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Chapter1(Paradise Gym編)
Chapter1-⑧【君とのふれあい】
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「いや、誰でもいいです。」
耳を澄まさないと、殆ど聞き取れない。
後ろで学生二人と馬鹿笑いしているケンゴの声がノイズとなって、口の動きで判断す
るしかなかった。
また自動ドアが開く。
「少々お待ち下さい。
岩佐さん、こちらの方をお願いします。」
席を立ち、ドアへ向かう。
待っていたのはスーツを着た年配のサラリーマンだった。
アースカラーの上着に微笑み掛ける。
「今日から入会出来ると聞きまして、伺ったのですが。」
サラリーマンは革に覆われた股間を見て、目をパチクリさせた。
「こちらへどうぞ。
担当のタカユキです。
本日は手続きのみとなります。
実際ご利用頂けるのは週末のプレオープンからとなりますが、如何しますか?」
スリッパを出しながら質問する。
「ええ、手続きだけで結構です。
それにしても凄い格好ですね。
ここに通うのが楽しみになりました。
私は仁藤と申します。」
穏やかな笑みを浮かべた。
隣のピアス男をそっと窺う。
岩佐の説明に対し、うんともすんとも言わない。
ただ時たまケンゴに熱い視線を送っていた。
「これで宜しいですか?」
仁藤が記入し終わった書類を寄越す。
ざっと目を通し、不備がない事を確認した。
「では仁藤さん、プレオープンの日にお待ちしています。」
仁藤を出口までエスコートする。
尻に仁藤の手が微かに触れた。
気付かぬ振りをする。
次第に大胆になり、指の力が強まっていく。
「ええ、私も楽しみです。」
頷いた仁藤は堂々と尻を撫で始めた。
大殿筋に力を込め、サービスする。
「これは今日、タカユキさんが穿いているレザーと同じなんですか?」
ドア前に飾ってあるディスプレイ品に、仁藤が目を留めた。
「全く同じです。
良かったらひとつどうですか?」
冗談で言ってみる。
決して安くない革製品を、そう簡単に買うとは思えない。
「タカユキさんとお揃いですね。
ではひとつ頂きましょう。」
仁藤は尻を鷲掴みにすると、鞄から財布を取り出した。
「二人ともお疲れ様でした。
今日だけで、10名の入会がありました。
お二人が身に付けていた物もかなり売れましたし、幸先の良いスタートが切れまし
た。」
岩佐は伝票を整理しながら、小さく笑う。
これが最大限の笑顔の様だ。
「まあ、殆ど俺目当てだったけどな。」
デリバリーのピザを口いっぱいに頬張ったケンゴが言う。
悔しいが、ケンゴの言う通りだ。
タカユキの着ていたレザーは1枚なのに、ケンゴのケツワレは6枚も売れた。
「まあまあ、タカユキさんのレザーは単価が高いので、1枚でもありがたいです。」
気を遣った岩佐がフォローする。
『明日はこのハーネスを売ってやる!』
タカユキの中に対抗心が芽生えた。
「私はサイトの更新をしに事務所に戻ります。
戸締まりをお願いします。」
岩佐は伝票を鞄に仕舞うと、帰って行った。
「岩佐さんって、何歳なのかな?」
気になっていた事を聞く。
「ジャニの歳なんて、どうでもいいだろ。
まあ、俺達より下なのは確かだけどな。」
ケンゴは最後の1枚を口に放り込む。
「あっ!それ俺の…。」
タカユキは言葉を飲み込んだ。
「腹もいっぱいになったし、トレーニングでもしねぇか?」
伸びをすた手が肩に触れた。
「えっ、別にいいけど…。」
誰もいないジムで、二人きりでトレーニングする事に淫らな期待を抱く。
「俺も結構えげつねぇDVDに出たけどよ、ハーネスしたままなんて経験ないぜ。」
ケンゴはレンタルタオルを勝手に持って来た。
「そういえば夕方に大学生の二人組が来ただろ?
あいつら俺のDVDを全部持ってんだってさ。」
自慢たらしい発言に口を開く。
『俺も全部持ってるよ。』
言い掛けた言葉を、やっとの思いで心裏に押し込めた。
(つづく)
耳を澄まさないと、殆ど聞き取れない。
後ろで学生二人と馬鹿笑いしているケンゴの声がノイズとなって、口の動きで判断す
るしかなかった。
また自動ドアが開く。
「少々お待ち下さい。
岩佐さん、こちらの方をお願いします。」
席を立ち、ドアへ向かう。
待っていたのはスーツを着た年配のサラリーマンだった。
アースカラーの上着に微笑み掛ける。
「今日から入会出来ると聞きまして、伺ったのですが。」
サラリーマンは革に覆われた股間を見て、目をパチクリさせた。
「こちらへどうぞ。
担当のタカユキです。
本日は手続きのみとなります。
実際ご利用頂けるのは週末のプレオープンからとなりますが、如何しますか?」
スリッパを出しながら質問する。
「ええ、手続きだけで結構です。
それにしても凄い格好ですね。
ここに通うのが楽しみになりました。
私は仁藤と申します。」
穏やかな笑みを浮かべた。
隣のピアス男をそっと窺う。
岩佐の説明に対し、うんともすんとも言わない。
ただ時たまケンゴに熱い視線を送っていた。
「これで宜しいですか?」
仁藤が記入し終わった書類を寄越す。
ざっと目を通し、不備がない事を確認した。
「では仁藤さん、プレオープンの日にお待ちしています。」
仁藤を出口までエスコートする。
尻に仁藤の手が微かに触れた。
気付かぬ振りをする。
次第に大胆になり、指の力が強まっていく。
「ええ、私も楽しみです。」
頷いた仁藤は堂々と尻を撫で始めた。
大殿筋に力を込め、サービスする。
「これは今日、タカユキさんが穿いているレザーと同じなんですか?」
ドア前に飾ってあるディスプレイ品に、仁藤が目を留めた。
「全く同じです。
良かったらひとつどうですか?」
冗談で言ってみる。
決して安くない革製品を、そう簡単に買うとは思えない。
「タカユキさんとお揃いですね。
ではひとつ頂きましょう。」
仁藤は尻を鷲掴みにすると、鞄から財布を取り出した。
「二人ともお疲れ様でした。
今日だけで、10名の入会がありました。
お二人が身に付けていた物もかなり売れましたし、幸先の良いスタートが切れまし
た。」
岩佐は伝票を整理しながら、小さく笑う。
これが最大限の笑顔の様だ。
「まあ、殆ど俺目当てだったけどな。」
デリバリーのピザを口いっぱいに頬張ったケンゴが言う。
悔しいが、ケンゴの言う通りだ。
タカユキの着ていたレザーは1枚なのに、ケンゴのケツワレは6枚も売れた。
「まあまあ、タカユキさんのレザーは単価が高いので、1枚でもありがたいです。」
気を遣った岩佐がフォローする。
『明日はこのハーネスを売ってやる!』
タカユキの中に対抗心が芽生えた。
「私はサイトの更新をしに事務所に戻ります。
戸締まりをお願いします。」
岩佐は伝票を鞄に仕舞うと、帰って行った。
「岩佐さんって、何歳なのかな?」
気になっていた事を聞く。
「ジャニの歳なんて、どうでもいいだろ。
まあ、俺達より下なのは確かだけどな。」
ケンゴは最後の1枚を口に放り込む。
「あっ!それ俺の…。」
タカユキは言葉を飲み込んだ。
「腹もいっぱいになったし、トレーニングでもしねぇか?」
伸びをすた手が肩に触れた。
「えっ、別にいいけど…。」
誰もいないジムで、二人きりでトレーニングする事に淫らな期待を抱く。
「俺も結構えげつねぇDVDに出たけどよ、ハーネスしたままなんて経験ないぜ。」
ケンゴはレンタルタオルを勝手に持って来た。
「そういえば夕方に大学生の二人組が来ただろ?
あいつら俺のDVDを全部持ってんだってさ。」
自慢たらしい発言に口を開く。
『俺も全部持ってるよ。』
言い掛けた言葉を、やっとの思いで心裏に押し込めた。
(つづく)
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