2 / 5
1
しおりを挟む
ここはトルミア王国。
今日は朝から国中お祭り騒ぎです。
なぜなら今日は1422年目の建国記念日。
別名は「祝福の日」、なにをするにしても最良の日と言われています。
そんな素晴らしい日にトルミア王国の外れの町サルハルでは新たな命が誕生したようです。
おぎゃーおぎゃーおぎゃー
バルト「リリー、女の子だ!女の子だぞ!」
「ダルシア、ベナルド入ってきなさい。女の子だ。かわいいだろう。」
ベナルド「女の子?ぷっ、変な顔~」
ダルシア「ベナルドの生まれた時にそっくりじゃないか。母さん、体は大丈夫?」
リリー「大丈夫よ、ありがとう。ダルシア、ベナルド、あなた達の妹よ。
優しくしてあげてね、お兄ちゃん。」
ベナルド「お兄ちゃん!俺もお兄ちゃんだーー!」
バルト「祝福の日に生まれるなんて、、この子は神様に愛されている。」
「リリー、女の子だから名前はカナティアだね。」
リリー「ええ。あなたの名前はカナティア。私のもとに生まれてきてくれてありがとう。」
暗い、、、
ここはどこ?
私はあそこで、、、
(かなさん、新しい人生はどう生きたいですか?)
私は、、、
ただ幸せに、
幸せに生きたい。
何もなくても、幸せに。
おぎゃーおぎゃーおぎゃー
ん?
赤ちゃん?
うわっ
なんだこの髭の大男。
男の子2人?
うわぁ、綺麗な人。
なんでみんな私の顔覗き込むの?
あれ?
泣いてるの、私?
(あなたの名前はカナティア。)
カナティア?
私の名前?
私の名前はカナティア。
生後1週間のピチピチの赤ちゃんだ。
私には前世の記憶がある。
これがいわゆる転生なのか、それともただの夢なのか、それは分からない。
夢ならば覚めないで。
やっとパパから逃げられたんだから。
リリー「カティ、目が覚めたの?おはよう。」
この人が私のママ。
絶世の美女というのだろうか?
きっとママよりも綺麗な人は世界中探してもいないだろう。
まあ、ママ以外の女性をまだ見ていないんだけど。
バルト「カティ!パパが来まちたよ~」
「今日も可愛いでちゅね~、パーパって言えるかなぁ?」
リリー「あなた、大きい声出さないで!まだ起きたばっかりよ。」
「それにまだ生まれて1週間なんだから話せる訳ないでしょ。」
「カティ」
私の愛称。
生まれた次の日からみんなカティって呼ぶんだけど。
それなら名前カティで良くない?
って思うんだけど。
そしてこの髭の大男、彼がパパらしい。
どう考えても美人のママに釣り合ってないのだけれど。
パパは私を溺愛している。
どうやら女の子がずっと欲しかったらしい。
私を溺愛するパパ、それだけでちょっと身が強張る。
あの人じゃないのに、、、
パパが凄く良い人って分かってるのに、、、
リリー「あなた、仕事は?もうお店始める時間でしょ?」
バルト「カティ~、離れたくないよ~」
リリー「あなた!」
バルト「はい。カティ、パパ頑張って働いて来るね。」
うちは飲食店をしている。
パパは凄腕の冒険者だったけど、ママとの結婚を機に冒険者を辞めてこの町でお店を始めたのだと毎日のようにママから聞かされる。
なんとママの方がパパにでデレデレだ。
信じられない。
パパと入れ替わるように2人の兄がやって来た。
ベナルド「ママー、俺と遊ぼ!あっちで遊ぼ!」
リリー「ベナルド、ママはカティの側にいないと。」
「お兄ちゃんなら我慢できるかな?」
ベナルド「うん、、、俺お兄ちゃんだもん、我慢する。」
ベナルドはこの家の次男。
5歳。
ママが私に付きっきりで寂しいみたい。
でも、お兄ちゃんって言葉に弱いみたい、かわいいなぁ。
ダルシア「偉いな、ベナルド。」
「お兄ちゃんと遊ぼうか、裏山にでも行くかい?」
ベナルド「うん!行くっ」
ダルシア「じゃあ、父さんに弁当作ってもらってピクニックにするか!」
「母さん、ベナルドは僕に任せて。」
「カティ、おはよう。今日もかわいいね。」
リリー「よろしくね、ダルシア。気をつけて。」
長男ダルシア。
12歳。
こんな12歳がいるのか?ってくらい落ち着いて大人びている。
ママに似たんだろうけど圧倒的美少年。
パパ似のベナルドは、、
うん。。
とまあ、うちは5人家族。
とても仲の良い家族のようだ。
1週間、ほとんどこの部屋に居るからこの世界のことがまだあまり分かっていない。
ただ、前世との決定的な違い、、
それは、この世界は剣と魔法の世界という事だ。
この世界の全ての人には生まれつきの固有スキルがある。
しかし、後天的にスキルに目覚めた人にしか魔法は使えないらしい。
そして、後天的にスキルに目覚めなければ固有スキルが無駄になってしまうこともあるとか。
ちなみに後天的にスキルに目覚める確率は33%、3人に1人の割合だそうだ。
うちでは、パパは目覚めなかったが、固有スキルが身体能力を向上させるものだったため、剣士として活躍していたんだと。
ママは魔法が使える。
特に回復系を得意としているそう。
こんな美人で回復役なんてイメージぴったりだね。
ダルシア、ベナルド、そして私はまだ。
だいだい15歳前後で目覚めるらしいから、それまでドキドキ。
こういう転生モノでは私はきっと目覚めるはずだよね?
なんなら10歳くらいで目覚めて天才としての道を歩むかも!!
なんて最近はずっと妄想してる。
固有スキルは物心ついた頃に自然と自分で分かっているものなんだって。
私はもちろん生まれた瞬間から物心ついてたから既に分かっている。
「祝福と恩恵」
でも効果が分からない。
そういうものなのか、まだ喋れないから聞けない、、、
まあ、そんなに悩む事じゃないよね!
今世は幸せ人生を送りたいな。
ふぁぁ、、
眠くなっちゃった。
リリー「カティ、眠くなったね~」
「おやすみ、愛してるわカティ。」
おやすみ。
今日は朝から国中お祭り騒ぎです。
なぜなら今日は1422年目の建国記念日。
別名は「祝福の日」、なにをするにしても最良の日と言われています。
そんな素晴らしい日にトルミア王国の外れの町サルハルでは新たな命が誕生したようです。
おぎゃーおぎゃーおぎゃー
バルト「リリー、女の子だ!女の子だぞ!」
「ダルシア、ベナルド入ってきなさい。女の子だ。かわいいだろう。」
ベナルド「女の子?ぷっ、変な顔~」
ダルシア「ベナルドの生まれた時にそっくりじゃないか。母さん、体は大丈夫?」
リリー「大丈夫よ、ありがとう。ダルシア、ベナルド、あなた達の妹よ。
優しくしてあげてね、お兄ちゃん。」
ベナルド「お兄ちゃん!俺もお兄ちゃんだーー!」
バルト「祝福の日に生まれるなんて、、この子は神様に愛されている。」
「リリー、女の子だから名前はカナティアだね。」
リリー「ええ。あなたの名前はカナティア。私のもとに生まれてきてくれてありがとう。」
暗い、、、
ここはどこ?
私はあそこで、、、
(かなさん、新しい人生はどう生きたいですか?)
私は、、、
ただ幸せに、
幸せに生きたい。
何もなくても、幸せに。
おぎゃーおぎゃーおぎゃー
ん?
赤ちゃん?
うわっ
なんだこの髭の大男。
男の子2人?
うわぁ、綺麗な人。
なんでみんな私の顔覗き込むの?
あれ?
泣いてるの、私?
(あなたの名前はカナティア。)
カナティア?
私の名前?
私の名前はカナティア。
生後1週間のピチピチの赤ちゃんだ。
私には前世の記憶がある。
これがいわゆる転生なのか、それともただの夢なのか、それは分からない。
夢ならば覚めないで。
やっとパパから逃げられたんだから。
リリー「カティ、目が覚めたの?おはよう。」
この人が私のママ。
絶世の美女というのだろうか?
きっとママよりも綺麗な人は世界中探してもいないだろう。
まあ、ママ以外の女性をまだ見ていないんだけど。
バルト「カティ!パパが来まちたよ~」
「今日も可愛いでちゅね~、パーパって言えるかなぁ?」
リリー「あなた、大きい声出さないで!まだ起きたばっかりよ。」
「それにまだ生まれて1週間なんだから話せる訳ないでしょ。」
「カティ」
私の愛称。
生まれた次の日からみんなカティって呼ぶんだけど。
それなら名前カティで良くない?
って思うんだけど。
そしてこの髭の大男、彼がパパらしい。
どう考えても美人のママに釣り合ってないのだけれど。
パパは私を溺愛している。
どうやら女の子がずっと欲しかったらしい。
私を溺愛するパパ、それだけでちょっと身が強張る。
あの人じゃないのに、、、
パパが凄く良い人って分かってるのに、、、
リリー「あなた、仕事は?もうお店始める時間でしょ?」
バルト「カティ~、離れたくないよ~」
リリー「あなた!」
バルト「はい。カティ、パパ頑張って働いて来るね。」
うちは飲食店をしている。
パパは凄腕の冒険者だったけど、ママとの結婚を機に冒険者を辞めてこの町でお店を始めたのだと毎日のようにママから聞かされる。
なんとママの方がパパにでデレデレだ。
信じられない。
パパと入れ替わるように2人の兄がやって来た。
ベナルド「ママー、俺と遊ぼ!あっちで遊ぼ!」
リリー「ベナルド、ママはカティの側にいないと。」
「お兄ちゃんなら我慢できるかな?」
ベナルド「うん、、、俺お兄ちゃんだもん、我慢する。」
ベナルドはこの家の次男。
5歳。
ママが私に付きっきりで寂しいみたい。
でも、お兄ちゃんって言葉に弱いみたい、かわいいなぁ。
ダルシア「偉いな、ベナルド。」
「お兄ちゃんと遊ぼうか、裏山にでも行くかい?」
ベナルド「うん!行くっ」
ダルシア「じゃあ、父さんに弁当作ってもらってピクニックにするか!」
「母さん、ベナルドは僕に任せて。」
「カティ、おはよう。今日もかわいいね。」
リリー「よろしくね、ダルシア。気をつけて。」
長男ダルシア。
12歳。
こんな12歳がいるのか?ってくらい落ち着いて大人びている。
ママに似たんだろうけど圧倒的美少年。
パパ似のベナルドは、、
うん。。
とまあ、うちは5人家族。
とても仲の良い家族のようだ。
1週間、ほとんどこの部屋に居るからこの世界のことがまだあまり分かっていない。
ただ、前世との決定的な違い、、
それは、この世界は剣と魔法の世界という事だ。
この世界の全ての人には生まれつきの固有スキルがある。
しかし、後天的にスキルに目覚めた人にしか魔法は使えないらしい。
そして、後天的にスキルに目覚めなければ固有スキルが無駄になってしまうこともあるとか。
ちなみに後天的にスキルに目覚める確率は33%、3人に1人の割合だそうだ。
うちでは、パパは目覚めなかったが、固有スキルが身体能力を向上させるものだったため、剣士として活躍していたんだと。
ママは魔法が使える。
特に回復系を得意としているそう。
こんな美人で回復役なんてイメージぴったりだね。
ダルシア、ベナルド、そして私はまだ。
だいだい15歳前後で目覚めるらしいから、それまでドキドキ。
こういう転生モノでは私はきっと目覚めるはずだよね?
なんなら10歳くらいで目覚めて天才としての道を歩むかも!!
なんて最近はずっと妄想してる。
固有スキルは物心ついた頃に自然と自分で分かっているものなんだって。
私はもちろん生まれた瞬間から物心ついてたから既に分かっている。
「祝福と恩恵」
でも効果が分からない。
そういうものなのか、まだ喋れないから聞けない、、、
まあ、そんなに悩む事じゃないよね!
今世は幸せ人生を送りたいな。
ふぁぁ、、
眠くなっちゃった。
リリー「カティ、眠くなったね~」
「おやすみ、愛してるわカティ。」
おやすみ。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
聖騎士様から溺愛される幸せな結婚生活
夜桜
恋愛
婚約破棄され湖に捨てられた公爵令嬢イリス・バレンタイン。
相手の伯爵の悪行を暴き、聖騎士ロイドの助けもあって制裁を下す。
二人はいつしか惹かれ合い、イリスとロイドは幸せな結婚生活を送る。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる