妄想日記3<<RISING>>

YAMATO

文字の大きさ
上 下
62 / 80
Chapter5(Pleasure&Pain編)

Chapter5-⑬【SCREAM】

しおりを挟む
自動ドアに顔をくっつけ中を覗き込んでいる男がいた。
男はケンゴとタカユキの淫行を盗み見し、一心不乱にペニスを扱いている。
仁藤だった。
 
独りで飲み屋に入ったが、どうしても腹の虫が治まらない。
ペアを誘って来たのはコウタロウからだ。
ロッカー室で髭を剃っていると、鏡にコウタロウが映り込んだ。
仁藤に気付くと、入口で固まった。
顔を横に向け鏡に映すが、赤ら顔は退かない。
「お疲れさん。」
沈黙に耐え切れず、先に声を掛ける。
「あ、あの、こ、これ出るんですか?」
張り出されたばかりのポスターを指差す。
「ああ、オイルプロレスか。
出たいのは山々だが、タッグ戦だから相手がいないんだ。」
苦々しく答える。
「よ、良かったら、い、一緒に…、で、出てくれませんか?」
震える声が誘ってきた。
見開いた目をコウタロウに向ける。
こんなにまじまじと見たのは初めてだ。
俯き加減の顔は今にも発火しそうな程真っ赤だった。
地味な風貌な割に露出が好きな様だ。
今日もストッキング地のスパッツを穿き、ペニスを露出させている。
「いや、願ってもない申し出だ!
こちらこそ頼むよ。」
仁藤は瞳を輝かせ、コウタロウの手を握った。
 
そのコウタロウにまんまと為て遣られた。
自分の欲望を満たす為に、出しにされたのだ。
忌ま忌ましさが込み上げてくる。
そしてその忌まわしさがケンゴへ向かう。
室外からの微かなネオンがローションを照らす。
仰け反る裸体が神秘的に輝いて見えた。
『あの艶やかな筋肉も、プリッとしたケツも、淫らなアナルも全部俺の物だ!
クソッ!!』扱く手が速まる。
思い切り亀頭を握ると、白濁の液が自動ドアに飛んだ。
ボディスーツのジッパーを上げ、帰ろうかと足を踏み出す。
中から咆哮が聞こえた。
『これがあのタカユキさんの声?』
俄に信じ難い。
再び額をくっつけ中を覗き込む。
普段の冷静さは微塵もない。
顔を歪め、大きく開いた口から唾液を垂れ流している。
再び手が股間に行きかけたが、思い止まる。
『あの邪魔くさいケンゴさえ、いなくなればな。」
ドアを蹴飛ばすと、階段へ向かった。
 
翌日は早めに出勤して、プールの片付けから始める。
バケツでローションを掬い上げてはシャワーブースに流す。
いったい何往復しただろうか?
やっと底が露出してきた。
後はプールをシャワーまで引っ張り、ひっくり返す。
その後、モップで床を磨く。
とめどなく流れる汗も爽快に感じられる。
ケンゴとの旅行は眼前に迫っていた。
暇さえあればガイドブックを読んだ。
タイのガイドブックでサムイ島にページを割いている本は少ない。
それでもタカユキには充分だった。
写真を見ては南の島に想いを馳せる。
突然、自動ドアが開く。
「うっす!昨日は格好悪い所を見せちゃって…。」
はにかんだムサシが立っていた。
「あっ!き、昨日はお疲れ様でした。
ハルヒコさんの具合は大丈夫ですか?」
不意の来館者に狼狽える。
「まあ、なんとか。
帰る前に先輩の顔を見たくて、寄ったんすよ。」
ムサシは照れ隠しに、額からサングラスを下ろす。
フェイクレザーのタンクトップと尻のはみ出たジーンズを着ていた。
「DVD見たっす。
あんなに狂乱するなんて知らなかったすよ。」
ムサシが歩み寄り、唇を重ねる。
南の島の映像が崩れて行く。
「汗臭いから…。」
タカユキの抵抗はムサシの体内に飲み込まれた。
「久し振りだ。
このエロいガタイ!」
舌が全身を這いずり回る。
気持ちとは裏腹に身体が反応してしまう。
ムサシの手が背中から尻へ下りていく。
そしてピクッと動きが止まった。
 
 
(つづく)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】聖アベニール学園

野咲
BL
[注意!]エロばっかしです。イマラチオ、陵辱、拘束、スパンキング、射精禁止、鞭打ちなど。設定もエグいので、ダメな人は開かないでください。また、これがエロに特化した創作であり、現実ではあり得ないことが理解できない人は読まないでください。 学校の寄付金集めのために偉いさんの夜のお相手をさせられる特殊奨学生のお話。

初めての鬼畜緊縛・第一章

拷鬼ヨシオ
BL
※実話です。 バイでドMの私は、平凡で在り来たりなSM生活を送ってました。 平凡すぎる縛りや責めに正直いつも満足してませんでした。 動けば縄が緩む・痛がれば相手は止めてしまう、、、 いつか麻縄で息をすることさえ出来ない、関節が悲鳴を上げるくらいの鬼畜かつ 拷問的な緊縛をされたい、私の人格・人権など無視して拷問されたい、と思ってました。 意を決してとある掲示板に私の思いを書き込みました。 「鬼畜な緊縛を施して私の人権を無視して拷問にかけてください」と。 すると、ある男性から返事がありました。 「私はドS拷問マニアです。縛りも縄師の方に数年ついていたので大丈夫です。 逆海老吊り縛り等で緊縛して、貴方を徹底的に拷問にかけたい。耐えれますか?」 私はすごく悩みましたが、下半身の答えは1つでした(笑) 日時やNGプレイ等のやり取りをしばらく行った上でいよいよお相手の方とプレイする事に。 それは私の想像をはるかに超えた鬼畜緊縛拷問プレイでした。 私は今後、どうなってしまうんだろうか・・・

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

ハメられたサラリーマン

熊次郎
BL
中村将太は名門の社会人クラブチーム所属のアメフト選手た。サラリーマンとしても選手としても活躍している。だが、ある出来事で人生が狂い始める。

消防士の義兄との秘密

熊次郎
BL
翔は5歳年上の義兄の大輔と急接近する。憧れの気持ちが欲望に塗れていく。たくらみが膨れ上がる。

ラグビー部主将の屈辱

熊次郎
BL
強豪社会人チームの主将勇次は部員の不祥事をかばい自らの体を差す出す。屈辱に耐えながら、熱くなる体をどうにもできない自分をコントロール出来なくなっていく、、、

飼い始めの躾

BL
最近ペットになったばかりのリツは、ご主人様がいるにも関わらず、他の男と寝てしまったことのお仕置きを受けている。イキたくてもイケない…。そんな快楽に溺れる中で、ペットとしての自覚を持っていくのであった。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

処理中です...