして誕生した不平等の申し子である。
リンの母違いの長兄ミシェルはそんな狡猾ロリクソ親父クロードに対して複雑な気持ちと反発を抱きつつ異母弟のリンを可愛がってくれた。
ミシェルはどちらかというと封建的な世の中に懐疑的で大貴族の嫡男なのに貧民窟で犯罪連続記録を樹立して処刑されそうだった少年モモを保護して屋敷に連れ帰るなど気持ちは貧しい者に寄り添っている。
それだけだとミシェルが聖人のように映るがミシェルは社会的に弱い者に手を差しのべる善行と同時に貧民窟で保護した11歳だったモモを愛人にするという性犯罪も両立している。
ミシェルとモモの関係はおいておいて領民会館である。
受付にはラン・ヤスミカ家が任命した会館長が座っている。
この会館長は領立学校の引退した元校長先生が就任する決まりだ。
要はシルバーワークであった。
現在の会館長はネルソンという60代の男性である。
会館の入り口にユーリとリンが現れるとネルソンは笑顔で手招きした。
「おや!ラン・ヤスミカ家のユーリ様とリン様!視察のお仕事ですかな?サークルの皆が喜びますぞ!」
「久しぶり。ネルソン。視察ってほど大げさじゃない。施設内で何か故障とかトラブルはあったか?ここも修繕はしてるがだいぶ古いだろ?」
「お陰さまで施設は問題ございません!サークル内での喧嘩もなく和やかですよ」
ネルソンの穏やかな口調にリンは領地の人々がひらいているサークルとやらが気になった。
「ごきげんよう。ネルソン殿。あの…領地の方々が楽しんでいるサークルとはどのような?」
年配の男女が多いので読書や刺繍や詩歌にダンスなどを愛好する会かとリンは思っていたが違った。
「リン様。こちらが人気サークルのチラシでございます!1番人気はこちら!」
ネルソンが見せてくれた人気サークルの記載にリンは目を疑った。
「え?仲良し戦闘訓練サークル!?男女ともに参加可能!?剣、槍、弓一式、鎧に盾は会館がレンタルします?手ぶらでOK!?条件は死んでも自己責任の書類への署名捺印!?これがサークル?軍隊では?」
「このサークルが大人気でしてね!ラン・ヤスミカ領って小さくてショボいから何時なんどき敵や盗賊の強奪があるかわかりません!頼りの領主一家は激弱ですから!領民がガチで戦闘しないと!」
領主の次男ユーリがいる前で平然と領主であるラン・ヤスミカ家はクソ弱いとディスるネルソンさん。
さすがに穏やかなユーリも怒らないかとリンは焦ったがユーリは笑っている。
「ごめんな!俺の家系って戦争強い人間はほぼいなくて!今まで領地滅んでないのが奇跡だ。それもこれも伝統ある仲良し戦闘訓練サークルが私軍として戦ってくれたお陰だよ!ありがとな」
ラン・ヤスミカ領が小さくてもこんにちまで存続していたのは仲良し戦闘訓練サークルの働きあってこそだった。
そりゃ、領民に頭があがらないだろうとリンは呆気にとられた。
シルバー家だって大貴族なのに軍人を多く輩出してないので同じだが代わりに政治家は多く出ている。
そもそも軍事より政治力に突出したシルバー家だが貴族の必須科目としてリンだって武術訓練を受けていた。
高齢者を私軍として頼りにするは領地の安泰を考えると危険すぎる。
「あの…仲良し戦闘訓練サークルは若い人は参加しないのですか?」
リンの疑問にネルソンは微笑んだ。
「しませんよ!若者は家業で忙しく女性は子育てにも多忙です!力があまってるお爺さんとお婆さんがメインのサークルですから!」
「そうですけど!いざ戦闘になったときに若年層に戦の心得がないと領地が危うい!」
高齢者がいくら奮戦しても大群が迫ってきたら命はないとリンが力説するとユーリは言った。
「俺もそうだけど領地の若い奴らも学校で戦闘訓練してるぞ?花火作りから爆弾作りだけじゃなく卒業製作は大砲で砲弾とばすだしな!」
「嘘!?ミシェル兄上はなにも言ってないです!先生してたなら生徒が大砲製造してたら驚くと思うのですが!?」
「あれは内緒にしてもらってる。小さな領地が下手に軍事訓練してるってバレるとヤバイから。このラン・ヤスミカ領に住んでる人たちの民家には最低3台は大砲があって砲弾ストックもあるんだ。もちろんうちの屋敷にもあるぞ!」
リンは嫁いできてだいぶ経過したが領地がそこまで軍事に長けてるとは予想外だった。
その大砲と砲弾の材料の仕入れ先はどこか質問するのが怖い。
「それほどの軍事力があるとは知らず……ユーリの妻なのに情けないです」
自分は嫁いできた領地のことをまだなにも知らなかったと落ち込むリンにユーリは笑顔で口を開いた。
「内緒にしててごめんな。リンを信用してなかった訳じゃない。でも、ラン・ヤスミカ領は極力戦争しないって方針だ。大砲があっても戦闘訓練してても傷ついたり死ぬ人はでるからな」
「そうですね……。武器や武術はもしもの備えであって勇んで戦争するのは愚行です」
そう呟いてリンが微笑んだときネルソンが別のチラシを見せた。
「これなんか若者に人気のサークルですよ?恋ばなサークル!修学旅行の夜みたいな気分を味わえます」
「これは…随分と平和的な!え?条件は恋ばなサークルで知った情報を漏洩しない。違反者は領内引き回しのうえ鞭で100回打たれて、【バカ】のタトゥーをオデコに彫るペナルティあり!?厳しすぎる!」
「恋ばなの漏洩は重罪ですからな!」
大砲や戦闘訓練してる情報より恋ばな情報の方が機密性が高いラン・ヤスミカ領民会館サークルであった。
ちなみに恋ばなサークルにリンの次兄エドガーが参加している事実をユーリとリンはまだ知る由もない。
恋ばなサークルは参加者匿名性であった。
end
0
お気に入りに追加
30
あなたにおすすめの小説
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈
めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。
しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈
記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。
しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。
異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆!
推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
転生悪役令息、雌落ち回避で溺愛地獄!?義兄がラスボスです!
めがねあざらし
BL
人気BLゲーム『ノエル』の悪役令息リアムに転生した俺。
ゲームの中では「雌落ちエンド」しか用意されていない絶望的な未来が待っている。
兄の過剰な溺愛をかわしながらフラグを回避しようと奮闘する俺だが、いつしか兄の目に奇妙な影が──。
義兄の溺愛が執着へと変わり、ついには「ラスボス化」!?
このままじゃゲームオーバー確定!?俺は義兄を救い、ハッピーエンドを迎えられるのか……。
※タイトル変更(2024/11/27)
異世界転移で、俺と僕とのほっこり溺愛スローライフ~間に挟まる・もふもふ神の言うこと聞いて珍道中~
戸森鈴子 tomori rinco
BL
主人公のアユムは料理や家事が好きな、地味な平凡男子だ。
そんな彼が突然、半年前に異世界に転移した。
そこで出逢った美青年エイシオに助けられ、同居生活をしている。
あまりにモテすぎ、トラブルばかりで、人間不信になっていたエイシオ。
自分に自信が全く無くて、自己肯定感の低いアユム。
エイシオは優しいアユムの料理や家事に癒やされ、アユムもエイシオの包容力で癒やされる。
お互いがかけがえのない存在になっていくが……ある日、エイシオが怪我をして!?
無自覚両片思いのほっこりBL。
前半~当て馬女の出現
後半~もふもふ神を連れたおもしろ珍道中とエイシオの実家話
予想できないクスッと笑える、ほっこりBLです。
サンドイッチ、じゃがいも、トマト、コーヒーなんでもでてきますので許せる方のみお読みください。
アユム視点、エイシオ視点と、交互に視点が変わります。
完結保証!
このお話は、小説家になろう様、エブリスタ様でも掲載中です。
※表紙絵はミドリ/緑虫様(@cklEIJx82utuuqd)からのいただきものです。
晴れの日は嫌い。
うさぎのカメラ
BL
有名名門進学校に通う美少年一年生笹倉 叶が初めて興味を持ったのは、三年生の『杉原 俊』先輩でした。
叶はトラウマを隠し持っているが、杉原先輩はどうやら知っている様子で。
お互いを利用した関係が始まる?
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる