妄想日記5<<DISPARITY>>

YAMATO

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Chapter10(倒影編)

Chapter10-④【艶姿ナミダ娘】後編

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「他にもあるのか?」
「ええ、沢山あります。
10年分ですから。
これは比較的最近撮ったものです。」
中嶋が次の画像に進める。
椅子に括り付けられたマスクを被った男が現れた。
マッチョというより、レスラー体型のゴツい男だ。
『これが中嶋の奴隷?』
まじまじと痩せぎすの顔を見る。
中嶋の二倍の体重がありそうだ。
『この大男がどうして中嶋の?』
ナツキには理解出来ない。
自分はSもMも出来る。
だがMとして屈するのは自分より優れていると認めた野郎だけだ。
簡単に言えば、腕力や筋力が上回る男限定だった。
自分より小さい男に責められる等、想像すらした事がない。
信じ難い思いで画像を見続けた。
 
「何か食っていくか?」
「こう寒い晩はラーメンが良いのでは?」
中嶋が直ぐに提案した。
「あのー、ちょっと疲れたんで、今日は帰ります。」
ワタルは先を歩く二人の背に向かって言う。
「お前な、見え透いた嘘言ってんじゃねぇよ。」
眉間に皺を寄せたナツキが振り返る。
「うっ、嘘なんて…、吐いてないです。」
その狼狽振りが嘘を肯定していた。
「帰って電マの世話になるんだろ。
そんな奴を無理に誘わねぇさ。
なら、豚骨にするか?」
ナツキは嘘の真意に気を止める事ない。
「だったらナツキさん、家に来ませんか?
さっき画像を見せた奴、ランマって言うんですが、料理上手いですよ。」
「そうか、ならゴチになるか。」
「では飯を作る様に連絡します。」
二人はワタルの存在を忘れて、先を歩いていく。
ワタルは安堵し、震える手で携帯を操作した。
 
「まさかワタルさんがあの投稿者とは!
偶然にしては出来過ぎです。
この偶然のお陰で、ビデオがヒットしました。
さあ、偶然の出会いに乾杯しましょう。」
監督がジョッキを持ち上げた。
ワタルもジョッキを持ち、勢い良くぶつける。
「ワタルさんの投稿を見て、インスピレーションが沸いたのです。
それを撮影に活かしました。
まさか本人とは知らずにね。」
三浦と名乗った監督が饒舌に語り出す。
次作の打ち合わせをしたいと、この居酒屋に呼び出されたのだ。
 
「ワタルさんの素晴らしい肉体がえげつない責めを受ける。
ある程度、当たる事は想像していました。
しかしここ迄、ヒットするとは私も想定外です。
製作会社から是非続篇を撮って欲しいと、依頼を受けました。」
「前回、撮った中にまだ未使用シーンがありますよね。
それを使ったら?」
中嶋の発言を借用する。
「勿論、それも使います。
ただ今回のヒットで、新たな撮影欲が生まれました。
それは貴方の欲求共一致する筈です。
ワタルさんの美しい醜態を多くの人が待ち望んでいます。」
三浦の賛辞が耳を擽る。
「う、美しい…ですか?」
醜態に不似合いな形容詞が耳に残った。
それは聡明な中嶋の意見共一致する。
決して大袈裟な言い回しではなさそうだ。
「そうです。ワタルさんの神々しい筋肉は美しいという表現が一番合います。
その美しさに淫らさが加わり、見た者を魅了したのです。
私も魅せられた一人ですよ。」
泡の付いた唇を舌が拭い取る。
その動作を夢心地で眺めた。
 
 
(つづく)
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